医療・ヘルスケア関連の記事(コンテンツ)に医師監修を入れることはSEOに効果があるのか

2024.02.15

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最初に

Googleはウェブコンテンツの信頼性を評価することを目的に、金銭や健康など、重要な生活領域に関わるコンテンツについて、以下を定義しています。Googleのこの考え方を知ることは、SEOやコンテンツマーケティングなど、Webマーケティングに従事している人にとっては必須です。

1) コンテンツの種類の定義

金融、医療/健康(ヘルスケア)に関連するコンテンツは、人生に大きな影響を与える可能性があり、GoogleはこのようなコンテンツをYMYLコンテンツ(Your Money Your Life)として定義しています。このコンテンツは、人の健康、金銭的安定や安全に影響を与えるため、Googleによって特に厳しくその内容がチェックされます。当然この種類のコンテンツは、特に信頼性が必要となります。

2) 信頼性の定義

次に、どのようなコンテンツが信頼できるのかについても、GoogleはE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)、すなわち「経験、専門性、権威性、信頼性」として定義しています。

興味深いこととして、Googleは以前はE-A-Tとして定義していました。しかし2022年12月に、もうひとつの「E」、すなわち「経験(Experience)」という概念を追加し、E-E-A-Tとしました。

重ねてになりますが、YMYLコンテンツにおいて、このE-E-A-Tを意識することは、Webマーケティングを行う上で、この2つの定義を意識することは非常に重要であるどころか、無視してはほかのどんな施策も無駄になりかねない必須事項です。

さて、医療/健康に関するコンテンツにおいて、経験に裏付けられた権威と信頼性を与えられる要素はなんでしょうか。それは「医療のプロ」として最高の国家資格の一つに数えられる「医師免許」を与えられた、「医師」による監修ではないでしょうか。

ここで、オンライン医師監修サービスを提供している株式会社メディコレは、「医師監修を入れることがSEOに効果を及ぼすか」についての検証を行いました。以下にその結果をレポートします。

検証方法

メディコレWEBを活用して医師監修をつけている、あるWebメディアにおいて、以下の条件で、「医師監修ありの記事」と「医師監修なしの記事」を任意に10記事ずつ弊社にて抽出

  • 2グループとも同一サイト(ドメイン)、かつ同一カテゴリ内の記事であること
  • 2グループとも医療・ヘルスケア関連の記事で、文字数や構成が似ていること
    (例:商品紹介やお役立ちコンテンツなどは除外)
  • ほぼ同時期に公開されていること。
    (今回は2022年11月~12月に公開された記事を選定)

検証には広くWebマーケッターで活用されているSEO解析ツールを使用し、その10記事ずつの2グループの1年間(52週間)の合計PVを、平均して比較

検証項目

  • 2グループ間で総PV数に差はあるか
  • 2グループ間でPVの伸長スピードに差はあるか

検証結果

1. 平均PVの比較

記事種類記事数平均PV(指数化)比較
医師監修ナシ10100
医師監修アリ(メディコレWeb)10132+31.7%
表1:2グループ間での52週間での平均PV比較(医師監修ナシを100とした指数化)

表1の通り、医師監修ありの記事群の方が、医師監修のない記事群に比べ、平均PVが+30%以上も高い結果となりました。

2. ページ公開のPVの伸び

図1:2グループ間での公開後8週間のPVの伸び

図1の通り、PVの伸びは「医師監修ありの記事群」の方が高い伸びを示し、7週間後には、約4倍の差となりました。

まとめ

メディアを運営している企業であれ、自社製品のプロモーションを行う事業会社であれ、もし扱う内容がYMYLコンテンツであれば、その内容に権威性、信頼性をつけることは必須です。特に生成AIの台頭により、記事そのものの制作のハードルが下がったことで、その傾向はいよいよ強くなっていると言えるでしょう。

そしてその権威性、信頼性の付加方法について、「医師の監修」をコンテンツ内に明示することはもっとも効果の高い方法の一つになります。実際上記の通り、医師の監修を入れることでオーガニック検索順位に大きな好影響を及ぼすことが証明されました。