【医師監修】約100記事監修した産婦人科医が伝えたい情報発信の注意点

認証マーク

2024.06.11

  • LINE
認証マーク

医療・健康コンテンツは、世間から大きな関心を集めるジャンルの1つです。時には命に関わる領域である医療・健康コンテンツだからこそ、医師監修を入れて、読者にとって有益かつ安心して読むことができる内容にしていく必要があります。

今回は、オンライン完結の医師監修サービス「メディコレWEB」で実際に医師監修を行なっている産婦人科専門医、宮の沢スマイルレディースクリニックの馬場敦志先生に監修の際に感じた注意点を教えてもらいました。

※この情報は、実際行われたオンラインウェビナーの内容をもとに構成されています。

Profile
馬場 敦志
筑波大学 医学専門学群医学類を卒業後、現在は宮の沢スマイルレディースクリニックで院長を務める。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医などの資格を保有。

女性特有の健康問題に関する情報発信の注意点

メディコレWEBを通じて記事の監修をしている馬場先生は、ご自身でも女性の健康に関するブログを運営しています。セミナーでは、自身の情報発信の際に気をつけていることや、監修した記事の内容について注意が必要だと感じたことを教えていただきました。具体的には以下の4つのポイントを意識することが大事だということです。

女性の健康の悩みは言葉の力で解決することもできる

正確性 VS 分かりやすさ

情報の信頼性

ファクトとエビデンス

それぞれ具体的に見ていきます。

女性の健康の悩みは言葉の力(情報)で解決することもできる

生理による辛い症状や更年期障害、不妊治療など、女性特有の悩みや健康課題は多岐にわたり、時に日常生活や仕事に大きな影響を与える可能性があります。馬場先生によると、こうした悩みを解決するために、言葉の力=情報が大きな意味を持つと言います。健康課題に悩む女性本人が産婦人科クリニックを訪れて、医師に直接相談をする言葉一番確実ではありますが、仕事などの都合でクリニックに行きにくい場合もあります。そういった際に、インターネットの記事や、SNSの投稿などをもとに女性特有の悩みについての知識を知ることが多くなっているからです。

もしも、ネット上で情報収集をした際に、書いてある内容がフェイクだったり、誤解が生まれるものであれば、女性の健康課題を解決にとっては逆効果になってしまいます。馬場先生は、「情報発信者がしっかりと責任を持って”医学的に問題ない情報”を提供することが重要」とセミナーで説明していました。

正確性 VS 分かりやすさ

記事の読者の多くは、医療従事者ではない、医学の基礎知識を持たない一般の人です。医学的な専門用語を多用したり難しい表現を繰り返してしまうと、わかりにくい記事になってしまい、結果として「正確だけど読まれない記事」になってしまいます。インターネット上で情報発信をする企業は、本業としてメディア、マーケティング目的のためのオウンドメディアなどそれぞれの理由を持っていますが、共通しているところは「面白く(有益で)、多くの人に読まれる記事」を公開していきたいという点です。メディア運用担当者にとっては、「医学的な正確性」と「わかりやすさ」を天秤にかけるシーンは頻繁に出てくる課題の1つと言えるでしょう。

馬場先生がセミナーで一例に挙げたのは、女性が月に1度経験する「月経」を「生理」と表現することについてです。一般の感覚では、「生理」と言われると、女性特有の健康課題というイメージがすぐに浮かぶと思いますが、医療従事者の視点では「生理 = 自然」という意味になるため、全く異なる意味になってしまいます。馬場先生は、「月経」を一般向けに「生理」と記載するのは問題がないという認識を示していますが、このような医学的な正確性とわかりやすさのどちらを優先するかはケースバイケースなので、しっかりと検討することが必要だとアドバイスしています。

他にも例を挙げると、「安全に使える」という表現と「リスクが低い」という表現もよく見聞きします。こちらについては、100%安全ということは科学的に存在しないという前提に立つと、悪いことが起きる可能性が0にはならないので「リスクが低い」が正しい表現になります。

