【医師の本音レビュー】妊娠・出産アプリ「Babyプラス」はどれくらい便利?産婦人科医が実体験
レビュー医師:佐藤 綾華(産婦人科専門医)
北海道大学医学部医学科を卒業し、石巻赤十字病院で初期研修を修了。その後石巻赤十字病院産婦人科で勤務 した後、東北公済病院産婦人科、東北大学病院産婦人科、仙台市立病院産婦人科を経て、現在は仙台市内のクリニック等で勤務。
女性の社会進出を促進するなどの社会背景から、女性特有の健康問題をケアするニーズは加速しています。生理や更年期症状などの健康問題を解決するためのプロダクトやサービスは、フェムテックやフェムケアと呼ばれ、数多く登場しています。
一方で、こうしたプロダクトやサービスが、実際はどれくらい有用なのか、利用する前にわからないで困っている人も少なくありません。そこで、今回は、産婦人科医の佐藤綾華先生が、実際にフェムテックを体験して、良いところ・改善したらより良くなるポイントを本音でレビューしていきます。
今回レビューしていくのは、ハーゼスト株式会社が提供する、妊娠・出産アプリの「Babyプラス」です。
Babyプラスがフォーカスしているのは妊娠・出産について妊婦さんをサポートすること。妊娠中は、つわりが辛い、お腹が張る、出血があるなど、肉体面で負担が出てくるほか、妊娠初期には「プロゲステロン」というホルモンの量が上昇することで、不安な気持ちになったり、抑うつなどになる可能性もあります。特に初めて妊娠した時は、不安感を感じる妊婦さんも少なくありません。
今回の【医師の本音レビュー】では、「Babyプラス」の魅力を忖度なしで探っていきます。
「Babyプラス」はどんなアプリ?
画像引用:babyプラス公式サイトより
医師による本音レビューを紹介する前に、「Babyプラス」とはどのようなサービスなのか紹介していきます。会社の公式サイトでは以下のように紹介されています。
お医者さんがつくった妊娠・出産のアプリ 「Babyプラス」
医師監修のもと作成した、無料の妊娠・出産情報アプリです。妊娠中のママとパパ、そしてお腹の赤ちゃんのためのお役立ちコンテンツやお腹の中の赤ちゃんの状態・成長過程が分かるイラスト等を配信します。。(公式サイトより引用)
公式サイトによると、Babyプラスの主な機能は以下の7つです。
- 妊娠経過に合わせて画面の赤ちゃんが成長
アプリを使う妊婦さんの経過に応じて、アプリ画面に表示される赤ちゃんが成長していきます。また、毎日変わる赤ちゃんからのメッセージも表示されます。 - 産婦人科医が執筆・監修した情報
総勢100人の医者が執筆・編集した記事を読むことができます。妊娠週毎の妊婦さんの身体と赤ちゃんの様子や、妊娠から産後までの複数のテーマ別の記事が用意されています。 - 胎動カウンター
赤ちゃんが10回動くまでの時間と履歴を残せます。 - 陣痛カウンター
陣痛間隔を測ることができます。本番で慌てることがないように事前に練習もしておけます。 - 体重管理
グラフで体重管理できます。妊娠前の体重からどれくらい増減しているのかを表示します。 - 専門家監修の妊婦関連ガイド
「健診検査ガイド」「ママの体ガイド」「お金の手続き」「食べ物リスト」といった妊娠関連のガイドが用意されています。 - アプリの共有
パートナーや赤ちゃんの祖父母などと、妊娠カレンダーやアルバムなど、 妊婦さんの記録をみんなで見守ることができます。共有したい相手や共有する機能は、 個別に設定することができます。
「Babyプラス」を産婦人科の専門医が使ってみた
今回は、佐藤 綾華先生に実際にBabyプラスを1週間使っていただき、良かった点や改善したらもっと良くなりそうな点をレビューしていただきました。実は佐藤先生は第一子を妊娠している時に、実際にBabyプラスを使っていたそうです。実際に体験した利用者と産婦人科専門医の両方の視点から、どのような人にマッチしているサービスなのかも伺いました。
良かったと感じたポイント
まずは、実際に使ってみて良かったと思うポイントを佐藤先生に伺いました。今回レビューした1週間の感想に加えて、第一子の妊娠中に使っていた時の様子も踏まえてレビューをしていただきました。
佐藤先生が良かったと感じたポイント
- 毎日成長する赤ちゃんが楽しみ
赤ちゃんがだんだん成長し、いろんなメッセージで声をかけてくれるため毎日見るのが楽しみになります。
- パートナー、家族に共有できる
パートナー、家族に共有し今こういう時期なんだと知ってもらうことで、サポートを受けながら出産に向かえると感じます。
- 出産後のムービーが感動的
出産したあとに表示されるムービーの言葉が心に響きます。
- 記事が役に立つ
妊娠~産後まで役に立つ記事がたくさんあり心強いです。このアプリだけで全て網羅できるのではと思うくらい充実した内容です。
佐藤先生がBabyプラスを実際に使ってみて、良かったと感じたポイントは以上の4つでした。一方で、サービスの内容を改善した方がいいと感じたポイントはどのような点があったのでしょうか?
