サプリメント広告における表現の制限

サプリメントを広告する際には、医薬品との違いを踏まえた慎重な表現が求められます。特に薬機法をはじめとする法律に違反しないよう、適切なルールを理解し、守ることが重要です。

本章では、薬機法と広告表現の関係、そして具体的なNG表現について整理していきます。

広告表現と薬機法の関係

サプリメントは、健康維持や栄養補助を目的とした製品であり、医薬品とは異なります。しかし、広告表現において健康効果を過剰にうたうと、薬機法に抵触するリスクがあります。

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。この法律の目的は第一章に記されています。

第一章　総則

（目的）

第一条　この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品（以下「医薬品等」という。）の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

引用：医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（昭和三十五年法律第百四十五号）｜e-GOV法令検索

NG広告例

サプリメントや健康食品は、薬機法上「一般食品」に分類されます。体の機能改善や病気の予防・治療を暗示する表現を使うと、薬機法違反とみなされるリスクがあります。ここでは、特に注意したいNG例を見ていきましょう。

まず、ダイエット系表現では、「飲むだけで痩せる」「〇kg減る」「メタボ解消」といった直接的な変化をうたう言葉はNGです。体重の減少は身体の具体的変化に該当し、医薬品的な効能と見なされるためです。代わりに「ダイエット中の栄養補給に」「健康的な生活をサポート」といった間接的表現にとどめることが重要です。

美容系においても注意が必要です。「美肌」「アンチエイジング」「若返り」などは体の構造変化を想起させるためNG。「美容のために」や「毎日をイキイキと」といった抽象度の高い表現にとどめましょう。

腸内環境に関連する商品では、「腸内環境を改善」「便秘解消」「善玉菌を増やす」といった表現はNGです。こちらも「善玉菌を補う」「毎朝スッキリサポート」など、控えめな言い回しが求められます。

さらに、特に注意したい例として、

• 「免疫力アップ」→ 医薬品的な効果と見なされやすい

• 「バストアップ」「身長が伸びる」→ 体の成長促進は基本的にNG

• 「高血圧改善」→ 疾病治療を示唆するため違反

といったものがあります。

こうした表現は、薬機法違反となるだけでなく、企業の信用損失にもつながります。消費者庁から措置命令が出される事例も増えており、広報担当者は広告制作において法律遵守を徹底する必要があります。

信頼を得る広告に必要な「エビデンス」とは

サプリメント広告では、製品の魅力を伝えるだけではなく、客観的な根拠をもとに信頼性を示すことが求められています。そのために欠かせないのが「エビデンス」、つまり科学的な裏付けです。

エビデンスの重要性

サプリメント市場は年々拡大しており、単なるキャッチコピーやイメージ訴求だけでは、購買意欲を高めることは難しくなってきました。

そこで重要になるのが、製品の機能性や安全性を裏付ける「エビデンス」です。科学的根拠に基づいたデータや研究結果を示すことで、消費者の「本当に効果があるのか？」という疑念を払拭し、製品への信頼感を高めることができます。

エビデンスレベルの違い

エビデンスにも「質の違い」があり、信頼できる度合いに差があることを知っておくことが大切です。

エビデンスの質は「エビデンスのピラミッド」と呼ばれる図でよく表されます。ピラミッドの上に行くほど、より信頼できるエビデンスとされています。

信頼性が高いのが「ランダム化比較試験」という方法で、治療を受けるグループと比較するグループを、無作為（ランダム）に分けて、公平に効果を比べたものです。

次に「準ランダム化比較試験」があり、さらに「コホート研究」や「ケースコントロール研究」といった、実際の様子を観察して比べた研究が続きます。

エビデンスの質を意識した情報発信が、製品の信頼性向上につながります。

広告におけるエビデンス活用のポイント

サプリメント広告において、エビデンスは商品の信頼性を支える重要な要素です。しかし、単にエビデンスを示すだけでは効果的な広告にはなりません。

まず意識したいのは、消費者にとって「わかりやすい形」で伝えることです。専門用語や難解な表現は避け、効果や安全性に関する情報をシンプルにまとめることがポイントです。

また、広告表現には注意が必要です。サプリメントはあくまで食品であり、「病気が治る」「効果が必ず現れる」といった断定的な表現は薬機法違反につながります。エビデンスを活用する際も、効能を誇張することなく、正確な範囲で伝える姿勢が求められます。

誠実な情報提供を心がけることで、企業としての信頼性も自然と高まるでしょう。

差別化の鍵を握るサプリ広告の「医師監修」

エビデンスを整えることは、広告の信頼性を支える土台です。しかし、消費者は「科学的データ」だけで製品を選んでいるわけではありません。感情的な信頼感、ブランドへの安心感も大きな購入動機となっています。

そこで有効なのが「医師監修」です。詳しく見ていきましょう。

医師監修がもたらす価値

サプリメント広告における「医師監修」は、第三者の視点による裏付けとして大きな価値を持ちます。製品の成分や広告内容が一定の専門家チェックを受けていることを示すことで、情報の信頼性が高まるでしょう。

