【医師監修】コンテンツ監修医師が伝えるクオリティ向上のための「4つのアドバイス」

2024.09.11

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医師監修は医療・ヘルスケアコンテンツの信頼性の向上や、GoogleのSEO対策の観点から大きな注目を集めています。この医師監修を支えるのが、監修を担当する医師や歯科医などの医療専門職の方々です。しかし、実際にコンテンツを監修する医師たちがどのような気持ちでチェックやコメントをしているのかを知る機会は多くはありません。

そこで今回の記事では、オンライン医師監修サービス「メディコレWEB」で実際にコンテンツを監修している、東京・港区の青山メディカルクリニック院長の松澤宗範先生にお話を伺いました。

監修を始めたきっかけ

――本日は、コンテンツを監修する先生が普段感じていることを伺わせていただきます。松澤先生が監修に協力するきっかけはなんだったのでしょうか?

松澤先生 記事監修のお仕事をさせていただいたのは、メディコレからのお声がけいただいたのがきっかけですね。ただ、情報発信については元々強い興味を持っていました。私は青山メディカルクリニックの院長を務めていますが、患者さんやこれから美容医療を受けようと考えている方々に対して美容医療の魅力や基礎知識を伝えたいと思っていました。診察時間でもしっかりと治療の内容や、必要な情報はお伝えするようにしているのですが、どうしても時間が足りないですし、多くの方に広く伝えることはできません。そこでクリニックのYoutubeのアカウントを作って情報発信をしていた時期もありました。

――実際にYoutube動画をご自身で作っていたんですか?

松澤先生 自分で作っていましたね。パソコンのカメラを使って自撮りして、ベースとなる動画を用意して、この動画に参考写真や資料などを編集で入れていき、少しでもわかりやすいものを作ろうとしていました。1つの動画で1つのテーマを解説するスタイルでやってみたんですが、これがかなりの手間暇がかかることがわかりました。コンテンツ制作をプロとしてやられている方にリスペクトの気持ちが生まれましたね。

――ご自身でコンテンツを作った経験は、監修の仕事に影響はありましたか?

松澤先生 そうですね。少なくとも製作者の意図というものはリスペクトしようと思いました。あとは、記事の監修をすることで、私も意識しない視点を学ぶことがあります。監修をきっかけに、そのテーマの論文を読んでみたり、私自身の学び直しにもプラスになっていますよ

監修医師からアドバイス

青山メディカルクリニック 松澤宗範 医師

①フラットな表現を心がけてほしい

――監修をする中で、気になることはありますか

松澤先生 ライターの皆さんは、色々と調べられて書かれているなと感心することが多いです。ネットで公開されるコンテンツの多くは、マーケティングを目的にしたコンテンツだと思うので、どうしてもライターのクライアントである企業の意図が入った記事を多く監修することになります。クライアントの意向が入ることは多少は仕方がないとは思いますが、あまりにも一方的な表現であることは一般の方にとってプラスな情報とは言えません。科学に100%正しいということは存在しませんので、バランスをとった表現や、両論併記などを心がけていただきたいと思います。

――偏った情報を記述するべきではないいうことですね。普段先生が監修する時に気をつけていることはなんでしょうか?

松澤先生 記事の内容がしっかりとエビデンスに沿っていること、誇大な表現になっていないこと、専門用語の使い方を間違っていないこと、などをしっかりと見るようにしています。また、先ほども申し上げましたが、製作者の意図というものはリスペクトしようと思っています。

――「エビデンス」「医療現場の再現性」「適切な表現」はメディコレWEBが掲げるチェック項目でもあるので、先生の考えと合致していて嬉しく思います。

松澤先生 チェックの方針が合致していることが、現在も協力できていることに繋がっているのかなと思います。

②ネット上で公開している記事を鵜呑みにしないでほしい

――記事監修をする中で、間違いの傾向を感じることはありますか?

松澤先生 私が担当した記事では、ライターの方が記事の内容を根本的に間違えて記述していることは少ないです。みなさんしっかりと調べられている方が多いと感じます。そんな中で、間違いが多いと感じた具体的な例を挙げると、幹細胞培養上清液についての記述でしょうか。幹細胞培養上清液は、実際は幹細胞は入っていないのですが、中には幹細胞培養上清液に幹細胞が入っているように受け取られるような書き振りの記事を見ることがあります。おそらく、参考にしたネット上のコラムがそのような内容になっていたために同様の間違いをしたと推察しています。ネット上で公開されている情報が本当に正しいのか、という視点を常に持っていただくことが大事だと思います

――ただ、こうした専門的な情報は何が正しいのか判断することすら難しいですよね?

松澤先生 おっしゃる通りです。そういう時のための医師監修であると理解しています。ライターの方にとって判断が難しい医療情報ですが、困ったときは学会が公開している情報や厚生労働省などの公的な機関のWEBページを確認して見ることをお勧めします

③AI記事制作サービスを利用する時には医師監修をセットで考えてほしい

――AIを活用した記事制作が広がっていますが、先生は利用したことがありますか?

