「自由研究おたすけドクター」開始の背景

テーマ選びから保護者のサポート不足、専門的な分野へのハードルまで、自由研究おたすけプログラム誕生のきっかけとなった現状をご紹介します。

テーマ選びの難しさ

夏休みの宿題の中でも、多くの家庭を悩ませるのが自由研究です。やりたい気持ちはあっても、どこから手をつけていいか分からないまま日だけが過ぎてしまうことは珍しくありません。身近な題材はありふれていて新鮮味に欠け、一方で興味をひくテーマは難しそうに感じて敬遠してしまう。こうしてテーマ選びの段階で立ち止まってしまうケースは多く、せっかくの好奇心が形になる前に終わってしまうこともあります。

“理科離れ”の課題

日本では、子どもたちの理科離れが課題となっています。文部科学省の理科専門部会では、小学生の学力（ペーパーテストの成績）は低下していない一方で、「できるけれど理科が好きではない子どもが少なからずいる」と指摘されています。つまり、知識や技能は備わっていても、理科への興味や関心が十分に育っていない状況があるということです。

科学や自然に触れる機会が減る中、自由研究は探究心を育む貴重な機会ですが、日常の中で生まれた疑問を深く掘り下げるには、適切な題材や継続できる環境が必要です。

参考：文部科学省　理科専門部会（第3期第1回～第8回）における主な意見（論点ごとに整理）

保護者のサポート不足

共働き世帯の増加や生活の忙しさにより、保護者が自由研究に十分な時間を割くことは容易ではありません。テーマの検討から調査、実験、まとめまでを継続的に伴走するには大きな負担がかかります。そのため、興味を持った子どもがいても、思うように進められないまま夏休み後半を迎える家庭も少なくないでしょう。

専門性の高いテーマへのハード

医療や健康のような分野は、身近で興味を持ちやすいテーマでありながら、正しい情報や適切な進め方が分からず、挑戦をためらってしまうケースが多く見られます。

こうした分野に安心して取り組める環境をつくるために、メディコレWEBは医師による伴走型支援プログラム「自由研究おたすけドクター」を企画しました。専門家がチャットを通じてテーマの提案や実験方法、まとめ方まで助言することで、難しいテーマも身近な学びに変えていきます。

「自由研究おたすけドクター」サービス内容

本プログラムでは、メディコレが運営する医師監修サービス「メディコレWEB」内に、夏休み限定の専用カテゴリー「夏の自由研究」を設置しています。ここでは、医師に対して自由研究に関する質問や相談を、チャット形式で気軽に送ることができます。

実際のサービス内容を詳しく紹介します。

医師によるテーマ提案

テーマは事前に集められた「医師のおすすめ自由研究テーマ」や、歯科医・獣医からの提案、顧問医師による子ども向け論文紹介などからも選ぶことができます。テーマがすでに決まっている場合は、その分野に近い専門を持つ医師を指名し、具体的な研究計画づくりから相談を始められます。

テーマが未定の段階から相談することもでき、興味の方向性を一緒に見極めながらテーマ設定を進められるのも特徴です。

「小学生におすすめの研究テーマ」を一部紹介します。

・歯の染め出し実験：どんな磨き方が一番きれいになる？

・睡眠時間と集中力に関係はある？

・「うんち」はどこからくる？食べものが体を通る道をたどろう

・明るさと目の疲れには関係がある？

・汗はなぜ出るの？運動したときの体の変化を調べよう

研究の進め方や資料探しのアドバイス

テーマが決まったら、研究の進め方や資料の探し方について、担当医師が個別にアドバイスします。観察や実験の手順、必要な道具の準備、記録の方法まで、子どもの進捗や理解度に合わせて丁寧にサポートします。また、関連する公的データや信頼できる文献の紹介など、専門家ならではの情報提供も行います。

こうしたやり取りはすべてチャット上で完結し、場所や時間を問わず利用できるため、忙しい家庭でも取り組みやすい環境が整っています。

成果発表と学びの振り返り

研究が完成したら、希望者はサポートしてくれた医師に成果を発表することができます。発表は対面またはリモートのいずれかで実施し、遠方の場合は原則としてオンラインで行います。

直接医師に成果を伝える機会は、子どもにとって自信や達成感を得られる貴重な体験となります。発表後には、医師からのフィードバックを受け、研究で得られた知識や学びを振り返ります。こうしてテーマ選びから成果発表まで一貫して伴走することで、自由研究は単なる課題提出にとどまらず、子どもが自ら学び、考え、表現する力を養うプロセスへと変化するでしょう。

※サポートした医師のスケジュールなどの都合上、発表の実施が難しい場合もありますので、あらかじめご了承ください。

「自由研究おたすけドクター」利用方法

ここからは、実際にどのように申し込み、どのような流れで医師とやり取りが進むのかを見ていきましょう。

申し込みのステップや、チャットでのやり取りのイメージをご紹介します。

実際の操作イメージ

ここでは、メディコレWEBにアクセスしてログインするまでの流れをご紹介します。

1.メディコレWEBの公式サイトを開き、「アカウント登録」をクリックします。

2.アカウント登録画面で「依頼者の方はこちら」をクリックします。

3.ログイン画面が表示されたら、登録したメールアドレスを入力するか、Googleアカウントと連携してログインしてください。

必要事項を入力したら「ログイン」ボタンを押します。

4.以下の画面が表示されたら、ログイン成功です。

これで、医師とのやりとりを始める準備が整いました。

医師とのやりとりの流れ

次に、医師とのやりとりの流れを、実際の画面イメージとともにご紹介します。

1.メディコレWEBのサイドバーで「回答完了」をクリックし、最初の質問を表示します。

表示された質問のタイトルをクリックすると、質問画面が開きます。

2.質問画面を下にスクロールすると、「チャット」機能があります。

質問したい内容を入力し、記入が終わったら「送信」をクリックします。

3.送信後、医師からの回答も同じチャット画面に表示されます。

お互いのやりとりが一目で確認できるので、やりとりの流れがわかりやすくなっています。

気になることや追加で知りたいことがあれば、どんどん質問を重ねて自由研究を進めていきましょう。

「自由研究おたすけドクター」実施期間と参加方法

以下の内容で、本プログラムへの参加を受け付けています。

お申し込み後は、研究テーマや関心分野に応じて協力医師とのマッチングを行い、チャット形式でのサポートがスタートします。フォーム送信後、登録メールアドレス宛に「利用マニュアル」と協力医師からの研究テーマ例一覧をお送りします。

利用マニュアルに沿って医師を選び、テーマ決定から進め方、資料探し、実験方法、まとめ方まで自由に相談できます。チャットの時間や回数に制限はなく、質問内容も自由です。興味や疑問が浮かんだら、積極的に相談してください。

まとめ

自由研究は、子どもたちが自ら考え、行動し、表現する力を育む大切な機会です。しかし、テーマ選びや進め方の壁にぶつかり、せっかくの好奇心が途中で途切れてしまうこともあります。

「自由研究おたすけドクター」は、医師という心強いパートナーと共に、その壁を乗り越えられるプログラムです。興味や疑問を出発点に、正しい情報と専門的な視点を得ながら進める研究は、きっと夏休みの思い出としても心に残るはずです。

今年の夏は、医師と一緒に、自分だけの研究を完成させてみませんか。