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この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。
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2020年、健康増進法の一部が改正され、受動喫煙防止対策が全面施行されました。これにより屋外屋内ともに喫煙所の設置基準が明確に定められ、喫煙可能な飲食店や喫煙所が急激に減少しました。
望まない受動喫煙を防ぐ目的とはいえ、愛煙家のみなさんは「肩身が狭い」と感じることも増えたでしょう。
厚生労働省による令和元年度「国民健康栄養調査」によると、喫煙者(現在習慣的に喫煙している者)の割合は全体の16.7%。平成21年の割合は23.4%だったため、この10年で喫煙者が一気に減少していることが分かります。
喫煙が体にさまざまな害を及ぼすことは、喫煙者にとっても非喫煙者にとっても周知の事実です。それでもたばこを辞められないのは、たばこの依存性の高さが原因だといえるでしょう。
「もう長年たばこを吸っているし今さら禁煙しても…」そう考える人もいるかもしれませんが、禁煙を始めるのに遅すぎるということはありません。
この記事では喫煙による疾患リスクやたばこへの依存について、また禁煙外来での治療について医師の解説とともに詳しく紹介していきます。
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2020年、健康増進法の一部が改正され、受動喫煙防止対策が全面施行されました。これにより屋外屋内ともに喫煙所の設置基準が明確に定められ、喫煙可能な飲食店や喫煙所が急激に減少しました。
望まない受動喫煙を防ぐ目的とはいえ、愛煙家のみなさんは「肩身が狭い」と感じることも増えたでしょう。
厚生労働省による令和元年度「国民健康栄養調査」によると、喫煙者(現在習慣的に喫煙している者)の割合は全体の16.7%。平成21年の割合は23.4%だったため、この10年で喫煙者が一気に減少していることが分かります。
喫煙が体にさまざまな害を及ぼすことは、喫煙者にとっても非喫煙者にとっても周知の事実です。それでもたばこを辞められないのは、たばこの依存性の高さが原因だといえるでしょう。
「もう長年たばこを吸っているし今さら禁煙しても…」そう考える人もいるかもしれませんが、禁煙を始めるのに遅すぎるということはありません。
この記事では喫煙による疾患リスクやたばこへの依存について、また禁煙外来での治療について医師の解説とともに詳しく紹介していきます。
喫煙による疾患リスク
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たばこにはニコチンやタールをはじめ、数百種類もの有害物質が含まれ、これにより自身や周囲の人の疾患リスクが高まるといわれています。
喫煙と関係の深い疾患と聞いて、多くの方は肺がんを思い浮かべるかもしれません。実際に世界中のさまざまな研究により、喫煙と肺がんは「確実に」関連があることが分かっています。
国立がん研究センターの報告によると、「たばこを吸わない人に比べて、たばこを吸う人は男性では4.5倍、女性では4.2倍肺がんになりやすい」そうです。
喫煙がもたらす疾患は肺がんだけではありません。国際がん研究機関(IARC)は2012年、喫煙との関連が確実ながんとして「口腔・鼻咽頭・副鼻腔・喉頭・肺・食道・胃・膵臓・大腸・肝臓・腎臓・尿管・膀胱・子宮頚部・卵巣・骨髄性白血病」を挙げています。
またがん以外にも循環器疾患や呼吸器疾患、糖尿病などの疾患リスクがあがることも分かっています。
まさに喫煙は健康にとって百害あって一利なし、といえるでしょう。
今から禁煙しても遅い?
喫煙と関連が深い疾患の代表ともいえる肺がん。肺がんは生涯の喫煙本数(喫煙年数×1日あたりの喫煙本数)が多いほど、発生率が高まることが分かっています。
その一方で、禁煙から5年ほど経つと肺がんのリスクは減少していき、10~15年経てば非喫煙者とほぼ同等にまで戻ることが分かっています。
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低い精度で自動的に生成された説明"
画像引用:禁煙の効果 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)より
上記の画像からも分かるように、禁煙直後からその効果はみられ、時間をかけて元の健康な体に戻っていきます。
「明日から禁煙しよう」と言わず、ぜひ今この瞬間から禁煙をはじめてみませんか?
