メディコレNEWS|【医師監修】男性更年期障害の症状とは?泌尿器科医が解説
執筆医師:平澤 陽介(東京医科大学病院)
北海道大学医学部医学科卒。日本泌尿器科学会専門医/指導医・日本内分泌学会専門医などの資格を保有。
40代頃から原因不明の心身の不調が出現し、悩んでいるという方はいませんか?それはもしかしたら男性ホルモンの低下に伴う「男性更年期障害」かもしれません。
男性更年期障害ではどのような症状があらわれるのでしょうか。また男性更年期障害が疑われる場合は何科を受診すべきでしょうか。
そんな疑問を解決するため、今回は泌尿器科医の平澤 陽介先生に男性更年期障害の症状について詳しく教えていただきます。
男性更年期障害の症状とは
男性更年期障害の症状は主に身体的症状と精神的症状に大別できます。
身体的症状としては、筋力や筋肉量の低下、肥満、疲れが取れない(慢性的な疲労感)、不眠症、眠りが浅くなる、体のほてり、発汗の増加、勃起障害、肩こり、頻尿などがあげられます。
精神的症状としてはなんとなくイライラする、神経質になる、やる気が出ない、漠然とした不安がある、記憶量や集中力の低下などがあります。
いずれも女性の更年期障害と類似した症状を呈するが、疾患自体の認知度が低いため、自分でも自覚がないまま医療機関を受診しない方も多いです。
こういった症状がある場合には早めに医療機関を受診することが推奨されます。
男性更年期障害のセルフチェック
もし上記で挙げたような男性更年期障害の症状が自分にあてはまるかも?と思った方は、下記にある「ハイネマンのAMSスコア」というセルフチェック可能な評価方法があるので、ご自身でチェックしてみてください。
合計ポイント27点以上の方、または26点以下でも気になる症状がある場合には病院を受診することを推奨します。
合計ポイント
- 17-26点:男性更年期障害の可能性は低い
- 27-36点:軽度の男性更年期障害の可能性あり
- 37-49点:中等度の男性更年期障害の可能性あり
- 50点以上:重度の男性更年期障害の可能性あり
男性更年期障害が疑われたらすべきこと
もし自分が男性更年期障害かも、と思ったらまずはかかりつけの主治医の先生に相談してみてください。もしかかりつけの主治医がいない場合は、お近くの泌尿器科を受診して相談してみてください。
専門は泌尿器科であり、特にメンズヘルスをうたっているクリニックは特に男性更年期障害の診断や治療に力を入れているはずですので、まずは足を運んで相談してみてください。
血中テストステロン値の血液検査は基本的にはどこでも可能なことが多いですが、念のため受診前に電話でクリニックに確認するとより良いでしょう。
また、抑うつ症状が強い場合には、お近くの心療内科や精神科を受診してください。精神症状の治療は優先順位が高いといえるでしょう。カウンセリングで相談に乗ってもらい、治療しながら徐々に男性更年期障害の診断にいきつくケースも多いです。
まとめ
今回は泌尿器科医の平澤 陽介先生に男性更年期障害の症状について教えていただきました。
男性ホルモンは20歳をピークに徐々に減少し始め、40歳頃になると明確に減少していきます。それに伴いさまざまな身体的症状・心理的症状が出現することがあります。男性更年期障害は多くの方は治癒もしくは改善する疾患です。少しでも心当たりがあれば、医療機関を受診することをお勧めします。