【セミナーレポート】健康情報の発信に有益なブランド形成

2024.09.20

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さまざまな健康情報があふれる現代。ヘルスケア関連の商品・サービスの売り上げを伸ばすには、企業の「らしさ(ブランド)」をアピールすることが必須です。自社のブランディングを強化するために有効なのが、コンテンツマーケティングです。 

今回は、株式会社ファングリーと弊社メディコレで共催したオンラインセミナーで、健康情報の発信に有益なブランド形成について詳しく解説しています。

本セミナーでは、株式会社ファングリーにてブランディングプロデューサーを務める永田義博様と弊社メディコレのCEOを務める橋本礼次郎が登壇しています。医療・ヘルスケアジャンルのコンテンツ制作の際に、参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ

  • 健康関連の商品・サービスの売上を伸ばしたい
  • 企業ブランドの形成に興味がある
  • ヘルスケア分野のコンテンツ制作をおこなっている
  • 医療・ヘルスケア領域のコンテンツマーケティングの最新動向が知りたい

講演者

永田義博

大手採用メディア「an」にて飲食小売業の採用支援を担当。2009年より、ブランディングテクノロジー(株)へ入社し、中小企業に向けて自社メディアを活用することを提言する。その後、ブランド事業拡大を目的にセミナーを実施しながら、さまざまな役職に就任。2023年より(株)ファングリーにてブランディングユニットの拡大に従事している。

橋本礼次郎

2008年にフジテレビへ入社し、報道局の記者として取材や記事執筆に従事。その後、情報制作局へ異動し「めざましテレビ」などの番組制作に携わる。デジタルデザイン部を兼務し、デジタル技術を用いた事業開発における企画立案も担当。番組制作のなかで、安心できる医療情報の提供に課題を感じ、2021年に株式会社メディコレを立ち上げる。

企業におけるブランディングとは

近年、ブランディングという言葉がトレンドになっています。多くの人がブランド形成の重要性について分かっていても、具体的な内容について理解していないのではないでしょうか。セミナーの第一部では、株式会社ファングリーの永田様に、ブランディングが注目される背景やその効果についてお話しいただきました。

ブランディングが注目される背景

企業ブランドを一言で言えば、企業の「らしさ」です。私たちは日々の生活の中で膨大な情報に触れています。しかし、情報処理能力は限られているため、多くの情報や広告を目にしても、ほとんど認識されていないのが実状です。

また近年、若者を中心にSNSが注目されています。SNSがここまで急伸した背景には、仲間同士で「いいね」を押し合うことで満たされる承認欲求が理由にあります。暮らしが豊かになった現代では、物ではなく経験に対する欲求が高まっています。例えば、次のとおりです。

  • お金があるのなら物を買うより、旅行に行きた
  • 掃除機を持っているけれど、ロボット掃除機などの高機能家電を試してみたい

上記のように、現代は物よりコト消費の時代になり、情報量の多さも重なって、企業のブランド形成が注目されています。

ブランディングの効果

企業ブランドの重要性に気づいているものの、具体的な内容について理解していない人も多いでしょう。企業がブランド形成に取り組めば、次のような効果を期待できます。

企業や商品・サービスに対する認知の向上広告・宣伝にかかる経費の削減企業の「らしさ」の洗練により、社内のビジョンが明確化営業効率が向上し、良い人材を獲得しやすくなる顧客のリピート率が増す口コミ紹介により新規顧客を獲得価格プレミアムにより低価格競争からの脱却

ブランディングを外部に依頼するのは、コストがかかります。しかし、企業がブランド形成に取り組めば、それ以上のメリットを期待できます。株式会社ファングリーでは、企業の「らしさ」を軸に経営課題の解決を目指す「ブランドファースト」を基にサービスを提供しています。

ブランディングにおいて重要な考え方

ブランド形成に取り組む際、売上への貢献度について注目する企業が多くあります。しかし、ブランディングは投資の側面があるため、注目すべき事柄に優先順位をつけることが大切です。ブランド形成において意識すべき事柄と優先すべき順番は次のとおりです。

  1. 社会性(社会や人々に必要とされるものか)
  2. 独自性(商品・サービスに「らしさ」があるか)
  3. 経済性(自社に安定した成長や収益をもたらすか)

最初に商品・サービスの売り上げのみを意識するのであれば、ブランディングよりも広告に注力した方がよいでしょう。企業価値を高めることを視野に、ブランド形成をするのであれば、上記の順位に従って中長期的に取り組むことが大切です。