禁煙できないのは「依存」が原因

喫煙が健康に与える悪影響については理解できても、なかなか禁煙に踏み切れないのが愛煙家の性。もしかしたら「自分は禁煙できないのではなく、禁煙しないだけ」と考えている方も多いかもしれませんね。
しかし禁煙しようと思わないことこそ、たばこへ心理的に依存している状態であるともいえます。
禁煙ができない理由は大きく3つに分けられます。それは「体の依存」と「習慣の依存」と「心の依存」です。それぞれの違いをみていきましょう。
体の依存
体の依存とは、いわゆるニコチン依存症のことです。体内の血中ニコチン濃度が下がるとイライラしたり、手が震えたりといった離脱症状があらわれます。
再び喫煙すれば離脱症状から解放されるため、禁煙できないといった特徴があります。
体の依存から抜け出すためには、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬の使用が効果的です。
習慣の依存
寝起きや食後など、決まった時間や場所で喫煙しないと落ち着かないというタイプは習慣の依存になっている可能性があります。
こういった方は、まずは自分の習慣を思い返し、どういった環境下でたばこを吸いたくなるのかを書き出してみましょう。そしてその喫煙の習慣を他の習慣(歯磨きをする、ガムを噛む、お茶を飲むなど)に置き換えることで依存から抜け出すことができます。
心の依存
「たばこを吸うとストレス解消になる」「たばこを吸っても自分は健康だ」といった喫煙の正当化をしてしまうタイプは、心理的に依存しているといえます。
このタイプの方は、周りがどんなに喫煙の害について話しても、なかなか受け入れられません。まずはたばこに関する正しい情報を得て、たばこの有害性を認める努力をしてみましょう。
禁煙ができないのは決して喫煙者の意思が弱いから、というわけではありません。喫煙者の多くはこれら3つの依存が複合的に組み合わさり、自分自身の意思とは別に、禁煙できない状態に陥っています。
どうしてもこの依存から抜け出せない方は、禁煙外来を受診し、専門家の指導のもと喫煙の依存を断ち切ることをおすすめします。
禁煙外来での治療と費用について
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禁煙外来では実際にどのような治療が行われるのでしょうか。
禁煙外来での治療
禁煙外来では、張り薬の「ニコチンパッチ」や飲み薬の「バレニクリン」などの禁煙補助薬が処方されます。
また禁煙補助薬にあわせて医師や看護師による禁煙指導が行われます。
禁煙外来の成功率については一般的に約7~8割といわれています。
市販の禁煙補助薬と比較して、医師や関連職種など他者の眼が入ることで、禁煙に対する意識が高まり成功率も高くなることが考えられます。
禁煙外来の費用
2006年4月より以下の条件のもと、禁煙外来に保険が適用されるようになりました。
国が禁煙治療に保険適用ができると認定した施設
ニコチン依存度テストが5点以上
禁煙外来の治療費(3割負担の場合)
12週間(標準治療期間):約2万円
たばこ1箱600円とすると、1日10本たばこを吸う人は、2か月で約18,000円。
禁煙が成功し、この先ずっとたばこ代を払わなくて良いと思えば、禁煙外来にかかる費用が安いものだと感じるでしょう。
まとめ
喫煙が体にさまざまな悪影響を及ぼすことは、さまざまな研究結果から明らかになっています。
たばこは一度吸ってしまうと、その依存性の高さから禁煙をすることは非常に難しいものです。
禁煙できないのは、本人の意思の問題ではありません。
まずは自分自身がたばこに依存している状態であることを認め、適切な治療を受けることが禁煙への近道です。
ぜひ禁煙外来を利用して、1日でも早くたばこへの依存から抜け出しましょう!
喫煙による疾患リスク
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たばこにはニコチンやタールをはじめ、数百種類もの有害物質が含まれ、これにより自身や周囲の人の疾患リスクが高まるといわれています。
喫煙と関係の深い疾患と聞いて、多くの方は肺がんを思い浮かべるかもしれません。実際に世界中のさまざまな研究により、喫煙と肺がんは「確実に」関連があることが分かっています。
国立がん研究センターの報告によると、「たばこを吸わない人に比べて、たばこを吸う人は男性では4.5倍、女性では4.2倍肺がんになりやすい」そうです。
喫煙がもたらす疾患は肺がんだけではありません。国際がん研究機関(IARC)は2012年、喫煙との関連が確実ながんとして「口腔・鼻咽頭・副鼻腔・喉頭・肺・食道・胃・膵臓・大腸・肝臓・腎臓・尿管・膀胱・子宮頚部・卵巣・骨髄性白血病」を挙げています。
またがん以外にも循環器疾患や呼吸器疾患、糖尿病などの疾患リスクがあがることも分かっています。
まさに喫煙は健康にとって百害あって一利なし、といえるでしょう。
今から禁煙しても遅い?
喫煙と関連が深い疾患の代表ともいえる肺がん。肺がんは生涯の喫煙本数(喫煙年数×1日あたりの喫煙本数)が多いほど、発生率が高まることが分かっています。
その一方で、禁煙から5年ほど経つと肺がんのリスクは減少していき、10~15年経てば非喫煙者とほぼ同等にまで戻ることが分かっています。
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上記の画像からも分かるように、禁煙直後からその効果はみられ、時間をかけて元の健康な体に戻っていきます。
「明日から禁煙しよう」と言わず、ぜひ今この瞬間から禁煙をはじめてみませんか?
