糖尿病の診断基準とは?知って得する糖尿病対策

糖尿病の診断基準とは?知って得する糖尿病対策

2023年6月21日
糖尿病の診断基準とは?知って得する糖尿病対策

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2023年6月21日
メディコレマーク

この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。

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糖尿病の診断基準とは?知って得する糖尿病対策

日本だけでなく、世界中で増えている「糖尿病」は、今や誰もが知っている病気の一つです。しかし、どのような基準で糖尿病と診断されているのか、いまいちわからない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、糖尿病の診断基準と予防のためのポイントについてご紹介します。診断基準をおさえておけば、糖尿病に対して意識が向きやすくなり、予防のための対策を早期に立てられるでしょう。

糖尿病の診断基準とは?知って得する糖尿病対策

日本だけでなく、世界中で増えている「糖尿病」は、今や誰もが知っている病気の一つです。しかし、どのような基準で糖尿病と診断されているのか、いまいちわからない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、糖尿病の診断基準と予防のためのポイントについてご紹介します。診断基準をおさえておけば、糖尿病に対して意識が向きやすくなり、予防のための対策を早期に立てられるでしょう。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断基準

「糖尿病」という言葉自体は知っていても、実際に糖尿病とはどのような体の状態を指すのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

まずは、糖尿病の診断基準についてみていきましょう。

糖尿病の3つの基準

日本糖尿病学会が発行する糖尿病診療ガイドラインによると、糖尿病の診断基準には以下の3種類があります。

  • 糖尿病検査の実施

  • 糖尿病検査と慢性高血糖症状の有無

  • 既往歴での判断

それぞれの診断基準について詳しく解説していきます。

糖尿病検査の実施

糖尿病検査を2回実施し、以下のどちらかが2回以上認められた場合に糖尿病と診断されます。

  • 空腹時の血糖値が126mg/dl以上、食後の血糖値が200mg/dl以上

  • HbA1cが6.5%以上                                           ※2回の検査のうち、1回は必ず血糖値で確認をすること"} -->

血糖値とは血液内のブドウ糖の濃度を計測する値のことです。血糖値の正常範囲は、空腹時で100mg/dl未満食後で140mg/dlといわれています。

HbA1cとは、赤血球内にあるタンパク質の一つで、血液中のブドウ糖とくっついた「糖化ヘモグロビン」の割合を示すものです。HbA1c の正常範囲は6.0%未満といわれています。

糖尿病検査と慢性高血糖症状の有無

上記①血糖値の基準に加えて、以下の条件のうち1つが当てはまる場合に糖尿病と診断されます。

  • 口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の症状がある

  • 糖尿病網膜症が認められている

糖尿病網膜症とは、糖尿病の進行によって合併する網膜の障害です。
網膜に栄養や酸素を送っている毛細血管が糖尿病の影響でもろくなることで、視力の低下、失明などの症状を引き起こします。この糖尿病網膜症は「糖尿病性腎症」「糖尿病神経障害」とあわせて、糖尿病の三大合併症と呼ばれることもあります。

③既往歴での判断

現在の血糖値が基準以下だとしても、過去に①または②の条件を満たしたことがある場合、糖尿病として診断されます。

これは過去に糖尿病を持っていると、慢性的な合併症を今後引き起こす危険性があるからです。そのため、現在の血糖値が問題なくとも糖尿病として対応し、慢性合併症の予防・治療を行います。

糖尿病患者数の増加

厚生労働省によると、糖尿病を抱えている方、もしくは糖尿病の疑いのある方は約2000万人以上いるといわれています。

また糖尿病患者数の増加は日本だけでなく、世界全体でも大きな問題となっています。WHOによると、世界全体の糖尿病患者数は約3億5000万人以上、さらに今後20年間で倍増するといわれています。

糖尿病患者が増えている原因としては、以下のような点が挙げられます。

  • 食生活の変化(外食や間食の機会の増加)

