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この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。
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現在の日本において、高血圧は最大の生活習慣病リスク要因の1つであるといわれています。高血圧は別名サイレントキラー。自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに体の中で脳卒中や心筋梗塞などの合併症が進行していってしまうことからこのように呼ばれています。
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、高血圧症には以下のような特徴があることが分かっています。
およそ2人に1人(47.7%)が高血圧症
高血圧症は女性よりも男性に多い
年齢を重ねるごとに高血圧症の割合が高くなる
健康診断で高血圧と診断されたら、放置せずに早めに治療を開始することが重要です。ここでは、高血圧の診断基準や原因、治療方法とその費用について、医師監修のもと詳しく解説していきます。
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現在の日本において、高血圧は最大の生活習慣病リスク要因の1つであるといわれています。高血圧は別名サイレントキラー。自覚症状がほとんどなく、気が付かないうちに体の中で脳卒中や心筋梗塞などの合併症が進行していってしまうことからこのように呼ばれています。
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、高血圧症には以下のような特徴があることが分かっています。
およそ2人に1人(47.7%)が高血圧症
高血圧症は女性よりも男性に多い
年齢を重ねるごとに高血圧症の割合が高くなる
健康診断で高血圧と診断されたら、放置せずに早めに治療を開始することが重要です。ここでは、高血圧の診断基準や原因、治療方法とその費用について、医師監修のもと詳しく解説していきます。
高血圧とは
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血圧とは、心臓が血液を送り出す際にかかる血管への圧力のことです。心臓は常に収縮を繰り返しながら全身に血液を送り出していますが、心臓が収縮した状態の血圧を「収縮期血圧」、心臓が拡張した状態の血圧を「拡張期血圧」と呼びます。よく血圧の「上」「下」という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、この「上」というのが「収縮期血圧」、「下」というのが「拡張期血圧」のことを指します。
そして高血圧とは、安静時の血圧が正常値を超えて高い状態であることを指します。高血圧の状態が続くと血管に多くの負担がかかり、次第に血管はボロボロになってきてしまうのです。
高血圧の診断基準
日本高血圧学会は、血圧の正常値を【収縮期血圧:120未満かつ拡張期血圧:80未満】と定めています。そして高血圧の診断基準は【収縮期血圧:140以上かつ(または)拡張期血圧:90以上】です。
また高血圧には段階があり、血圧の数値によって以下のようにⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度と分類されています。
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参考:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
なお上記の血圧の数値は全て病院ではかった場合の「診察時血圧」の基準となります。一般的に家庭では病院より低い値が出るとされているため、家庭での基準は上記の数値-5程度と覚えておいてください。
高血圧を引き起こす原因
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日本における高血圧症の大半は、はっきりとした原因を特定するのが難しい「本態性高血圧」と呼ばれるものです。しかしさまざまな研究から「遺伝的要因」と「環境要因」の複数の要因が組み合わさって高血圧を引き起こすことが分かっています。
遺伝的要因とは両親から引き継いだ生まれ持っての体質のこと。両親・祖父母・兄弟に高血圧症の人がいる場合、自分も高血圧になりやすい体質だということです。
また環境要因とは自分自身の生活習慣により高血圧を引き起こすこと。
具体的には以下のような生活習慣が高血圧の原因になりやすいとされています。
食塩摂取量が多い
肥満
過度な飲酒
運動不足
ストレス
またこれ以外に「二次性高血圧」といって、高血圧の原因となる疾患が特定できるものもあります。二次性高血圧は高血圧患者の約1~2割程度に当てはまり、短期間で急激に血圧が上がった場合や若年での発症の場合に疑われます。
高血圧の合併症
高血圧はほとんど自覚症状があらわれません。そのため、高血圧と診断されても放置してしまう人が多いのが現状です。
しかし高血圧の状態が続くと、動脈硬化(血管が硬くなること)を引き起こし、脳や心臓などの循環器疾患の合併症を引き起こすリスクが高まります。
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上記のグラフから分かるように、正常血圧の人と比較すると、高血圧の人の脳卒中・虚血性心疾患の発病リスクは血圧レベルとともに高くなります。そのため高血圧と診断されたら、できるだけ早く治療を開始することが重要です。
