この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。
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デリケートな悩みであり、なかなか人に相談しにくい病気のひとつに「痔」があります。実は日本人の2人に1人、もしくは3人に1人が経験すると言われている痔。
最近では女性の過度なダイエットや下剤の乱用なども痔の発症につながると、警鐘を鳴らす肛門科医師も多く存在します。痔の症状については案外、あなたの身近なところでも人知れず悩んでいる人がいるかも知れません。
今回はそんな痔について、症状や治療法、治療にかかる費用等を医師監修のもと詳しく解説していきます。
デリケートな悩みであり、なかなか人に相談しにくい病気のひとつに「痔」があります。実は日本人の2人に1人、もしくは3人に1人が経験すると言われている痔。
最近では女性の過度なダイエットや下剤の乱用なども痔の発症につながると、警鐘を鳴らす肛門科医師も多く存在します。痔の症状については案外、あなたの身近なところでも人知れず悩んでいる人がいるかも知れません。
今回はそんな痔について、症状や治療法、治療にかかる費用等を医師監修のもと詳しく解説していきます。
痔とは
お尻から血が出る症状として認識されているであろう痔という言葉、実は肛門の病気の総称として使われます。
ちなみに肛門=お尻の穴、ではなく、肛門はお尻の穴の縁から3~4cmの管状の部分を指し、お尻の穴は解剖学的には肛門縁と呼ばれます。
つまり痔は、お尻の穴よりも数センチ内側の管で生じる病気、という捉え方が正しい解釈となることは覚えておきましょう。
有病率は男女に大きな差はなく、年齢層としては45~65歳に多くみられます。
(参考 /肛門疾患診療ガイドライン2014年判)
痔の種類と症状
痔は大きく分けて 以下の3種類があります。
いぼ痔
切れ痔
痔ろう
このうち、一般的に多いのはいぼ痔と切れ痔と言われています。
痔は痛いもの、というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は全ての痔に痛みを伴う訳でなく、痛みを感じない痔もあります。
そういった部分も含め、以下でそれぞれの痔の症状についてお話します。
いぼ痔
肛門にいぼ状の腫れが出来ることをいぼ痔と言います。
いぼ痔は2種類あり、直腸と肛門の境目にある歯状線より内側に出来るものが内痔核、外側に出来るものを外痔核と呼ばれます。これらは症状に関しても違いがあります。
いずれも排便時の負荷で腫れが破れ出血するというメカニズムですが、内痔核は周りに知覚神経が存在しないため、軽症の場合は出血の割に痛みを全く感じないというケースも少なくありません。
ただ、症状が重くなるといぼが肛門の外に出てくる脱肛がみられるようになり痛みが現れます。
外痔核については出血量自体は少ないものの腫れや痛みを伴いやすく、炎症により血栓ができ大きく腫れた場合は痛みも強くなります。
切れ痔
肛門の出口付近の皮膚が切れ出血した場合は、切れ痔と呼ばれます。
切れ痔は硬い便が肛門を通過する際や下痢で勢いよく排便する際などで負荷に耐えられず肛門上皮が破れることで発症します。切れ痔は男女比では女性に多いとされていますが、その理由は便秘に関係していると言われています。
便秘を発端とした切れ痔は何度も繰り返しやすく、しっかりと治るまでには時間がかかるかも知れません。
痔ろう
肛門周囲に膿が溜まり、それが慢性化すると直腸と肛門周囲をつなぐ皮膚の部分にトンネル状ができ肛門の内外を貫通します。これが痔ろうです。
ストレスやアルコール摂取による下痢が原因で生じやすいと言われており、男性にみられやすい痔です。
症状としては38℃以上の発熱や重だるいような強い痛み、異物感、腫れなどがみられ、基本的には手術適応となります。
痔の原因
痔が生じるメカニズムはそれぞれのタイプによって異なりますが、その原因は以下のようなことが挙げられます。
排便時のいきみ
長時間の座位姿勢
刺激物やアルコール過剰摂取による下痢
冷えなどによる肛門への負担
いずれにせよ、肛門付近の筋肉や粘膜に過度な刺激が加わることで痔が発症すると考えて頂ければ差し障りないかと思います。
予防という観点で言えば、以下を心がけるようにすると良いでしょう。
便秘の際は無理に排便しようとせず薬などの力も借りる
長時間の座位は控える、円座等を活用し負担を減らす
刺激物やアルコールは無理のかからない範囲に留めておく
冷えに弱い方は腰やお腹周りを保温する