  • 高齢者の増加

  • 新型コロナウイルスの影響などによる運動不足   など

今後日本だけでなく、世界全体の課題として、糖尿病の予防に努めることが求められます。

糖尿病の境界型

糖尿病の境界型

糖尿病患者だけでなく、「境界型糖尿病」と呼ばれる方も増加傾向にあります。

ここでは、境界型糖尿病について詳しく解説します。

境界型糖尿病とは

境界型糖尿病とは、糖尿病と診断されるほどではないものの、正常よりも血糖値が高い方を指す状態です。つまり境界型糖尿病は「糖尿病予備軍」ともいえます

境界型糖尿病の基準はHbA1cが6.5%未満に加えて、以下のいずれかの点を満たしている方に当てはまります。

  • 空腹時の血糖値が110〜125mg/dl

  • 75g経口ブドウ糖負荷試験をして2時間後の血糖値が140〜199mg/dl

75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは、糖尿病の有無を評価する検査の一つです。75gのブドウ糖がふくまれている水を飲んだ後の血糖値の変動を測定します。

境界型糖尿病の方は平成28年の段階で日本に約1000万人いるとされており、平成9年から10年間は右肩上がりで増加していました。
この数字はあくまでも推計であり、確実な数値とはいえないため、さらに多くの境界型糖尿病の方が潜んでいる可能性もあります。

境界型糖尿病を悪化させる原因

境界型糖尿病といわれた方は、糖尿病へと進行しないように、予防に努めることが重要です。

境界型糖尿病を悪化させる原因として、以下のような点が挙げられます。

  • 加齢

  • BMIの増加

  • 運動不足

  • 高血圧

  • 喫煙

  • 飲酒

  • ストレス

  • 遺伝的な問題   など

このように、糖尿病の発症リスクは環境面での原因が多いことがわかります。

加齢による変化や生活習慣病の乱れはインスリンの効果が効きにくくなり、血糖値の上昇につながります。年齢や遺伝的な問題は解決できませんが、その他の原因は生活習慣を改善すれば対処は十分に可能です。
ぜひ自分の生活習慣を見直して、糖尿病の発症リスクの軽減に努めてみましょう。

糖尿病の予防

糖尿病の予防

糖尿病を予防するためには、生活習慣を見直すことが大切です。

ここでは生活習慣で改善すべきポイントについてご紹介します。

運動習慣を身につける

適度な運動習慣を身につけることで、糖尿病の予防が可能です。

運動で筋肉を動かすとブドウ糖が消費されるとともに、インスリンの効果も高まるため、血糖値の低下が期待できます。その他にも運動は血圧の低下や脂肪燃焼の効果があるので、糖尿病以外の病気の予防にもつながるでしょう。

運動の種類はウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」がおすすめです。少し汗ばむくらいの負荷量で1日30〜60分、週に3〜4回以上を目安に行ってみましょう。

食事の栄養バランスを見直す

食事の栄養バランスを見直すことも大切です。

普段の食事では、以下のようなポイントに気をつけましょう。

  • 三食規則正しく食べる

  • 間食はなるべく控える

  • 甘いもの、脂っこいもの、味が濃いものは食べ過ぎない

  • 野菜を積極的に食べる

間食(おやつ)は頻繁に食べると血糖値が高まりやすくなるので、少量におさえましょう。脂っこいもの、味が濃いものを頻繁に食べると血糖値が上昇するだけでなく、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすリスクが高まります。しょうゆやソースといった調味料も控えめにして、薄味を心がけましょう。

喫煙・飲酒を控える

喫煙は活動に必要な「交感神経」を刺激して血糖値を上昇させるほか、インスリンの効果を低下させます。喫煙習慣がある方は、ぜひこの機会に禁煙にチャレンジしてみましょう。

飲酒は適切な量であれば糖尿病の予防が期待されますが、過度のアルコール摂取はインスリンの分泌低下につながります
その他にも、喫煙・多量の飲酒は脳卒中や虚血性心疾患などの病気のリスクも高くなるといわれています。お酒を飲むときは、1日あたり20〜25g程度のアルコール量(ビール中瓶一本、日本酒一合)にとどめておきましょう。

まとめ

糖尿病にはいくつかの基準があり、それらを満たすことで糖尿病と診断されます。また糖尿病予備軍でもある境界型にも診断基準が設けられています。

境界型から糖尿病へ進行しないためにも、運動習慣をつけたり、食生活を整えたりして予防に努めることが大切です。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断基準