禁煙できないのは「依存」が原因
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喫煙が健康に与える悪影響については理解できても、なかなか禁煙に踏み切れないのが愛煙家の性。もしかしたら「自分は禁煙できないのではなく、禁煙しないだけ」と考えている方も多いかもしれませんね。
しかし禁煙しようと思わないことこそ、たばこへ心理的に依存している状態であるともいえます。
禁煙ができない理由は大きく3つに分けられます。それは「体の依存」と「習慣の依存」と「心の依存」です。それぞれの違いをみていきましょう。
体の依存
体の依存とは、いわゆるニコチン依存症のことです。体内の血中ニコチン濃度が下がるとイライラしたり、手が震えたりといった離脱症状があらわれます。
再び喫煙すれば離脱症状から解放されるため、禁煙できないといった特徴があります。
体の依存から抜け出すためには、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬の使用が効果的です。
習慣の依存
寝起きや食後など、決まった時間や場所で喫煙しないと落ち着かないというタイプは習慣の依存になっている可能性があります。
こういった方は、まずは自分の習慣を思い返し、どういった環境下でたばこを吸いたくなるのかを書き出してみましょう。そしてその喫煙の習慣を他の習慣(歯磨きをする、ガムを噛む、お茶を飲むなど)に置き換えることで依存から抜け出すことができます。
心の依存
「たばこを吸うとストレス解消になる」「たばこを吸っても自分は健康だ」といった喫煙の正当化をしてしまうタイプは、心理的に依存しているといえます。
このタイプの方は、周りがどんなに喫煙の害について話しても、なかなか受け入れられません。まずはたばこに関する正しい情報を得て、たばこの有害性を認める努力をしてみましょう。
禁煙ができないのは決して喫煙者の意思が弱いから、というわけではありません。喫煙者の多くはこれら3つの依存が複合的に組み合わさり、自分自身の意思とは別に、禁煙できない状態に陥っています。
どうしてもこの依存から抜け出せない方は、禁煙外来を受診し、専門家の指導のもと喫煙の依存を断ち切ることをおすすめします。
禁煙外来での治療と費用について
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禁煙外来では実際にどのような治療が行われるのでしょうか。
禁煙外来での治療
禁煙外来では、張り薬の「ニコチンパッチ」や飲み薬の「バレニクリン」などの禁煙補助薬が処方されます。
また禁煙補助薬にあわせて医師や看護師による禁煙指導が行われます。
禁煙外来の成功率については一般的に約7~8割といわれています。
市販の禁煙補助薬と比較して、医師や関連職種など他者の眼が入ることで、禁煙に対する意識が高まり成功率も高くなることが考えられます。
禁煙外来の費用
2006年4月より以下の条件のもと、禁煙外来に保険が適用されるようになりました。
国が禁煙治療に保険適用ができると認定した施設
ニコチン依存度テストが5点以上
禁煙外来の治療費(3割負担の場合)
12週間(標準治療期間):約2万円
たばこ1箱600円とすると、1日10本たばこを吸う人は、2か月で約18,000円。
禁煙が成功し、この先ずっとたばこ代を払わなくて良いと思えば、禁煙外来にかかる費用が安いものだと感じるでしょう。
まとめ
喫煙が体にさまざまな悪影響を及ぼすことは、さまざまな研究結果から明らかになっています。
たばこは一度吸ってしまうと、その依存性の高さから禁煙をすることは非常に難しいものです。
禁煙できないのは、本人の意思の問題ではありません。
まずは自分自身がたばこに依存している状態であることを認め、適切な治療を受けることが禁煙への近道です。
ぜひ禁煙外来を利用して、1日でも早くたばこへの依存から抜け出しましょう!
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竹内 想
(名古屋大学医学部付属病院)
医師のコメント
禁煙による医学的なプラスの影響は、年齢が若い人ほど高くなるため若年者の方ほど禁煙外来を受診するメリットが多いと考えられます。
といっても若年者でないかたであっても、禁煙によって痰が減少するなどすぐに現れる効果もあるため、禁煙を考えている方は基本的に受診することが勧められます。
医師のコメント
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竹内 想
(名古屋大学医学部付属病院)
禁煙による医学的なプラスの影響は、年齢が若い人ほど高くなるため若年者の方ほど禁煙外来を受診するメリットが多いと考えられます。
といっても若年者でないかたであっても、禁煙によって痰が減少するなどすぐに現れる効果もあるため、禁煙を考えている方は基本的に受診することが勧められます。
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