今現在痔の症状がない方でも原因として挙げた項目に心当たりがある方は日頃から予防を心掛けましょう。
自分でできる痔の対処法について
痔の症状として多いのは以下の3点です。
痛み
出血
脱腸
症状がごく軽微であった場合はご自宅で様子を見るという選択をされる方が多いのではないでしょうか。まず、痛みがあった場合は横になってしばらく安静にします。
いぼ痔や切れ痔は温めると症状が楽になり、痔ろうは冷やすと楽になりやすいと言われています。まずは温めて様子をみてみましょう。
逆に痛みが強まるようなら痔ろうである可能性があるため、症状が軽いとしても病院を受診するべきです。
出血については色や量によって判断します。トイレットペーパーやコットンで拭いてもぬぐい切れないくらい出血量が多かったり、黒ずんだ血が混じっているようであれば迷わず病院を受診しましょう。場合によっては大腸がん等の可能性もゼロではありません。
脱腸が見られる場合は肛門をきれいにした後にゆっくりと指で押し戻してください。ただ、決して無理に押しこもうとせず、上手く戻らないようであれば病院を受診してください。
また、脱腸の頻度が多い場合も一度病院で診てもらうことをおすすめします。
痔の治療と費用
ここからは、痔の治療に関してお話していきます。
症状によっては病院受診の必要性がそこまで高くないケースもありますし、逆に自覚症状は少なくても病院を受診するべきケースもあります。
ご自身の症状で病院を受診するべきか悩んでいる方は是非ご参考ください。
病院で治療が必要な痔とは
確実に病院での治療が必要となる痔は痔ろうです。
痔ろうの治療は基本的に手術が必要になるため、症状自体が軽かったとしても病院受診は必須になります。当然のことながら症状が悪化すればそれだけ治療にも手間がかかりますので、怪しいと思ったら出来るだけ早く受診しましょう。
また、いぼ痔や切れ痔に関しても痛みや出血の程度如何では受診が必要になります。
軽い症状であれば安静にしながら市販の薬等を使用することで症状が改善する場合も多いので、痛みや出血が強くない場合はご自宅で様子をみても良いかと思いますが、症状が長引く、あるいはひどくなるといった兆候がみられるようであれば早めに受診しましょう。
脱腸の症状についても同様です。
痔の治療
病院で行われる痔の治療は保存療法・手術療法のいずれかが選択されます。
日常生活で差し障りない程度の症状である場合、いぼ痔や切れ痔は保存療法が多く選択されます。
保存療法では日常生活での注意点に関する指導や内服薬、塗布薬等の処方が中心です。
一方、痔ろうが疑われる症状は初期の膿が溜まっているだけの状態であれば膿を除去する処置のみで30~50%は治癒していきますが、それ以上の症状に関しては手術療法の適応となります。
いぼ痔や切れ痔も日常生活に支障が出るレベルであれば痔が出来ている部位を切除する手術を行います。
痔の治療費
痔の治療費の目安は以下の通りです。
痔の治療費(3割負担の場合・薬代含む)
初診費:検査費用等含め数千円程度
再診費:2000円程度~
手術費:数万円程度~(医療保険適応外に手術に関しては10割負担)
初診や再診費用は他の診療科と同額程度で、入院が必要な場合は別途入院費用が必要になります。
手術に関しても医療保険適応のものであれば数万円の自己負担で済むケースがほとんどですが、自費のみに対応している手術もあるため注意しましょう。
尚、上記の治療費に関しては症状や治療法によっても異なりますので詳しくは受診される医療機関にお問い合わせください。
まとめ
痔は、日本人の2~3人に1人にみられるといわれているほど、メジャーな症状の一つです。
いぼ痔や切れ痔については、症状が軽ければ自然治癒したり、市販の薬で治ることもありますが、症状が長引いたり、悪化する場合には早めに医療機関を受診しましょう。
また痔ろうの場合は、病院での処置が必要となるため、気づいた段階ですぐに受診が必要です。
痔とは
お尻から血が出る症状として認識されているであろう痔という言葉、実は肛門の病気の総称として使われます。
ちなみに肛門=お尻の穴、ではなく、肛門はお尻の穴の縁から3~4cmの管状の部分を指し、お尻の穴は解剖学的には肛門縁と呼ばれます。
つまり痔は、お尻の穴よりも数センチ内側の管で生じる病気、という捉え方が正しい解釈となることは覚えておきましょう。
有病率は男女に大きな差はなく、年齢層としては45~65歳に多くみられます。
(参考 /肛門疾患診療ガイドライン2014年判)
痔の種類と症状
痔は大きく分けて 以下の3種類があります。
いぼ痔
切れ痔
痔ろう
このうち、一般的に多いのはいぼ痔と切れ痔と言われています。
