お酒の飲みすぎによる疾患リスクとは

お酒の飲みすぎによる疾患リスクとは

2023年5月8日
お酒の飲みすぎによる疾患リスクとは

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2023年5月8日
メディコレマーク

この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。

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【医師監修】お酒の飲みすぎによる疾患リスクとは

大昔から「酒は百薬の長」という言葉があるように、適量の飲酒は健康に良いと考えている人は多いでしょう。
実際に虚血性心疾患など一部の疾患においては少量の飲酒が死亡リスクを下げるという結果がでています。また少量の飲酒はリラックス効果があるなど、精神面へのメリットも挙げられます。

しかしこれらの結果だけをみて「積極的にお酒を飲みましょう!」と勧めることはできません。その他の疾患では、少量の飲酒でも疾患リスクが上がることがさまざまな研究結果から分かっています。
健康のためには、まずはアルコールの適正量を守ることが大切です。どうしてもお酒が辞められない、辞めるつもりが気づいたら飲みすぎてしまっている、という方はアルコール依存症となっている可能性もあります。

ここでは適切な飲酒量の目安や過度な飲酒が引き起こす疾患リスク、またアルコール依存症の治療について医師の解説を交えて、詳しくお話していきます。






【医師監修】お酒の飲みすぎによる疾患リスクとは

大昔から「酒は百薬の長」という言葉があるように、適量の飲酒は健康に良いと考えている人は多いでしょう。
実際に虚血性心疾患など一部の疾患においては少量の飲酒が死亡リスクを下げるという結果がでています。また少量の飲酒はリラックス効果があるなど、精神面へのメリットも挙げられます。

しかしこれらの結果だけをみて「積極的にお酒を飲みましょう!」と勧めることはできません。その他の疾患では、少量の飲酒でも疾患リスクが上がることがさまざまな研究結果から分かっています。
健康のためには、まずはアルコールの適正量を守ることが大切です。どうしてもお酒が辞められない、辞めるつもりが気づいたら飲みすぎてしまっている、という方はアルコール依存症となっている可能性もあります。

ここでは適切な飲酒量の目安や過度な飲酒が引き起こす疾患リスク、またアルコール依存症の治療について医師の解説を交えて、詳しくお話していきます。






飲酒の適量とは

飲酒の適量とは

厚生労働省は健康日本21の中で「節度ある適度な飲酒アルコールの適量」を【1日平均純アルコール20g程度】と定めています。

純アルコール20gの目安

  • 瓶ビール中瓶1本(500ml)

  • 清酒1合(180ml)

  • ウイスキーダブル1杯(60ml)

  • 焼酎1/2杯(100ml)

  • ワイン2杯弱(200ml)


平成25年度から開始された健康日本21(第二次)の中では「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を【1日当たりの純アルコール摂取量 男性:40g 以上、女性:20g 以上】と定めています。
例えば毎晩缶ビール(350g)を3本飲むと、純アルコール摂取量は約42g。生活習慣病リスクを高める飲酒量となってしまいますので、健康のためには飲酒量を減らす努力が必要だということです。

ここでいうアルコール摂取量はあくまで目安であり、人それぞれアルコールを分解できる量は異なることに注意しましょう。お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人やもともと飲酒の習慣がない人は、1日20gのアルコール量でも多すぎる場合もあります。また一般的に女性は男性よりもアルコール分解速度が遅く、血中アルコール濃度が高くなりやすいので男性の1/2~1/3程度が目安と覚えておきましょう。

飲酒が引き起こす疾患

飲酒が引き起こす疾患

飲酒量の目安について解説しましたが、実際に過度な飲酒はどのような疾患を引き起こす可能性があるのでしょうか。具体的な疾患例をみていきましょう。

肝臓病

アルコールを分解する役割を持つのが肝臓。そのため肝臓はアルコールによるダメージを最も受けやすい臓器の1つといわれています。長期間にわたる多量の飲酒は、脂肪肝→アルコール性肝炎→肝硬変という段階を経て進行していきます。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、自覚症状が少なく早期発見が難しいとされています。肝臓病は血液検査によって発見できるので、お酒をよく飲む方は忘れずに定期的な健康診断を受診しましょう。