改善した方がいいと感じたポイント
佐藤先生が改善した方がいいと感じたポイント
- 妊娠ごとのデータの比較ができない
複数回の妊娠・出産をする場合もあるので、過去の妊娠のデータも保存されて、一人目、二人目と追加できる機能があると比較ができていいなと思います。(体重・症状のコメントなど)
佐藤先生が改善した方がいいと感じたポイントは、過去の妊娠データとの比較する機能の必要性でした。初めての妊娠・出産に比べると不安感は少なくなる人も多いかと思いますが、過去のデータを振り返りながらしっかりと準備ができると良さそうです。
次に、もしもあったら便利だと感じた機能のアイディアを伺いました。
あれば良いと感じた追加機能
佐藤先生があれば良いと感じた追加機能
- 産婦人科クリニックや病院と連携してエコー写真が取り込める機能
妊娠中に産婦人科クリニックや病院を受診すると胎児のエコー写真を撮影します。その時にプリントアウトした写真を手渡されると思いますが、エコー写真をデータで取り込めるようになるといいと思いました。
- カレンダーのメモ機能に写真も載せられる機能
妊娠している時の様子や、出産児の赤ちゃんの写真などをカレンダーのメモ機能に載せることができるといいと思いました。写真を載せることでフォトブックのように後から見返すことができると嬉しい人もいらっしゃると思います。
- 産後に使えるサービスの情報提供
産後ケアホテルやベビーシッター、家事・料理の代行など、産後ケアや新生児・乳児を育てている時に使える便利なサービスについて情報提供をする機能があるといいと思いました。知らないことで利用できないサービスもあると思いますので、救われる人も少なくないと思います。事前に産後の準備ができることも意義があると思います。
佐藤先生が欲しいと思った機能は、産婦人科クリニックや病院と連携してエコー写真が取り込める機能と、カレンダーのメモ機能に写真も載せられる機能、産後に使えるサービスの情報提供といった内容でした。妊娠中のエコー写真や、産後の赤ちゃんの写真を1つのアプリで見返すことができるのは嬉しい機能ですね。産後に使えるサービスの情報提供についても、産後ケアホテルなど知らないと利用できない情報なので、妊産婦の方にとっては便利な機能になりそうです。
ここまでは、佐藤先生に、実際にBabyプラスを使って感じたポイントを伺いましたが、このアプリはどのようなシーンで使うことが良いと考えるのか教えていただきました。
アプリの恩恵を受けられそうなシーンや利用者
佐藤先生が考える恩恵を受けられそうなシーン
- 妊娠中の幸せを実感したい方
アプリを使用することで妊娠中の幸せをより実感できると思います。
- パートナーの自覚を促したい方
パートナーに共有することでパートナーの赤ちゃんについての実感も強くなると思います、出産前から産後のイメージをつかんでおくことで奥さんのサポートがうまくいく可能性もあると思います。
- 妊娠・出産についての知識を増やしたい方
切迫早産や出血などの症状に関する記事もあり、アプリ上の記事をあらかじめ読んでいるといざという時の対応が落ち着いて行えると思います。
まとめ
今回の記事では、妊娠・出産アプリの「Babyプラス」を実際に産婦人科専門医の佐藤綾華先生に使用していただき、「良かったと感じたポイント」「改善した方がいいと感じたポイント」「あればいいと感じた追加機能」「アプリの恩恵を受けられそうなシーンや利用者」についてお話を伺いました。
妊娠中は肉体面や精神面で何かと不安になることも少なくありません。今回紹介した「Babyプラス」などの妊娠・出産をサポートするアプリを活用することを検討してみてはいかがでしょうか?