高血圧の食事療法

ここからは高血圧の治療方法について詳しく解説していきます。高血圧を引き起こす大きな要因は生活習慣であることが分かっています。そのため、高血圧の治療にはまず食生活をはじめとする生活習慣を改善することが重要になってきます。
減塩を心がける
高血圧症の食事療法で最も重要なのが、食塩の摂取量を減らすことです。
日本高血圧学会は、高血圧患者の食塩摂取量目安を1日6g未満と設定しています。しかし厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量の平均は10.1g。つまり高血圧の人が食塩摂取量を6gにおさえるためには、減塩に意識した食生活を送らないといけないことが分かります。
ラーメンなどの麺類の汁は飲まない
外食や加工食品を控える
漬物は控える
醤油やソースなどの調味料をかけすぎない
など、制限が多くて大変だと感じるかもしれませんが、新鮮な旬の食材を使ったり、だしや香りにこだわってみたり、食材本来のおいしさを楽しむきっかけとなるかもしれません。
食べすぎに気をつける
肥満は高血圧を引き起こし、また悪化させる要因となります。そのため食塩だけでなく、食べる量そのものにも気をつけてみましょう。
必要なカロリー量は身長体重・身体活動のレベルによって決まります。主食・主菜・副菜をバランスよく、よく噛んでゆっくり食べる習慣をつけましょう。また毎日お腹いっぱいになるまで食べることを辞め、腹八分目で食事を終わらせる習慣をつけると肥満予防、また解消に効果的です。
薬物療法とその費用について
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食生活の改善は高血圧治療の基本ですが、それだけでは改善がみられない場合は薬を使っての治療が必要となります。血圧が高いと思ったら必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
高血圧症の治療費(3割負担の場合)
1か月あたり:約3,000~5,000円(薬代含む)
高血圧症の通院は長期にわたるケースが多いので、年間でみると大きな負担となることも多いです。また高血圧症に糖尿病や脂質異常症が併発してしまうと、さらに1か月あたり約3,000~5,000円程度かかる場合もあります。
血圧が高めだと感じたら、早めに治療を開始することが、長い目で見た時の医療費削減のポイントとなります。
まとめ
高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
高血圧と診断された方は、まずは減塩など食生活の改善をすることが大切です。また家庭用血圧計を使って血圧をはかる習慣をつけるのもおすすめです。
高血圧は放置せず、必ず医療機関を受診し早めの治療を開始しましょう。
高血圧とは
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血圧とは、心臓が血液を送り出す際にかかる血管への圧力のことです。心臓は常に収縮を繰り返しながら全身に血液を送り出していますが、心臓が収縮した状態の血圧を「収縮期血圧」、心臓が拡張した状態の血圧を「拡張期血圧」と呼びます。よく血圧の「上」「下」という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、この「上」というのが「収縮期血圧」、「下」というのが「拡張期血圧」のことを指します。
そして高血圧とは、安静時の血圧が正常値を超えて高い状態であることを指します。高血圧の状態が続くと血管に多くの負担がかかり、次第に血管はボロボロになってきてしまうのです。
高血圧の診断基準
日本高血圧学会は、血圧の正常値を【収縮期血圧:120未満かつ拡張期血圧:80未満】と定めています。そして高血圧の診断基準は【収縮期血圧:140以上かつ(または)拡張期血圧:90以上】です。
また高血圧には段階があり、血圧の数値によって以下のようにⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度と分類されています。
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参考:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
なお上記の血圧の数値は全て病院ではかった場合の「診察時血圧」の基準となります。一般的に家庭では病院より低い値が出るとされているため、家庭での基準は上記の数値-5程度と覚えておいてください。
高血圧を引き起こす原因
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日本における高血圧症の大半は、はっきりとした原因を特定するのが難しい「本態性高血圧」と呼ばれるものです。しかしさまざまな研究から「遺伝的要因」と「環境要因」の複数の要因が組み合わさって高血圧を引き起こすことが分かっています。
遺伝的要因とは両親から引き継いだ生まれ持っての体質のこと。両親・祖父母・兄弟に高血圧症の人がいる場合、自分も高血圧になりやすい体質だということです。
また環境要因とは自分自身の生活習慣により高血圧を引き起こすこと。
具体的には以下のような生活習慣が高血圧の原因になりやすいとされています。
食塩摂取量が多い
肥満
過度な飲酒
運動不足
ストレス