痔は痛いもの、というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は全ての痔に痛みを伴う訳でなく、痛みを感じない痔もあります。
そういった部分も含め、以下でそれぞれの痔の症状についてお話します。
いぼ痔
肛門にいぼ状の腫れが出来ることをいぼ痔と言います。
いぼ痔は2種類あり、直腸と肛門の境目にある歯状線より内側に出来るものが内痔核、外側に出来るものを外痔核と呼ばれます。これらは症状に関しても違いがあります。
いずれも排便時の負荷で腫れが破れ出血するというメカニズムですが、内痔核は周りに知覚神経が存在しないため、軽症の場合は出血の割に痛みを全く感じないというケースも少なくありません。
ただ、症状が重くなるといぼが肛門の外に出てくる脱肛がみられるようになり痛みが現れます。
外痔核については出血量自体は少ないものの腫れや痛みを伴いやすく、炎症により血栓ができ大きく腫れた場合は痛みも強くなります。
切れ痔
肛門の出口付近の皮膚が切れ出血した場合は、切れ痔と呼ばれます。
切れ痔は硬い便が肛門を通過する際や下痢で勢いよく排便する際などで負荷に耐えられず肛門上皮が破れることで発症します。切れ痔は男女比では女性に多いとされていますが、その理由は便秘に関係していると言われています。
便秘を発端とした切れ痔は何度も繰り返しやすく、しっかりと治るまでには時間がかかるかも知れません。
痔ろう
肛門周囲に膿が溜まり、それが慢性化すると直腸と肛門周囲をつなぐ皮膚の部分にトンネル状ができ肛門の内外を貫通します。これが痔ろうです。
ストレスやアルコール摂取による下痢が原因で生じやすいと言われており、男性にみられやすい痔です。
症状としては38℃以上の発熱や重だるいような強い痛み、異物感、腫れなどがみられ、基本的には手術適応となります。
痔の原因
痔が生じるメカニズムはそれぞれのタイプによって異なりますが、その原因は以下のようなことが挙げられます。
排便時のいきみ
長時間の座位姿勢
刺激物やアルコール過剰摂取による下痢
冷えなどによる肛門への負担
いずれにせよ、肛門付近の筋肉や粘膜に過度な刺激が加わることで痔が発症すると考えて頂ければ差し障りないかと思います。
予防という観点で言えば、以下を心がけるようにすると良いでしょう。
便秘の際は無理に排便しようとせず薬などの力も借りる
長時間の座位は控える、円座等を活用し負担を減らす
刺激物やアルコールは無理のかからない範囲に留めておく
冷えに弱い方は腰やお腹周りを保温する
今現在痔の症状がない方でも原因として挙げた項目に心当たりがある方は日頃から予防を心掛けましょう。
自分でできる痔の対処法について
痔の症状として多いのは以下の3点です。
痛み
出血
脱腸
症状がごく軽微であった場合はご自宅で様子を見るという選択をされる方が多いのではないでしょうか。まず、痛みがあった場合は横になってしばらく安静にします。
いぼ痔や切れ痔は温めると症状が楽になり、痔ろうは冷やすと楽になりやすいと言われています。まずは温めて様子をみてみましょう。
逆に痛みが強まるようなら痔ろうである可能性があるため、症状が軽いとしても病院を受診するべきです。
出血については色や量によって判断します。トイレットペーパーやコットンで拭いてもぬぐい切れないくらい出血量が多かったり、黒ずんだ血が混じっているようであれば迷わず病院を受診しましょう。場合によっては大腸がん等の可能性もゼロではありません。
脱腸が見られる場合は肛門をきれいにした後にゆっくりと指で押し戻してください。ただ、決して無理に押しこもうとせず、上手く戻らないようであれば病院を受診してください。
また、脱腸の頻度が多い場合も一度病院で診てもらうことをおすすめします。
痔の治療と費用
ここからは、痔の治療に関してお話していきます。
症状によっては病院受診の必要性がそこまで高くないケースもありますし、逆に自覚症状は少なくても病院を受診するべきケースもあります。
ご自身の症状で病院を受診するべきか悩んでいる方は是非ご参考ください。
病院で治療が必要な痔とは
確実に病院での治療が必要となる痔は痔ろうです。
痔ろうの治療は基本的に手術が必要になるため、症状自体が軽かったとしても病院受診は必須になります。当然のことながら症状が悪化すればそれだけ治療にも手間がかかりますので、怪しいと思ったら出来るだけ早く受診しましょう。
また、いぼ痔や切れ痔に関しても痛みや出血の程度如何では受診が必要になります。