「糖尿病」という言葉自体は知っていても、実際に糖尿病とはどのような体の状態を指すのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

まずは、糖尿病の診断基準についてみていきましょう。

糖尿病の3つの基準

日本糖尿病学会が発行する糖尿病診療ガイドラインによると、糖尿病の診断基準には以下の3種類があります。

  • 糖尿病検査の実施

  • 糖尿病検査と慢性高血糖症状の有無

  • 既往歴での判断

それぞれの診断基準について詳しく解説していきます。

糖尿病検査の実施

糖尿病検査を2回実施し、以下のどちらかが2回以上認められた場合に糖尿病と診断されます。

  • 空腹時の血糖値が126mg/dl以上、食後の血糖値が200mg/dl以上

  • HbA1cが6.5%以上                                           ※2回の検査のうち、1回は必ず血糖値で確認をすること"} -->

血糖値とは血液内のブドウ糖の濃度を計測する値のことです。血糖値の正常範囲は、空腹時で100mg/dl未満食後で140mg/dlといわれています。

HbA1cとは、赤血球内にあるタンパク質の一つで、血液中のブドウ糖とくっついた「糖化ヘモグロビン」の割合を示すものです。HbA1c の正常範囲は6.0%未満といわれています。

糖尿病検査と慢性高血糖症状の有無

上記①血糖値の基準に加えて、以下の条件のうち1つが当てはまる場合に糖尿病と診断されます。

  • 口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の症状がある

  • 糖尿病網膜症が認められている

糖尿病網膜症とは、糖尿病の進行によって合併する網膜の障害です。
網膜に栄養や酸素を送っている毛細血管が糖尿病の影響でもろくなることで、視力の低下、失明などの症状を引き起こします。この糖尿病網膜症は「糖尿病性腎症」「糖尿病神経障害」とあわせて、糖尿病の三大合併症と呼ばれることもあります。

③既往歴での判断

現在の血糖値が基準以下だとしても、過去に①または②の条件を満たしたことがある場合、糖尿病として診断されます。

これは過去に糖尿病を持っていると、慢性的な合併症を今後引き起こす危険性があるからです。そのため、現在の血糖値が問題なくとも糖尿病として対応し、慢性合併症の予防・治療を行います。

糖尿病患者数の増加

厚生労働省によると、糖尿病を抱えている方、もしくは糖尿病の疑いのある方は約2000万人以上いるといわれています。

また糖尿病患者数の増加は日本だけでなく、世界全体でも大きな問題となっています。WHOによると、世界全体の糖尿病患者数は約3億5000万人以上、さらに今後20年間で倍増するといわれています。

糖尿病患者が増えている原因としては、以下のような点が挙げられます。

  • 食生活の変化(外食や間食の機会の増加)

  • 高齢者の増加

  • 新型コロナウイルスの影響などによる運動不足   など

今後日本だけでなく、世界全体の課題として、糖尿病の予防に努めることが求められます。

糖尿病の境界型

糖尿病の境界型

糖尿病患者だけでなく、「境界型糖尿病」と呼ばれる方も増加傾向にあります。

ここでは、境界型糖尿病について詳しく解説します。

境界型糖尿病とは

境界型糖尿病とは、糖尿病と診断されるほどではないものの、正常よりも血糖値が高い方を指す状態です。つまり境界型糖尿病は「糖尿病予備軍」ともいえます

境界型糖尿病の基準はHbA1cが6.5%未満に加えて、以下のいずれかの点を満たしている方に当てはまります。

  • 空腹時の血糖値が110〜125mg/dl

  • 75g経口ブドウ糖負荷試験をして2時間後の血糖値が140〜199mg/dl

75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは、糖尿病の有無を評価する検査の一つです。75gのブドウ糖がふくまれている水を飲んだ後の血糖値の変動を測定します。

境界型糖尿病の方は平成28年の段階で日本に約1000万人いるとされており、平成9年から10年間は右肩上がりで増加していました。
この数字はあくまでも推計であり、確実な数値とはいえないため、さらに多くの境界型糖尿病の方が潜んでいる可能性もあります。