またこれ以外に「二次性高血圧」といって、高血圧の原因となる疾患が特定できるものもあります。二次性高血圧は高血圧患者の約1~2割程度に当てはまり、短期間で急激に血圧が上がった場合や若年での発症の場合に疑われます。
高血圧の合併症
高血圧はほとんど自覚症状があらわれません。そのため、高血圧と診断されても放置してしまう人が多いのが現状です。
しかし高血圧の状態が続くと、動脈硬化(血管が硬くなること)を引き起こし、脳や心臓などの循環器疾患の合併症を引き起こすリスクが高まります。
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高血圧の食事療法
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ここからは高血圧の治療方法について詳しく解説していきます。高血圧を引き起こす大きな要因は生活習慣であることが分かっています。そのため、高血圧の治療にはまず食生活をはじめとする生活習慣を改善することが重要になってきます。
減塩を心がける
高血圧症の食事療法で最も重要なのが、食塩の摂取量を減らすことです。
日本高血圧学会は、高血圧患者の食塩摂取量目安を1日6g未満と設定しています。しかし厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量の平均は10.1g。つまり高血圧の人が食塩摂取量を6gにおさえるためには、減塩に意識した食生活を送らないといけないことが分かります。
ラーメンなどの麺類の汁は飲まない
外食や加工食品を控える
漬物は控える
醤油やソースなどの調味料をかけすぎない
など、制限が多くて大変だと感じるかもしれませんが、新鮮な旬の食材を使ったり、だしや香りにこだわってみたり、食材本来のおいしさを楽しむきっかけとなるかもしれません。
食べすぎに気をつける
肥満は高血圧を引き起こし、また悪化させる要因となります。そのため食塩だけでなく、食べる量そのものにも気をつけてみましょう。
必要なカロリー量は身長体重・身体活動のレベルによって決まります。主食・主菜・副菜をバランスよく、よく噛んでゆっくり食べる習慣をつけましょう。また毎日お腹いっぱいになるまで食べることを辞め、腹八分目で食事を終わらせる習慣をつけると肥満予防、また解消に効果的です。
薬物療法とその費用について
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食生活の改善は高血圧治療の基本ですが、それだけでは改善がみられない場合は薬を使っての治療が必要となります。血圧が高いと思ったら必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
高血圧症の治療費(3割負担の場合)
1か月あたり:約3,000~5,000円(薬代含む)
高血圧症の通院は長期にわたるケースが多いので、年間でみると大きな負担となることも多いです。また高血圧症に糖尿病や脂質異常症が併発してしまうと、さらに1か月あたり約3,000~5,000円程度かかる場合もあります。
血圧が高めだと感じたら、早めに治療を開始することが、長い目で見た時の医療費削減のポイントとなります。
まとめ
高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
高血圧と診断された方は、まずは減塩など食生活の改善をすることが大切です。また家庭用血圧計を使って血圧をはかる習慣をつけるのもおすすめです。
高血圧は放置せず、必ず医療機関を受診し早めの治療を開始しましょう。
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竹内 想
(名古屋大学医学部付属病院)
医師のコメント
高血圧症がある場合は、内科を受診することが最も勧められます。内科といっても色々と種類があるので、可能であれば循環器内科を標榜しているクリニックや病院が望ましいと考えられます。
治療としてはまずは生活習慣を改善することや自身の血圧の推移を家庭で測定することによりしっかりと把握することが基本となります。しかしこれでは血圧が下がらない場合、薬物による治療が行われます。血圧の値が非常に高い方や血圧による合併症が生じている場合、初診時から内服治療が行われることもあります。
高血圧治療の薬としてはカルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬などが一般的に用いられます。
医師のコメント
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竹内 想
(名古屋大学医学部付属病院)
高血圧症がある場合は、内科を受診することが最も勧められます。内科といっても色々と種類があるので、可能であれば循環器内科を標榜しているクリニックや病院が望ましいと考えられます。
治療としてはまずは生活習慣を改善することや自身の血圧の推移を家庭で測定することによりしっかりと把握することが基本となります。しかしこれでは血圧が下がらない場合、薬物による治療が行われます。血圧の値が非常に高い方や血圧による合併症が生じている場合、初診時から内服治療が行われることもあります。
高血圧治療の薬としてはカルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬などが一般的に用いられます。
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