医師監修とは?記事に実施する目的、メリット、注意点を解説

2024.02.07

  • LINE

いつまでも元気でいたい!といった願望や、病気になった時の対処法など、健康情報は世代を超えて多くの人の関心を集める、最もホットなトピックの1つです。多くのユーザーが信頼性の高い情報を求め、数多くのコンテンツに目を通しています。

こうした関心に応えるために、日々多くのコンテンツが発信されていますが、こうした健康に関わるコンテンツの制作・発信には慎重な取り扱いが求められます。もしも、誤った情報を発信してしまい、それを見た読者が健康を害してしまったら取り返しがつきません。時には命に関わる領域である医療・健康コンテンツだからこそ、しっかりと医師監修を入れることで、リスクを管理しつつ、信頼性を上げる必要があります。

この記事では、記事への医師監修の目的やメリット、注意点について解説していきます。

医師監修とは?

そもそも医師監修とは、どのような作業を医師にお願いすることなのか、ということを最初にご説明したいと思います。コンテンツへの医師監修では、ライターなどが執筆した記事などのコンテンツに対して、現役の医師が、内容が医学的に適切かを確認し、問題があれば修正点を指摘するなどの作業を行います。あくまでも監修であるため、医師自身は執筆を行うことは原則ありません。

医師監修を受けた記事には、監修医師の経歴や写真、場合によってはSNSなどの情報を掲載できます。多くの読者は医療や健康に関する情報を求めていますが、医学的な専門知識を持っている人はごくわずかです。厚生労働省が発表しているデータを元に計算すると、医療従事者は日本人のわずか2.7%です。多くの人は、インターネット上の医療・健康情報について、何を基準に信じれば良いのかが分かりません。医師が記事を監修することで、読者に分かりやすく信頼感や安心感を与えることが期待できます。

医師監修の目的

医療・健康記事の中には医療分野に知見があるライターもいますが、あまり詳しくないライターが執筆することも時にはあると思います。医療分野は知識を持っていないと理解が難しい部分も多く、解釈を間違えてしまうこともあります。医師、それも記事のジャンルに沿った診療科の医師に内容を確認してもらうことで、こうしたリスクを回避することができます。

では、医師監修を行う背景には、どういった目的があるのかを説明したいと思います。医師監修を依頼する目的は大まかに考えると、下記の3つが挙げられます。(もちろん細かく見ていくと、他の項目も出てくると思います)

  • Googleからの評価を上げる
  • 信頼性を分かりやすくアピールする
  • 誤った情報による炎上リスクを最小化する

この3つの目的について順番に説明していきます。

Googleからの評価を上げる

Googleの検索品質評価ガイドラインで、ウェブサイトの評価基準としてE-E-A-Tと呼ばれる指標が示されています。これは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略になっています。実は、元々は、E-A-Tという指標が示されていたのですが、最近になって、「Experience(経験)」のEが追加されました。

このガイドラインが言いたいことは、ざっくりと表現すると、「ちゃんと記事の内容がわかっている専門家が発信しているのか?」ということです。この指標は医療・健康情報には特に強く影響しています。

その理由は、Googleが公式に次のように言及しているからです。

「Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます」

参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google Developer「E-A-T と品質評価ガイドラインについて」

医療・健康情報はGoogleのいうところのLifeに該当するコンテンツですので、E-E-A-Tが重視されることになります。少しでもGoogleからの評価を上げるために、記事の内容に適切な専門分野の医師がしっかりと監修していくことを示していくことは有用になります。Googleからの評価が高まれば検索順位も上がり、より多くの読者にコンテンツが届くことができます。

信頼性を分かりやすくアピールする

先ほどもお伝えしたように、多くの読者は医療や健康に関する情報を求めていますが、医学的な専門知識を持っている人はごくわずかです。インターネット上の情報のうち、どの情報を安心して読んだらいいのか、わからない人は少なくありません。医師ではないライターが書いたとしても、監修者としてしっかりと医師が関与していることを示すことで、「医師が監修に入っているならば、安心して読める」という訴求を行うことができます。専門家が入っていることを示すことで、分かりやすく情報の信頼性をアピールすることができるのです。