こうした表現は、情報発信者自らが判断しかねることも多いと思いますので、必要に応じて馬場先生のような医師に医師監修を依頼することも重要になります。

実際にオンライン医師監修サービスのメディコレWEBを通じて産婦人科医が修正指示をしたケースを3つ紹介します。

「子宮内膜症が完治する」の記述修正

子宮内膜症は基本的には完治せず、閉経まで継続した治療が必要のため、記述の修正指示が出されました。

「子宮外妊娠早期発見が大事」の記述削除

子宮外妊娠の早期発見することは困難で、慣れている臨床医でも難渋することが多いのが現実です。実際の医療現場の実態を踏まえて、記述の削除指示が出されました。

・「低容量ピルは太る」の記述削除or修正

低用量ピルでは太らないので、記述を削除するか、「低容量ピルは太ると言われているが、実際は違う」に修正する指示が出されました。

こうした情報修正は、医師ではないと判断することが困難だということがお分かりになるかと思います。誤った情報は読者の健康被害を招きかねません。もしも、そのような健康被害が出た場合は訴訟などのリスクも発生します。適切な医療監修を受けることは、情報発信者にとってのリスクヘッジにも繋がります。

情報の信頼性

次に馬場先生があげたポイントは、「情報の信頼性」です。専門知識を実生活に役立てようとする考えをリテラシーを言いますが、リテラシーを向上させるためには、「正確な情報」に触れることが欠かせません。不正確な情報に触れることはリテラシーを向上させないだけではなく、健康に不利益が生じる恐れもあるので注意が必要です。

馬場先生は、「適切な情報ソース」として、厚生労働省など公的機関の発表や、査読済みの論文などを挙げています。また、こうした学術情報を取りまとめている学会が出すガイドラインや指針を参考にすることもお勧めしていました。逆に「不適切な情報ソース」の例に上がったのは、私的なコラムなどです。情報の一次ソースに直接アクセスすることが、正確な記事を書くために重要になります。

ファクトとエビデンス

最後に馬場先生が挙げたポイントは、「ファクトとエビデンス」の違いです。普段混合して使われがちな2つの言葉ですが、実際は明確に分けられています。ファクトは、あくまでも実際にあった事実の羅列でしかありません。ファクトは、メリットとデメリットの両面あります。こうしたファクトをもとに導かれるのがエビデンス、つまり証拠になります。馬場先生が強調したのは、医師が実際の医療を提供するときには客観的な証拠となるエビデンスを用いる、ということです。記事を公開する際には、書かれた内容がこのエビデンスに基づいているかを医師は監修することになります。記事を執筆する時点から、論拠となるエビデンスを意識することが重要になります。1つ前の「情報の信頼性」で説明したように、適切な情報ソースからエビデンスを取得することも忘れてはいけません。

馬場先生は普段からメディコレWEBを通じて医師監修に協力をいただいていますが、なぜ忙しい仕事の合間を縫ってまで医師監修に協力しているのか、ということについても教えていただきました。

医師監修に協力する理由

今回の記事の冒頭でもお伝えしたように、馬場先生はメディコレWEBを通じた医師監修を行うほか、自らもブログを運用しています。馬場先生に医師監修に協力する理由について伺うと、「クリニックでの診察以外で情報提供をする必要がある」という答えが返ってきました

こうした「クリニックの診察以外での情報発信」がなぜ必要になっているのでしょうか。産婦人科専門医としての立場から、以下の3つの理由で説明をいただきました。

クリニックでの医療情報の提供は難しい

患者は内診に抵抗がある

患者は自分で解決したい

それぞれについて具体的に説明していきます。

クリニックでの医療情報の提供は難しい

馬場先生が最初に挙げた理由は、「クリニックでの医療情報の提供は難しい」という点です。ここで注意が必要なのは、診察で伝えること = 医療情報では必ずしもないということです。診察では具体的な健康課題を医師がヒアリングして、検査などを通じて原因を特定し、治療を行います。診察の過程で、女性特有の健康情報について説明をするシーンは出てきますが、あくまでも治療のサポートとしての位置付けです。

馬場先生はクリニックでの医療情報の提供が難しい理由について以下の3つを挙げています。

・診察時間が限られている

クリニックでは日々多くの患者が診察を受けに訪れていますので、1人1人の患者に使うことができる時間は限られてしまい、しっかりと健康に関する情報を伝える時間を取ることは困難です。インターネット上で記事や動画などのコンテンツが用意されていると、患者が望む時間を使って情報を収集することができます。

