「正しい歯科医療に関する知識を患者に届ける」 総合歯科医・遠藤眞次先生の思い

2024.02.25

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株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、医師監修に協力していただく医師・歯科医の力が欠かせません。今回は、グランドメゾンデンタルクリニックの遠藤眞次先生にお話しを伺いました。

Profile
遠藤 眞次
長崎大学歯学部を卒業後、地元の旭川医科大学病院歯科口腔外科で卒後研修を行う。その後群馬県と東京都の歯科医院で院長を務め、2023年からグランドメゾンデンタルクリニックに勤務。臨床のかたわら、歯周病治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表も務める。歯科医療メディアを中心にWebライターとしても活動中。JIAD インプラント認証医、臨床歯科麻酔管理指導医の資格を持つ。

「義歯臨床のデジタル化に挑戦」 総合歯科医の思いとは

――本日はお時間いただきありがとうございます!遠藤先生が医者を志したきっかけを教えてください。

遠藤先生 人間の免疫機構の精巧さに興味を持ったことが歯科医師になったきっかけです。病気の発生機序や病気に対する免疫機構を学ぶ学問は「病理学」と呼ばれますが、大学で病理学を学びたいと思い歯学部に進学しました。 今では様々な出会いもあって臨床医をしていますが、病気の原因を探るというところは臨床でも変わりありません。臨床医として、その場しのぎの治療ではなく、原因に対しての根本的なアプローチを行っています。

――その場しのぎの治療をしないという思いは患者にとっては大変心強いです。現在は臨床医として活躍されていますが、この道に進もうと決めたはきっかけは何だったのでしょうか?

遠藤先生 はじめは病理学という学問に面白さを見いだして歯学部に入学しましたが、在学中に歯科臨床にもやりがいを感じ、現在は主に臨床医として働いています。歯科治療は口腔内で行う非常に細かい作業が多く、職人的な要素も持ち合わせています。細かな作業に没頭できる性格が臨床医に向いていたと今では感じています。

――確かに歯科治療は集中力を要しますよね。実際には主にではどのような診療を行なっているのでしょうか?

遠藤先生 現在は特定の診療科に偏らず、一口腔単位での歯科治療を行う総合歯科が得意分野です。あまり一般には知られていませんが、歯科にも専門科が存在します。手術を行う口腔外科、虫歯の治療を行う保存修復科、ブリッジや入れ歯を作る補綴科など、歯科の診療科は多岐にわたります。専門家との連携は非常に大切ですが、かかりつけの歯科医院で高度な総合的歯科治療を受けられることは患者様にとって大きなメリットです。総合歯科医として歯科医療に貢献できるように、日夜幅広い診療科の研鑽に努めています。

――診察ではどのようなことを大事にされていますか?

遠藤先生 診療科に縛られずに、幅広い診療分野でハイレベルな歯科医療を提供できるように心がけています。どの診療科目でも高度な技術を目指す場合、習得しなければいけない知識や手技は多岐にわたります。しかし、高度専門科している日本の医療において、総合的な診療能力を有するからこそ解決できる問題も少なくありません。他科のプロフェッショナルから学ぶ姿勢を常に持ち、総合歯科医として患者様に還元できる歯科医師が私の理想像です。また、自分が学んだ技術や知識を積極的に歯科医療従事者に伝えることも仕事の一つと考えています。医療はチームで行うものですので、チーム全体の技術向上に努めなければいけません。学会等での症例発表をはじめ、「Dentcation」の代表として臨床技術を向上するためのセミナーも実施しています。

――他科のプロフェッショナルから学ぶ姿勢を常に持つ向上心が素晴らしいですね。先生は現在チャレンジしたいことはありますか?

遠藤先生 現在、歯科業界にもデジタル化の波が押し寄せています。その中でも特に、義歯臨床のデジタル化に私は挑戦しています。デジタル化のメリットは、誰でも一定レベルの臨床を行うことができる点です。歯科医療は科学ですから、誰がやっても同じ結果になるという再現性なければいけません。まだまだ時間はかかりますが、デジタルを活用した歯科医療の発展に貢献したいと考え、日々臨床を行っています。

――デジタル化により、誰でも一定レベルの義歯臨床ができるようになるのは患者にとってもメリットが大きそうです。先生が持つビジョンを教えてください。

遠藤先生 臨床でも臨床以外でも歯科医師としての役割を多角的に果たすことです。臨床としては先に述べたように、特定の診療科に限らず、地域のかかりつけ医として総合歯科を実践していくことが目標です。臨床以外では、歯科医療教育を行っていくことが歯科医師としての役割だと考えています。歯科医師や歯科衛生士などへの専門家に対する教育活動ももちろんですが、患者教育の重要性も感じています。誰でも気軽にさまざまな情報にアクセスできる昨今ですが、歯科医療に対する間違った情報が世の中にはあふれています。正しい歯科医療に関する知識を患者様に届けることが私の課題の一つです。

――弊社もメディコレWEBを通じて、医師や歯科医の皆様に医師監修を実施いただき、「問題がない情報」の可視化を目指しています。安心して情報に接することができる環境づくりが健康リテラシーの一丁目一番地だと思っておりますので、先生の知識を患者に伝えたいという思いには共感するところが多いです。

読者の方へ伝えたいメッセージ

――最後に、ここまで読んでいただいた方に伝えたいメッセージをお願いします。

遠藤先生 歯科医療に限らず、情報の取捨選択は重要です。そして「歯科医療」という、患者様自身の健康に直結する情報ではなおさらだと思います。ご自身のお口の健康に悩んでいる方に、正しく分かりやすい情報を届けられるように日々努力して参ります。 ご自身でお口のお悩みについて調べることも大切ですが、分からないことや心配事がありましたら、ぜひ歯科医院に足を運んでいただければと思います。お口の健康に悩まされない生活を目指して一緒に頑張っていきましょう。