境界型糖尿病を悪化させる原因

境界型糖尿病といわれた方は、糖尿病へと進行しないように、予防に努めることが重要です。

境界型糖尿病を悪化させる原因として、以下のような点が挙げられます。

  • 加齢

  • BMIの増加

  • 運動不足

  • 高血圧

  • 喫煙

  • 飲酒

  • ストレス

  • 遺伝的な問題   など

このように、糖尿病の発症リスクは環境面での原因が多いことがわかります。

加齢による変化や生活習慣病の乱れはインスリンの効果が効きにくくなり、血糖値の上昇につながります。年齢や遺伝的な問題は解決できませんが、その他の原因は生活習慣を改善すれば対処は十分に可能です。
ぜひ自分の生活習慣を見直して、糖尿病の発症リスクの軽減に努めてみましょう。

糖尿病の予防

糖尿病の予防

糖尿病を予防するためには、生活習慣を見直すことが大切です。

ここでは生活習慣で改善すべきポイントについてご紹介します。

運動習慣を身につける

適度な運動習慣を身につけることで、糖尿病の予防が可能です。

運動で筋肉を動かすとブドウ糖が消費されるとともに、インスリンの効果も高まるため、血糖値の低下が期待できます。その他にも運動は血圧の低下や脂肪燃焼の効果があるので、糖尿病以外の病気の予防にもつながるでしょう。

運動の種類はウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」がおすすめです。少し汗ばむくらいの負荷量で1日30〜60分、週に3〜4回以上を目安に行ってみましょう。

食事の栄養バランスを見直す

食事の栄養バランスを見直すことも大切です。

普段の食事では、以下のようなポイントに気をつけましょう。

  • 三食規則正しく食べる

  • 間食はなるべく控える

  • 甘いもの、脂っこいもの、味が濃いものは食べ過ぎない

  • 野菜を積極的に食べる

間食(おやつ)は頻繁に食べると血糖値が高まりやすくなるので、少量におさえましょう。脂っこいもの、味が濃いものを頻繁に食べると血糖値が上昇するだけでなく、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすリスクが高まります。しょうゆやソースといった調味料も控えめにして、薄味を心がけましょう。

喫煙・飲酒を控える

喫煙は活動に必要な「交感神経」を刺激して血糖値を上昇させるほか、インスリンの効果を低下させます。喫煙習慣がある方は、ぜひこの機会に禁煙にチャレンジしてみましょう。

飲酒は適切な量であれば糖尿病の予防が期待されますが、過度のアルコール摂取はインスリンの分泌低下につながります
その他にも、喫煙・多量の飲酒は脳卒中や虚血性心疾患などの病気のリスクも高くなるといわれています。お酒を飲むときは、1日あたり20〜25g程度のアルコール量(ビール中瓶一本、日本酒一合)にとどめておきましょう。

まとめ

糖尿病にはいくつかの基準があり、それらを満たすことで糖尿病と診断されます。また糖尿病予備軍でもある境界型にも診断基準が設けられています。

境界型から糖尿病へ進行しないためにも、運動習慣をつけたり、食生活を整えたりして予防に努めることが大切です。

甲斐沼 孟先生
甲斐沼 孟
(上場企業産業医)
医師のコメント

実際の診療場面において、糖尿病を現実的に診断するうえでは、一般的な血液検査を実践して本疾患に関連している主要な採血項目値を測ることになります。具体的には、HbA1c(呼び方:ヘモグロビンA1c)と呼ばれる採血項目があり、この値は採血する前の過去1~2ヵ月間の血糖状態を反映する指標項目と認識されています。採血項目で得られたHbA1cの測定値が6.5パーセント以上と確認された場合には、「糖尿病型」と判定されます。

医師のコメント

甲斐沼 孟先生
甲斐沼 孟
(上場企業産業医)

実際の診療場面において、糖尿病を現実的に診断するうえでは、一般的な血液検査を実践して本疾患に関連している主要な採血項目値を測ることになります。具体的には、HbA1c(呼び方:ヘモグロビンA1c)と呼ばれる採血項目があり、この値は採血する前の過去1~2ヵ月間の血糖状態を反映する指標項目と認識されています。採血項目で得られたHbA1cの測定値が6.5パーセント以上と確認された場合には、「糖尿病型」と判定されます。

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