医師監修を行うメリット・デメリット

ブランディングでは、他社との差別化を図ることが大切です。とくに医療・ヘルスケア領域のコンテンツマーケティングでは、医師監修を入れることで、内容に客観性や権威性を与えられるため、コンテンツのリッチ化を図れます。

一方、医師監修をすることはコストや丁寧な確認が必要になります。即効性のある効果が期待できる広告とは異なり、中期的に取り組む必要があるでしょう。また、Googleアップデートの影響を受けることもあります。だからこそ、ノウハウと実績のあるパートナーを選ぶことが求められています。

ヘルスケア企業が取り入れるべき専門家のサポート

セミナー第二部では、医療・ヘルスケア企業の健康情報の発信がテーマです。弊社メディコレのCEO 橋本礼次郎が解説します。

ヘルスケア企業でコンテンツマーケティングが必要な理由

ヘルスケア企業が売り上げを伸ばすには、商品・サービスによる健康への付加価値を消費者に理解してもらわなければいけません。一般商品であれば、ブランディング戦略で開発ストーリーをアピールすることができるでしょう。

それに対して、ヘルスケア関連の商品・サービスでは、ブランド形成がより一層難しい特徴があります。そもそも一般の人に対して、ヘルスケア情報を浸透させるのは難しいためです。国内における医療従事者の割合が3%ほどであることを考えると、およそ90%の人々は健康情報を判断するのに必要な基礎知識がない可能性があります。ヘルスケア企業が売り上げを伸ばすには、この90%の人々に商品やサービスの価値を理解してもらわなければいけません。

しかし、日本は世界の国々の中でも、ヘルスリテラシーが低い国といわれています。例えば、ジョンソンエンドジョンソン社の調査によれば、日本人はヘルスリテラシーに対する自己評価とヘルスケア情報に対する判断力が低いという結果が出ています。

このように、膨大な量の健康情報があふれているなかで、日本では情報迷子になっている人が多い状態です。ヘルスケア企業が情報発信をしても、「分からない」「ピックアップされない」という状況になりやすいでしょう。

その一方で、日本は他国と比べると、自分が健康だと過信している人の割合が高い特徴があります。多くの日本人が、健康について「身体的・精神的・社会的な面の充足」と考えているのではなく、単に未病状態を健康と捉えているためです。つまり、日本人は健康に対する危機感が低く、お金を払ってまで健康になろうという意識が低いといえます。

日本のようにヘルスリテラシーが低い国の中で、健康関連の商品・サービスの販促をするには、コンテンツマーケティングを通して、健康への貢献度について伝えるのが有効です。「企業が消費者を育てる」ように、潜在顧客層を顕在顧客層に引き上げる必要があります。

とくにヘルスケア領域のマーケティングでは、健康情報に詳しい層が、ヘルスリテラシーの低い層に商品・サービスを販売する構図となっています。そのため、どんなに健康につながる商品・サービスであっても、価値が消費者に伝わらないと、売上が低迷するリスクがあります。

もちろん日本でも、健康に関心が高い人(アーリーアダプター)もいますが、顧客層が薄い状態です。だからこそ、商品・サービスの価値を理解してもらうために、コンテンツマーケティングによるアプローチが必要です。

ヘルスケア関連の商品やサービスの販促には広告を打つこともできるでしょう。広告は簡単に出せますが、一定期間を過ぎれば掲載されなくなります。一方、コンテンツマーケティングは積み立てのようなもので、数を増やせば増やすほど、その価値を高めることができます。

健康情報を発信するときの弊害

コンテンツマーケティングで健康情報を発信するには、医師や歯科医師など専門家の協力が欠かせません。健康情報の発信には、次の3つの弊害があります。

  • 適切なトピックの選定
  • GoogleのSEO対策
  • コンテンツの内容に対する危機管理

適切なトピックの選定についてですが、最近はコンテンツ制作にAIを活用している企業も増えています。AIライティングはすでに公開されている情報を基に作成されていますが、キャッチャーな内容や深堀りしている内容がないため、ユーザーを満足させるのは難しいかもしれません。

このような場合、医師・歯科医師・獣医師などの専門家から助言を得るために、オンラインでやり取りができるサービスがあるとよいでしょう。弊社メディコレでも、構成案を作る段階から医師に確認してもらったり、オンラインでのヒアリングで追加の確認をしてもらった事例があります。

GoogleのSEO対策についてですが、YMYLコンテンツの評価にexperience(経験)が追加されるなど、上位表示がますます難しい状況となっています。Google検索では、ユーザーの満足度が高いコンテンツを評価しているので、自社のコンテンツの充足を図るのが大切です。