松澤先生 私も利用したことがありますよ。最近は精度も上がってきて、専門的な情報も詳しく記述されてきて、しかも間違いが少なくなっています。

――監修したコンテンツにもAIによる執筆なのでは?と感じたものがありましたか?

松澤先生 正直私はわからないですね。AIが自然すぎて、もしそうした記事が依頼されても気が付かないと思います。ただ、怖いのは、そうした一見完璧に見える記事の中にあるわずかな間違いって見落としやすいと思うんです。AIも間違ったりすることはちょこちょこありますから。

――AIコンテンツならではの監修の難しさはあると思いますか?

松澤先生 それは間違いなくあると思います。AIが書いた記事は堂々と断言してくるので、一見すると間違いなのかわからないこともあると思います。その記事に関して、十分な専門性がある医師でないと判定できないと思いますね。AIの精度が上がっているが故に、専門の人が見ないとわからないう状況です

――AIによる自動化が広がることで、相対的に専門職の方の監修ニーズは医療に限らず広がりそうですね。

松澤先生 そう思います。AIによる記事制作では、すでに世の中で公開してある情報を活用して行われますよね。そうしたAI記事を医師監修する際に、ライターの皆さんにお勧めしたいのは、ネットや文献上と異なる実際の医療現場のリアルな情報を監修する医師に教えてもらうといいと思います。それだけで、記事の価値は上がると思いますよ

(メディコレNEWS編集部注)
メディコレWEBでは述べ44診療科の医師による監修をオンライン完結で提供していますので、適切な診療科の医師に監修を依頼することが可能です。また、医師以外にも歯科医師による監修も提供している他、薬剤師・管理栄養士などのコメディカルの監修を受けることが可能です。さらにはペットの健康に関するコンテンツ監修を獣医に依頼することも可能です。

メディコレWEBについては「メディコレWEBによる医師監修とは?創業20年超の凄腕SEO会社が感じた魅力」という記事もご参照ください。

④企画・構成の段階から相談してほしい

青山メディカルクリニック 松澤宗範 医師

――SEO対策用の記事だと、どうしても現場のリアルな声は盛り込まれにくいですよね。リアルな現場の声が反映されたコンテンツはあまり多くない印象です。

松澤先生 そうですよね。クリニックの患者さんでも事前にネットでものすごく調べてから治療を受けにくる方がいらっしゃいますが、参考にされた記事が医療現場のリアルな部分を反映できていない教科書的なコンテンツだったりするので、説明してご納得をいただくことに苦労をする時があります。中には説明に納得いかなくて、施術を受けずに帰ってしまう方もいらっしゃいます。それぐらい情報の力は強いと思いますし、逆に言えばリアルな医療現場の状況を踏まえた情報をもっと出していただく必要があると思います

――リアルな現場の声が反映されたコンテンツを作るために、ライターの方にしてもらいたいことはありますか?

松澤先生 ある程度記事が完成してから監修依頼をいただくと、監修者である私が考えるベストな情報を記載しようとすると構成の修正が必要になってしまう場合があります。私はライターさんの記述内容も最大限リスペクトしたいと考えているので、どこまで指摘した方がいいのか悩む時があります。場合によっては、私が本気で提案するとこれまで書いたものがほぼ全直しになる場合もあるんです。結局は、ライターさんが書いた記事を補足するレベルで修正したり、間違いを指摘するレベルに留めていますね。もちろん、世の中の読者が見て問題ないレベルには整えています。

――逆に言えば、企画や構成段階から相談してもらえれば、より内容が充実したコンテンツを提供することができるということですか?

松澤先生 その可能性が高いと思います。「こんなアイディアは美容医療的にありなのか?」というフランクなアイディアベースの相談から、記事の構成段階で私たち医師の意見を聞いていただけると、今までの監修以上のアドバイスができると思います。このことはライターさんにとって執筆前の工数や手間暇を増やすことになりますが、監修結果を受けて修正する手間が少なくなることや、結果的に良いコンテンツを作ってクライアントからの評価を上げることにもつながると思います。

(メディコレNEWS編集部注)
メディコレWEBでは医師や歯科医などへの質問できる「専門家Q&A」という機能があります。監修前の企画やコンテンツの構成など、簡単かつスピーディにアドバイスを受け取ることが可能です。

まとめ

今回の記事では、オンライン医師監修サービス「メディコレWEB」で実際にコンテンツを監修している、東京・港区の青山メディカルクリニック院長の松澤宗範先生に、監修している時に感じていることを伺いました。
超高齢化社会への突入や新型コロナのパンデミック、さらには健康経営の推進など、ヘルスケアに関する意識・関心はかつてないほどに高まっています。こうした背景から、ヘルスケアコンテンツのニーズも高まっていますが、信頼されるコンテンツ作りが難しいジャンルでもあります。

今回紹介した松澤先生の4つのアドバイス、読者が安心して読むことができるヘルスケアコンテンツ作りに活かしてみるのはいかがでしょうか?

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