医師監修で信頼性をアピールする際に、とても重要なことがあります。それは、監修する医師が実名であり、なおかつ写真、経歴も記載されていることです。匿名の監修者が掲載されていたら、読者はどう感じるでしょうか?「本当に医師なのか?」という疑いを持たれてしまうリスクは少なくないことが容易に想像できると思います。これは、監修者の欄だけではなく、文中に医師コメントを載せる場合も同じです。しっかりと実名、名前付きで掲載することで、信頼性を担保し、より訴求力があるコンテンツになります。

誤った情報による炎上リスクを最小化する

医療・健康コンテンツは、読者の関心の高いジャンルです。注目を集めやすい一方で、もし内容に間違いがあったら炎上してしまうリスクも少なくありません。ヘルスケア企業が行うコンテンツマーケティングの記事が炎上した場合、その影響は記事だけにとどまるでしょうか?記事に関連する商品・サービスにまで悪い影響を及ぼすことは想像に難くありません。せっかく商品・サービスを広めて顧客獲得のために公開していた記事が、逆に顧客から見放されるきっかけにもなりかねないのです。

不適切な医療情報が大炎上し、各所に大きな影響を与えたこともあります。2017年に、医療に関する情報を発信していた「WELQ」と呼ばれる医療キュレーションサイトが閉鎖する事態になった、いわゆる「WELQ問題」です。「WELQ」では、医療分野の情報を扱っていましたが、不適切な内容の記事が多く掲載されていました。「肩こりの原因が幽霊」という驚きの記述までありました。なぜ、このような記述が罷り通っていのか。運営していたDeNAの報告書によると、WELQチームの記事構成案の作成担当者が、Google検索で「肩が痛い」というキーワードで検索したところ、予測キーワードの1つに「霊」と表示され、「肩こりの原因」をテーマにする記事の小見出しの1つとして「幽霊が原因のことも?」という項目を含んだ構成案を作成したことが明らかになっています。

SEOを過度に意識したから起きてしまったとも言えますが、もしも医師による監修を全ての記事で入れるという危機管理が実行されていたら、結果は違ったものになっていたかもしれません。

「WELQ問題」は他の医療キュレーションサイトにも波及し、他にも閉鎖したサイトも出ました。さらに、この問題は、Googleにも影響を与え、2017年に医療健康アップデートを実施することになります。医療や健康などの命に関わるジャンルのアルゴリズムが変更され、コンテンツの評価方法が一新されました。この医療健康アップデートは、検索結果の約60%に影響を及ぼしたため、コンテンツの信頼性を担保できる医師監修の重要度が大きく増加しました。

時には、Googleそのものにすら影響を与えることになる医療・健康情報。情報発信側のリスクをできるだけ少なくするためにも、専門家である医師の監修を適切に実施することは大きな価値を持つでしょう。

医師監修の注意点

ここまで医師監修の目的やメリットについてお伝えしてきましたが、実際に医師監修を実施する際の注意点についても触れたいと思います。医師監修記事を依頼する際は、下記3つの注意点を留意することが大切です。

  • 監修の基準をしっかりと定義する
  • 専門分野の医師に依頼する
  • コスト管理をしっかりと行う

この3つの注意点について順番に説明していきます。

監修の基準をしっかりと定義する

医師に監修を依頼する時に、「とりあえず問題ないか見てください!」と医師に丸投げすることは止めましょう。監修を丸投げされた医師の立場になって考えると、「どういう基準でチェックすれば・・・」と悩んだり、「いい加減な会社だから仕事がしづらいな・・・」と思われる可能性は十分にあります。また、監修の基準が定義できてないと、監修のアウトプットにバラツキが出てしまいます。その結果、十分な監修が行われず、必要な効果を得られないという事態になる可能性があります。