コンテンツの内容に対する危機管理については、記憶に新しいのがウェルク問題です。医療キュレーションサイトのコンテンツに不適切な内容があり、サイトが閉鎖された事例です。ヘルスケアのコンテンツに限っては、炎上で良い影響を与えることは何ひとつありません。

販促のためにコンテンツマーケティングをしていても、炎上してしまえば、商品やサービスの価値も損なわれます。企業の中には「コンテンツマーケティングをやるべきでなかった」と感じる結果になりかねません。ただ、コンテンツマーケティングを全くしないのはリスクがあるので、健康情報を発信するときは医師監修をつける必要があります。

海外のヘルスケアメディアの最新動向

海外のヘルスケアメディアの動向をみると、コンテンツの医師監修は、SEO対策だけではなくブランディングにも貢献しています。例えば、アメリカの大手ヘルスメディア「Healthline(ヘルスライン)」では、監修者やライターの名前を明記して照会できるようになっています。

また、会社のブランディングの一環として、編集ポリシーでは「メディアに医療チームが入っており、コンテンツに専門家のチェックを入れています」という旨を説明しています。つまり、健康メディアとして医師と一緒に取り組んでいることをアピールしているのです。

実際に、ヘルスラインの医療チームをみると、2024年時点で143人の医師が在籍しており、写真と実名を含むプロフィールが掲載されています。このように、アメリカで健康メディアを運営するには、医師と一緒に取り組んでいることを明確にしないと、ユーザーからの信頼を得ることができません。

弊社が調べた範囲ですが、国内に編集ポリシーにて「医師からアドバイスを受けている」「年1回は引用論文のチェックをしている」とアピールしているメディアはありません。ここに、競合との差別化や独自のブランディングができる可能性があるでしょう。

簡単に医師監修を受ける方法

弊社メディコレでは、コンテンツに医師監修サービスを提供しています。メディコレの医師監修サービスの特長は次の4つです。

  • 内容にマッチした専門家による監修
  • メディコレマークによる認証
  • やり取りはオンラインで完結
  • 薬機法チェックにも対応

弊社のCEOである橋本氏は、フジテレビ勤務時代に監修医師のキャスティングに苦労した経験があります。弊社には、メディコレの理念に賛同された医師・歯科医師が1000名が登録しており、コンテンツの内容に適した専門医の監修を受けられます。また、弊社の顧問には東大病院の病院長である田中医師が携わっており、定期的に助言を受けています。

メディコレでは、医師監修を受けたコンテンツに認証マークを付与しています。認証マークにはIDと日付が明記されています。例えば、コンテンツの公開後に内容と相反するエビデンスが出ても、監修日を証明できるため、説明責任を果たす際に役立ちます。認証マークは競合優位性を示すものではないので、景表法や薬機法に抵触しません。

医師監修に必要なやり取りはオンラインで完結するため、最短で1時間半で専門家からの回答を得ることができます。監修料金もリーズナブルに設定しているので、依頼しやすいでしょう。

さらにオプションとして、医師監修に加えて薬機法チェックにも対応しています。薬機法チェックは医師監修と一緒に受けることができないため、医師監修を終えた後に薬機法チェックを行います。

まとめ

本セミナーではブランド形成のコンサルをおこなっている永田様と医療・ヘルスケア分野のコンテンツに対する医師監修サービスを提供している橋本氏に、企業がブランド形成をするメリットと健康情報を発信する際のポイントについてお話しいただきました。

改めて、今回のセミナーの内容を振り返ってみましょう。

  • 情報化社会では、企業の「らしさ」をアピールすることが大切
  • ブランド形成にはコストがかかるが、それ以上のメリットがある
  • ヘルスケア企業が売り上げを伸ばすには、コンテンツマーケティングが必須
  • 健康情報の発信には医師監修をつければ、炎上の回避やブランド形成にも役立つ
  • メディコレでは医師監修サービスにも対応

多くの人々がインターネットで情報を得る時代だからこそ、販促にはコンテンツマーケティングに取り組むことが有効です。とくに、ヘルスケア企業が売上を伸ばすには、商品やサービスが持つ健康への価値を伝える必要があります。健康情報の発信にあたって、炎上リスクを回避したり、企業ブランドを高めるのに役立つのが医師監修をつけることです。

メディコレでは、医師監修サービスを通して、ヘルスケア企業のブランド形成をサポートいたします。医療・ヘルスケア分野のコンテンツマーケティングで医師監修を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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