がん

さまざまな研究結果から、アルコールはいくつかのがんの罹患リスクを高めることが判明しています。WHO(世界保健機関)による見解(2007年)では、飲酒は【口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房のがん】の原因になるとされています。
例えば、女性の乳がんはお酒をたまに飲む(または少量飲む)だけでも、お酒を全く飲まない人と比べると罹患リスクが高まることが分かっています。つまり乳がんなどいくつかのがんにおいては「お酒は適量なら健康に良い」という風説はあてはまらないといえるでしょう。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質異常症が組み合わさった状態を指します。体内に入ったアルコールは胃や腸で吸収され、肝臓で「アセトアルデヒド」という毒性の強い物質に分解されます。このアセトアルデヒドは脂肪の分解を抑制する働きを持ち、内臓脂肪の増加につながります。また過度な飲酒は血圧や血糖値を上げるほか、脂質異常症の原因になることが分かっています。メタボリックシンドロームは脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるため、メタボリックシンドロームにならないこと、つまり過度な飲酒を控えることが重要だとされています。

どの疾患も病状が進行すると断酒を余儀なくされます。そうならないためにも、今のうちから適正量の飲酒を心がけたり、休肝日を設けたり、正しいお酒との付き合いをしていきましょう。

アルコール依存症の治療と費用について

アルコール依存症の治療と費用について

健康のためにはお酒を控えた方がいいことは理解できても、お酒が好きな人にとっては減酒や断酒は難しいものですよね。お酒をやめられないのは意思の問題だけではありません。アルコールは依存性のある薬物の1種であり、長年多量の飲酒を続けていくと誰しもがアルコール依存症になるリスクがあるのです。

医療機関でアルコール依存症の治療をする場合、治療内容によっても異なりますが、一般的に5,000円程度(3割負担の場合)の費用がかかります。
アルコール依存症の度合いが軽度(通院治療が可能と判断された場合)の場合、最初のうちは毎日~週に1回程度の通院を求められる場合が多いです。通院頻度が多く大変だと感じるかもしれませんが、中度~重度にまでなってしまうと、入院治療が必要になり数十万円の治療費がかかってしまいます。アルコール依存症が疑われる方は、早めに医療機関へ相談しましょう。

差し替え高血圧症の治療費(3割負担の場合)

1か月あたり:約3,000~5,000円(薬代含む)






まとめ

適度な飲酒は体に良いと思っていた方も多いかもしれませんね。実際に虚血性心疾患など一部の疾患は、少量の飲酒によりリスクが下がることもありますが、乳がんをはじめとする多くの疾患は少量の飲酒でもリスクが高まることが分かっています。またアルコールは依存性の高い薬物です。どうしてもお酒がやめられない、お酒を飲まないと落ち着かないなど、アルコール依存症が疑われる方は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

飲酒の適量とは

飲酒の適量とは

厚生労働省は健康日本21の中で「節度ある適度な飲酒アルコールの適量」を【1日平均純アルコール20g程度】と定めています。

純アルコール20gの目安

  • 瓶ビール中瓶1本(500ml)

  • 清酒1合(180ml)

  • ウイスキーダブル1杯(60ml)

  • 焼酎1/2杯(100ml)

  • ワイン2杯弱(200ml)


平成25年度から開始された健康日本21(第二次)の中では「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を【1日当たりの純アルコール摂取量 男性:40g 以上、女性:20g 以上】と定めています。
例えば毎晩缶ビール(350g)を3本飲むと、純アルコール摂取量は約42g。生活習慣病リスクを高める飲酒量となってしまいますので、健康のためには飲酒量を減らす努力が必要だということです。

ここでいうアルコール摂取量はあくまで目安であり、人それぞれアルコールを分解できる量は異なることに注意しましょう。お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人やもともと飲酒の習慣がない人は、1日20gのアルコール量でも多すぎる場合もあります。また一般的に女性は男性よりもアルコール分解速度が遅く、血中アルコール濃度が高くなりやすいので男性の1/2~1/3程度が目安と覚えておきましょう。

飲酒が引き起こす疾患

飲酒が引き起こす疾患

飲酒量の目安について解説しましたが、実際に過度な飲酒はどのような疾患を引き起こす可能性があるのでしょうか。具体的な疾患例をみていきましょう。

肝臓病

アルコールを分解する役割を持つのが肝臓。そのため肝臓はアルコールによるダメージを最も受けやすい臓器の1つといわれています。長期間にわたる多量の飲酒は、脂肪肝→アルコール性肝炎→肝硬変という段階を経て進行していきます。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、自覚症状が少なく早期発見が難しいとされています。肝臓病は血液検査によって発見できるので、お酒をよく飲む方は忘れずに定期的な健康診断を受診しましょう。