ちなみに、弊社のオンライン医師監修サービス、「メディコレWEB」では、以下のような3つの監修基準を設けています。

  • エビデンスがあるか
  • 医療現場で再現性があるか
  • 表現が適切か

「メディコレWEB」に参画する医師・歯科医・獣医には、この3条件を説明した上で監修に臨んでもらうことで、監修のアウトプットにバラツキが出ないように工夫しています。

専門分野の医師に依頼する

監修を依頼するコンテンツのジャンルに沿った専門分野の医師に依頼することは先ほど説明したE-E-A-Tの観点からも重要です。例えば、女性の健康についての記事の監修は産婦人科医にしてもらった方がいいですし、目の病気についての記事であれば眼科医に監修してもらうのが適切です。

ただ、複数のジャンルの記事を制作すると、監修してもらう医師を探すことも一苦労です。そもそも医師に直接監修を打診をする機会を得ること自体、ハードルが高いからです。大学病院の場合、医師に直通で連絡することはできません。事務局を通じて依頼をかけ、折り返しを待つことになります。場合によっては折り返しがないことも多々あります。クリニックの場合は、電話をして直接医師と話すことができる可能性は大学病院に比べるとまだ高いですが、日中は基本的には診察をしているので、運よく診察の合間に電話をかけることができないと、先生と話すことはできません。また、記事の監修の細かい説明をする時間的な余裕もないことが多いでしょう。

こうした問題を解決する1つの方法としては、医師監修サービスを提供している企業を利用することです。中でも弊社メディコレは「オンライン完結」「医師とのコミュニケーションなし」で医師監修を実施することができる数少ないサービスになっています。少しでもご興味を持っていただけましたら、いつでもお問い合わせください。

コスト管理をしっかりと行う

医師監修サービスを提供する会社を利用する場合、コスト管理はしっかりと考える必要があります。コストと言っても以下の3つのコストを考える必要があります。

  • 金銭的なコスト
  • 人的なコスト
  • 時間的なコスト

金銭的なコストはわかりやすいですよね。記事制作にかけられる予算は予め決まっています。この予算に収まるコストで、さらにいうと、なるべく低いコストで監修を実施することが記事制作者にとっては重要になります。医師監修サービスを提供している会社によって費用は異なりますので、しっかりと比べて依頼することが重要です。

人的なコストも大事です。医師監修を担当する人がどれほどの手間をかけなければならないか、ということは記事制作にとっては重要なことです。監修会社とのやりとりが何度も発生し、その度に内容について確認する作業が発生すると、と大きな手間と時間がかかります。もちろん、しっかりと内容を吟味することは大切ですが、やりとりの工数を適切に管理することも大切です。この工数を適切に管理できないと、1記事完成させるための人件費が多くかかることになります。

そして最後の時間的なコスト。これは、どれだけスピーディに監修が完了するか、ということです。記事の執筆は順調に終わっても、監修が一向に進まないと記事の公開には進めません。場合によっては、記事の公開スケジュールを乱してしまうこともあるでしょう。スピーディかつ信頼できる監修を実施して、記事公開のサイクルを安定させる、もしくは公開記事数を増やしていくことが重要です。

まとめ

今回の記事では、医師監修の目的やメリット、注意点についてご紹介しました。医師監修は、医療健康アップデートが実施されたことや、E-E-A-Tが重要視されている背景がある中で、重要度が高まってきています。弊社のクライアントの中には「医療情報の記事を書く時には、もはや医師監修は必須になっていると言っても過言ではない」と漏らしていた企業もいらっしゃいました。

弊社株式会社メディコレは業界でも珍しい、オンライン完結の医師監修サービス「メディコレWEB」を提供しています。約1,000人の医師のリレーションがあるからこそ実現できる以下の特徴が売りです。

  • リーズナブルな価格
  • スピーディな監修
  • 手間暇を最小化

ご興味いただけましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

メディコレWEBのサービス詳細についてはこちら