男性更年期障害は何科を受診すべき?受診する目安は?

2023.09.15

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執筆医師:平澤 陽介(東京医科大学病院)
北海道大学医学部医学科卒。日本泌尿器科学会専門医/指導医・日本内分泌学会専門医などの資格を保有。

加齢による男性ホルモンの減少により、女性だけでなく男性も更年期障害によるさまざまな不調が生じることがあります。

では、男性更年期障害が疑われる場合は何科を受診すれば良いのでしょうか?また受診する目安はあるのでしょうか?

そんな疑問を解決するため、今回は泌尿器科医の平澤 陽介先生に男性更年期障害について、教えていただきます。

男性更年期障害は何科を受診すべき?

更年期障害というと女性特有のものと思われがちですが、男性にも更年期障害があります

男性更年期障害の最も重要な原因は加齢による男性ホルモンの減少です。

聞きなれない病気に、症状が現れたら「何科」を受診すればいいのか分からない人も多いと思います。結論から言いますと、「泌尿器科」が専門となります。

しかし、必ずしも泌尿器科でないといけない、というわけではありません。かかりつけの内科の先生がいれば、まず相談してみてください

うつの症状があれば精神科や心療内科を受診して相談してみてください。こういった科でも男性更年期障害は日々の診療で扱っていますし、泌尿器科と同様の診断・治療ができるところも少なくありません。

まずは遠慮せずに相談することが重要です。

もし男性更年期障害にあまり詳しくない内科の先生でも、専門の泌尿器科へ紹介はしてくれます。うつの症状が強い場合はまずその治療することが重要ですので、精神科や心療内科を受診することはむしろ推奨できます。

どうしても認知されづらい疾患ですので、インターネットの検索などでもしかして自分も、と心当たりがある方はお近くの泌尿器科、内科、心療内科を受診してみてください。

男性更年期障害で病院を受診する目安は?

もし男性更年期障害の症状が自分にあてはまるかも?と思った方は、下記にある「ハイネマンのAMSスコア」というセルフチェック可能な評価方法があるので、ご自身でチェックしてみてください。

合計ポイント27点以上の方、または26点以下でも気になる症状がある場合には病院を受診することを推奨します。

合計ポイント

  • 17-26点:男性更年期障害の可能性は低い
  • 27-36点:軽度の男性更年期障害の可能性あり
  • 37-49点:中等度の男性更年期障害の可能性あり
  • 50点以上:重度の男性更年期障害の可能性あり

男性更年期障害の初診ではどんな検査をする?

前述のハイネマンのAMSスコアで問診後に、疑わしい方は血液検査で遊離型テストステロン値をチェックします。

血中の遊離型テストステロン値が8.5pg/ml未満の場合に、男性更年期障害の可能性があります。8.5-11.8pg/mlの方は、男性更年期障害のボーダーラインとされます。

ただしこの数値がとても低いのに症状がほとんどない方や、数値が正常なのに症状が強い方などもいますので、数値だけで決めるのではなく、個々の方に合わせて診療にあたることが重要です。

また前立腺肥大症や前立腺癌の可能性も治療に関係してくるため、超音波検査や、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA値を測定することもあります。

まとめ

今回は泌尿器科医の平澤 陽介先生に男性更年期障害について教えていただきました。

男性更年期障害の専門は泌尿器科となりますが、かかりつけの内科の先生がいる場合はまずはそちらで相談してみても良いでしょう。またうつの症状がある場合は、精神科や心療内科の受診が勧められます。

気になる症状があれば、前述のセルフチェックとあわせて早めに医療機関を受診するようにしましょう。