がん

さまざまな研究結果から、アルコールはいくつかのがんの罹患リスクを高めることが判明しています。WHO(世界保健機関)による見解(2007年)では、飲酒は【口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房のがん】の原因になるとされています。
例えば、女性の乳がんはお酒をたまに飲む(または少量飲む)だけでも、お酒を全く飲まない人と比べると罹患リスクが高まることが分かっています。つまり乳がんなどいくつかのがんにおいては「お酒は適量なら健康に良い」という風説はあてはまらないといえるでしょう。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質異常症が組み合わさった状態を指します。体内に入ったアルコールは胃や腸で吸収され、肝臓で「アセトアルデヒド」という毒性の強い物質に分解されます。このアセトアルデヒドは脂肪の分解を抑制する働きを持ち、内臓脂肪の増加につながります。また過度な飲酒は血圧や血糖値を上げるほか、脂質異常症の原因になることが分かっています。メタボリックシンドロームは脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるため、メタボリックシンドロームにならないこと、つまり過度な飲酒を控えることが重要だとされています。

どの疾患も病状が進行すると断酒を余儀なくされます。そうならないためにも、今のうちから適正量の飲酒を心がけたり、休肝日を設けたり、正しいお酒との付き合いをしていきましょう。

アルコール依存症の治療と費用について

アルコール依存症の治療と費用について

健康のためにはお酒を控えた方がいいことは理解できても、お酒が好きな人にとっては減酒や断酒は難しいものですよね。お酒をやめられないのは意思の問題だけではありません。アルコールは依存性のある薬物の1種であり、長年多量の飲酒を続けていくと誰しもがアルコール依存症になるリスクがあるのです。

医療機関でアルコール依存症の治療をする場合、治療内容によっても異なりますが、一般的に5,000円程度(3割負担の場合)の費用がかかります。
アルコール依存症の度合いが軽度(通院治療が可能と判断された場合)の場合、最初のうちは毎日~週に1回程度の通院を求められる場合が多いです。通院頻度が多く大変だと感じるかもしれませんが、中度~重度にまでなってしまうと、入院治療が必要になり数十万円の治療費がかかってしまいます。アルコール依存症が疑われる方は、早めに医療機関へ相談しましょう。

差し替え高血圧症の治療費(3割負担の場合)

1か月あたり:約3,000~5,000円(薬代含む)






まとめ

適度な飲酒は体に良いと思っていた方も多いかもしれませんね。実際に虚血性心疾患など一部の疾患は、少量の飲酒によりリスクが下がることもありますが、乳がんをはじめとする多くの疾患は少量の飲酒でもリスクが高まることが分かっています。またアルコールは依存性の高い薬物です。どうしてもお酒がやめられない、お酒を飲まないと落ち着かないなど、アルコール依存症が疑われる方は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

伊藤 直先生
伊藤 直
(平成かぐらクリニック院長)
医師のコメント

アルコール依存症の兆候の兆候としては、毎日お酒を飲まないと不安で落ち着かない、手指の震えがでるので毎日飲酒している、など精神症状と身体症状があります。

実際にアルコール依存症と診断された場合の治療としては以前は抗酒薬(少しでも飲酒すると気持ちが悪くなり、それ以上の飲酒ができなくなる)が主でしたが、最近では節酒薬(少し飲酒すると、それ以上は飲酒したい気持ちが自然とおさまる)を処方することも増えています。アルコール依存症の疑いがある場合は保健所に相談し、最寄りの医療機関をご紹介していただくのが良いと思います。

医師のコメント

伊藤 直先生
伊藤 直
(平成かぐらクリニック院長)

アルコール依存症の兆候の兆候としては、毎日お酒を飲まないと不安で落ち着かない、手指の震えがでるので毎日飲酒している、など精神症状と身体症状があります。

実際にアルコール依存症と診断された場合の治療としては以前は抗酒薬(少しでも飲酒すると気持ちが悪くなり、それ以上の飲酒ができなくなる)が主でしたが、最近では節酒薬(少し飲酒すると、それ以上は飲酒したい気持ちが自然とおさまる)を処方することも増えています。アルコール依存症の疑いがある場合は保健所に相談し、最寄りの医療機関をご紹介していただくのが良いと思います。

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