「患者さまの人生がトータルで最も幸福であるために」 歯科医・木下裕貴先生の思い

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2024.11.12

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株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、医療法人社団天祐会の副理事長、木下裕貴先生にお話を伺いました。

Profile
木下 裕貴
北海道大学歯学部卒業後、北海道大学病院にて研修医を修了。現在はファミリーデンタルクリニックの院長を務め、矯正歯科・小児矯正歯科・一般歯科を中心に診療している。

「患者の人生がトータルで最も幸福であるために」歯科医としての思い

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が歯科医を志した理由を教えてください。

木下先生 小学生の頃、私は友達と遊んでいる最中に大きなケガをして、前歯を一本失ってしまいました。その時のショックや不便さは非常に大きく、治療を受ける中で、子どもながらに歯の健康がどれほど大切かを強く感じました。この経験から、自分と同じように歯のケガやトラブルで悩んでいる人たちを助けたいと、いう思いが芽生えました。将来は、歯科医師として、同じような状況に置かれた患者さんに対して適切な治療を提供し、安心や笑顔を取り戻すお手伝いができればと考え、歯科医師の道を志しました。

――ご自身の経験から歯科医を目指すことになったのですね。現在のクリニックではどのような経緯で働き始めたのでしょうか?

木下先生 前任の先生が退職されたことで、私はその後任として現在の歯科医院で勤務を始めました。引き継いだ患者さまの中には、虫歯や歯周病の治療が必要な方だけでなく、歯列矯正の治療中の方も多くいらっしゃいました。また、新たにいらっしゃる患者さまの中にも小児の矯正治療を希望される方が多くいらっしゃいました。そのため、患者さまのニーズに応えるべく矯正歯科や小児矯正歯科の分野について自然と深く学ぶ必要が出てきました。知識を深め技術を磨くことで、患者さまにより良い治療を提供できるよう日々努めています。今では、矯正歯科の分野で患者さまの笑顔と健康を支えることに大きなやりがいを感じています。

――患者のニーズに応えるために研鑽を続けていらっしゃるのですね。現在のクリニックで行う治療は、どのようなものが多いのでしょうか?

木下先生 現在、私は矯正歯科・小児矯正歯科・一般歯科の診療を中心に行っており、特に矯正治療には力を入れています。インビザラインに代表されるマウスピース矯正は、透明な取り外し式の装置を使うことで見た目や衛生面に配慮しながら歯並びを改善できるため幅広い年齢層の患者さまに喜ばれています。また、子ども向けの矯正治療として「床矯正(しょうきょうせい)」と呼ばれる治療方法にも注力しており、成長過程に合わせた無理のない矯正を行うことで、子どもたちの歯並びを将来にわたって整えるサポートをしています。私は一般歯科の治療も行っているので、歯列矯正については単なる審美治療ではなく虫歯や歯周病の予防としての位置づけとして考えており、地域の皆さまの口腔健康を支えられるよう日々努力しています。

――クリニックで治療を行うときに、先生が大事にしていることはありますか?

治療を行う木下先生

木下先生 「医は仁術なり」という言葉の表すとおり、医療というのは患者さまへの思いやり・慈愛の精神が必要であると考えております。私はガンや脳血管・心臓血管手術のような生命を左右するレベルの処置はできません。しかし、歯の痛み・不快感、または歯の色や歯並び、口臭の悩みなどのお口の問題は一人ひとりの人生の幸福度を大きく左右するものです。単に医学的な問題のある場所の治療をするだけにとどまらず、一人ひとりの患者さまの人生がトータルで最も幸福であることを願い、そのための方法を日々追求しております。

――口腔内のケアから患者の幸福を考えることは、とても素敵ですね。先生が最近注力していることはありますか?

木下先生 現在は、子どもの床矯正に力をいれています。マウスピース矯正は、非常に有効な手段であることに間違いないのですが、インビザライン社に代表される海外の会社のシステムを使用して治療を行うため、そのためのシステム手数料が治療費に上乗せされることになり、結果として治療費が高額になってしまうことが問題の一つであると考えています。床矯正は、海外のシステムを利用することがないため、比較的安価に提供できますし、マウスピース矯正と異なり、すでに100年近い歴史があることから、より精度の高い治療法が確立されている点も大きな魅力であると考えています。

――先生のVISIONについて教えてください。

木下先生 昔の歯科治療では 一本ずつ歯を治療する方法が主流でしたが、これでは痛む歯や問題のある歯の治療のみで、予防に対する処置が出来ません。​現在の歯科治療においては単に痛いところの処置のみにとどまらず、お口の中全体を診察し、今後問題が生じる可能性のある部分(虫歯、歯周病、噛み合せ、患者さまの気になる部分、傷む部分等)を先回りして予防的に治療します。そのためには、幅広い診療科を勉強したうえで、一人一人の生活スタイルや希望などに合わせた柔軟な治療方法の提案ができるよう精進しております。

――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします

木下先生 歯の健康は、口の中だけでなく体全体の健康に深く関わるものです。忙しい日常の中で、自分の口腔ケアに時間をかけるのは難しいこともあると思いますが、小さな違和感や痛みも早めにケアすることで将来の大きな問題を防ぐことができます。予防は治療よりも簡単で金銭的な負担も少なく済みます。この機会に、健康な歯を保つためのヒントを見つけていただけたら嬉しいです。ぜひ、日常のケアを大切にして末長く健康な体と歯を保ってください。