・理解度が人それぞれ異なる

クリニックを訪れる患者がどれくらいの健康に関する基礎的な知識を持っているかは、一律には計れません。中には医療従事者の患者もいますし、全く知識がない患者もいます。そのため、医療情報を伝えることができても、限られた時間の中で、全員が必要なレベルまで理解ができる状況にはなりません。何度も繰り返し読むことができるような情報に簡単にアクセスすることが重要になります。

・医療情報は内容が難しい

「理解度が人それぞれ異なる」の箇所でも説明したように、健康に関する基礎的な知識レベルは、患者それぞれ異なります。限られた時間の中で説明しても、そもそもが難しい内容である医療情報を適切に理解できる患者はどうしても限られてしまいます。

こうした3つの理由から、馬場先生は診察時間外にも情報提供が必要だと考えています。また、実際に伝える情報には、わかりやすい資料と、何かあったときにフォローができる体制が付いていると、なお良いということです。

患者は内診に抵抗がある

「患者は内診に抵抗がある」という点もクリニックの診察以外で情報提供が必要な理由の1つだと言います。

内診とは、クリニックで膣内の様子を観察したり、子宮の大きさ・硬さ・位置などを触って調べる診察方法のことです。内診を実施することで発見できる病気も多くあり、産婦人科クリニックでは一般的な診察方法ですが、内診に抵抗がある女性は少なくありません。

この内診への拒否感からクリニックの受診が遅くなることで、がんが進行してしまったり、性感染症が広がってしまう、など病状進行に繋がってしまうケースもあります。馬場先生は、クリニックを適切に受診してもらうためにも、クリニック以外の場所で「内診・診察の重要性」という医療情報を伝えていくことが必要になっていると考えています。

具体的なトピックとしては、HPV検査の自己検診キットの情報や、性感染症やセルフエコーといった、セルフ検査については患者からのニーズを感じているそうです。

患者は自分で解決したい

最後の理由として馬場先生が挙げたのは、「患者は自分で解決したい」というポイントです。馬場先生によると、患者は基本的にはクリニックを受診したくなく、健康課題を自分で治療して改善が見られたなかったときにクリニックを受診するのだと言います。馬場先生に具体的なケースを伺うと以下のような内容を教えていただきました。

・軟膏を使ってみても痒みが改善しない

・市販の痛み止め薬を飲んでも月経痛が辛い

・排卵チェッカーを使って妊活をしても妊娠しない

こうして具体的な例を挙げてみると、確かに最初はセルフケアをしている患者は多いように感じます。こうしたセルフケアを実施するときに、インターネットやSNSで情報収集をすることが多く、誤った情報を参考にすると健康被害を招く恐れがあります。セルフケアを試みる患者が、安心して接することができる情報を増やしていくことも重要です。

馬場先生が実際に患者と接する中でニーズが高いと感じている情報ジャンルは、更年期や月経症状に関するサプリメント、かゆみの軟膏、漢方薬、痛み止め、排卵チェッカー、基礎体温、緊急避妊薬、中絶薬などが挙げられるそうです。

まとめ

今回の記事では、オンライン完結の医師監修サービス「メディコレWEB」で実際に医師監修を行なっている産婦人科専門医、宮の沢スマイルレディースクリニックの馬場敦志先生に監修の際に感じた注意点を教えていただきました。また、クリニック以外での情報提供の必要性とニーズについても馬場先生の感じているポイントを知ることができました。

馬場先生が挙げた注意点に関して適切に対応できているか、情報発信者自らが判断するのは困難なケースが少なくありません。私たちが提供している「メディコレWEB」は業界でも珍しいオンライン完結の医師監修サービスです。1,000人の医師のリレーションがあるからこそ「スピーディに」「簡単に」「リーズナブルに」監修を実施することが可能になっています。また、掲載可能な医師コメントはすべて「実名」「写真付き」です。

記事のリスク回避、信頼性の確保についてご興味がある方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

医師監修サービス「メディコレWEB」のサービス詳細についてはこちら