また、専門家の関与はブランドイメージの向上にも直結し、製品や企業に対する消費者の安心感や好感度を高める効果があります。

さらに、「医師監修」の文言を広告やプレスリリースに使用することで、広報・マーケティング素材の訴求力も強化できます。ただし、単なる形だけの監修ではなく、実際に内容を確認・精査した上での監修であることが、より高い効果を生むためには重要です。

広告・PRにおける医師監修の活用例

実際の、サプリメント広告・PRにおける医師監修の活用例を紹介します。

• サプリメント公式サイトに監修医師コメント掲載

→医師監修サプリメント、弾性ソックス・ストッキングの通販サイト「ドクターズサプリメント ドクターフォーミュラ」

• プレスリリースに医師の推薦文を付記

→「It Beauté NMN」株式会社ハイパーソフト

医師監修を正しく使うための注意点

医師監修を広告や広報活動に活用する際には、万が一の行政指導や問い合わせに備えて、監修内容や確認プロセスの記録を必ず残しておくことが重要です。監修を依頼した際のやり取りなど、客観的に監修実施を証明できる資料を整理・保管しておきましょう。

また、医師が所属する医療機関名を使用する場合には、事前に医師本人と十分な確認を取る必要があります。匿名表記とするのか、実名・所属先まで記載するのかによって、必要な同意内容も異なります。事前に明確に合意しておくことが、適切な運用のポイントです。

監修とは名ばかりで、内容確認をしていないケースは違反リスクが高く、逆にブランドイメージを損なう可能性もあります。

信頼を伝えるサプリ広告へ！医師監修導入のすすめ

最後に、医師監修の導入が、サプリメントの広告・PRにどのようなメリットをもたらすのかを整理します。特にマーケティング部門が抱えがちな課題と、その解決策としての医師監修の活用方法について具体的に紹介していきます。

マーケティング部門のよくあるお悩み

サプリメントのマーケティング部門では、製品の信頼性をどのように高めるか、広告表現が薬機法や景表法に抵触しないか、他社製品とどう差別化するかといった悩みがよく挙がります。

また、消費者の購買意欲を高めるためのストーリー設計や、PR・メディア向けにアピールできる強力な材料が不足しているという課題も少なくありません。こうした悩みは、医師監修を取り入れることで大きく改善できる可能性が高いです。

まず、第三者である医師の監修を受けることで、製品や広告表現に一定の専門的裏付けが得られ、消費者に対して信頼感を訴求しやすくなります。また、医師監修により、広告表現が事実に基づいているか、過剰な表現になっていないかをチェックできるため、薬機法や景表法のリスク対策にもつながります。さらに、「医師が監修しているサプリメント」という事実そのものが、競合商品との差別化ポイントとなり、ブランド価値を高める効果も期待できるでしょう。

商品コンセプトや効果の訴求においても、医師によるコメントや推奨メッセージを加えることで、より説得力のある説明が可能です。消費者だけでなくメディアや流通業者に対しても大きな説得材料となります。プレスリリースや販促資料に「医師監修済み」という情報を盛り込めば、PR活動の幅も広がり、取材や掲載のチャンスも高まるでしょう。

メディコレWEBについて

「メディコレWEB」は、株式会社メディコレが提供するオンライン完結型の医師監修サービスです。医療・ヘルスケア分野の情報発信において、信頼性の高いコンテンツを迅速かつ効率的に提供することを目的としています。

このサービスでは、医師による実名監修や匿名監修を選択でき、記事やPR資料、顧客説明資料などのコンテンツに対して、オンライン上で医師の監修やコメントを取得することが可能です。また、監修済みのコンテンツには、ID付きの認証マークと医師の実名・写真付きのコメントが付与されるため、情報の信頼性を高めることができます。

さらに、メディコレWEBは、医師との連携をスムーズに行うためのプラットフォームとして、専門医のキャスティングや、専門医による事業開発・マーケティング支援も提供しています。これにより、企業は医療・ヘルスケア分野のコンテンツ制作やマーケティング活動において、専門的な知見を取り入れることができ、より効果的な情報発信が可能となります。

なお、医師監修は医療情報の正確性や専門性を高めるものですが、薬機法に基づく広告表現の適法性チェックとは異なります。薬機法対応については、別途確認を行うことをおすすめします。

まとめ

サプリメント広告において信頼性を高めるには、法律を遵守した表現に加え、科学的根拠に基づくエビデンスの整備や、医師監修による第三者視点の裏付けが重要です。

正確な情報提供や誠実な広告表現を心がけ、専門家の知見を取り入れた監修体制を整えることは、違反リスクの回避だけでなく、ブランドへの信頼感を高めることにもつながります。

これからのサプリメント市場では、「安心感」と「信頼性」をしっかりと伝えられる広告・PR戦略が、より一層求められるでしょう。ぜひ一度、医療・ヘルスケア分野に特化した医師監修サービス「メディコレWEB」の活用を、検討してみてはいかがでしょうか。

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