軽い症状であれば安静にしながら市販の薬等を使用することで症状が改善する場合も多いので、痛みや出血が強くない場合はご自宅で様子をみても良いかと思いますが、症状が長引く、あるいはひどくなるといった兆候がみられるようであれば早めに受診しましょう。
脱腸の症状についても同様です。
痔の治療
病院で行われる痔の治療は保存療法・手術療法のいずれかが選択されます。
日常生活で差し障りない程度の症状である場合、いぼ痔や切れ痔は保存療法が多く選択されます。
保存療法では日常生活での注意点に関する指導や内服薬、塗布薬等の処方が中心です。
一方、痔ろうが疑われる症状は初期の膿が溜まっているだけの状態であれば膿を除去する処置のみで30~50%は治癒していきますが、それ以上の症状に関しては手術療法の適応となります。
いぼ痔や切れ痔も日常生活に支障が出るレベルであれば痔が出来ている部位を切除する手術を行います。
痔の治療費
痔の治療費の目安は以下の通りです。
痔の治療費(3割負担の場合・薬代含む)
初診費:検査費用等含め数千円程度
再診費:2000円程度~
手術費:数万円程度~(医療保険適応外に手術に関しては10割負担)
初診や再診費用は他の診療科と同額程度で、入院が必要な場合は別途入院費用が必要になります。
手術に関しても医療保険適応のものであれば数万円の自己負担で済むケースがほとんどですが、自費のみに対応している手術もあるため注意しましょう。
尚、上記の治療費に関しては症状や治療法によっても異なりますので詳しくは受診される医療機関にお問い合わせください。
まとめ
痔は、日本人の2~3人に1人にみられるといわれているほど、メジャーな症状の一つです。
いぼ痔や切れ痔については、症状が軽ければ自然治癒したり、市販の薬で治ることもありますが、症状が長引いたり、悪化する場合には早めに医療機関を受診しましょう。
また痔ろうの場合は、病院での処置が必要となるため、気づいた段階ですぐに受診が必要です。
甲斐沼 孟
(上場企業産業医)
医師のコメント
いぼ痔は日本人の中で頻度的に多く罹患する疾患です。痔はやはり人にいうのが恥ずかしいですね。放っておいて自然に治せるものなら治してしまいたいものです。いぼ痔はどれくらいで治るのか、治った後の注意点なども気になるところです。どの程度のいぼ痔は自宅においてセルフケアで対処できて、どのようないぼ痔は病院での治療が必要になるかについて解説します。いぼ痔は肛門にいぼのようなものができた状態です。このいぼのことを「痔核」といいます。いぼ痔は日本人の中で最も多い痔で、密かに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。直腸の粘膜と肛門の皮膚の境目のことを歯状線と言います。この歯状線の口側(直腸粘膜部)にできるか、肛門側(肛門の皮膚)にできるかでいぼ痔の名称は異なります。
口側にできるいぼ痔は「内痔核」と呼びます。粘膜に痔核が生じますが、粘膜には痛みを感じる知覚神経がないため、痛みを生じないことが特徴です。ただし内痔核は出血量が比較的多くなります。排便時に出血を生じ、軽くトイレットペーパーに付着する程度から便器が真っ赤になってしまうくらいまで出血することもあります。直腸粘膜に生じた内痔核が排便時に肛門の外まで出てくることもあり、症状が進むと出たままにもなります。
外側にできるいぼ痔は「外痔核」と呼びます。肛門の皮膚に痔核が生じます。肛門の皮膚には痛みを感じる知覚神経があるため、痛みを生じます。一方で内痔核とは異なり、出血することはあまりありません。
内痔核、外痔核ともに肛門に負担が生じることで発生します。排便時に力んだり、便秘や下痢気味だったり、アルコールを多く摂取したり、野菜をあまり食べないなどの理由により肛門に負担が生じると周辺の血流がうっ滞(うっ血)して腫れが生じることで痔核が形成されます。外痔核は肛門の外側にあるため、症状が進行するサインは痔核が大きくなることと、それに伴う痛みや出血の増大です。比較的治療をしやすい、いぼ痔でもあります。いぼ痔は内痔核、外痔核ともに小さかったり気にならなかったりするからといって放置すると症状が進行することがあります。外痔核は一概には言えませんが、内痔核においてはできるだけ初期の段階で治療してしまいたいものです。この段階ならば生活習慣の改善と市販薬によるセルフケアで治療することができます。しかし放置してしまった結果、外痔核が大きくなりすぎたり内痔核が進行すると痔核専門の医療機関での治療が必要となります。
内痔核ならば、排便時に出てきた痔核が自然に元に戻らなくなった時、また外痔核ならばセルフケアをしているのになかなか治らなかったり、痔核によりおしりに不快感が生じたりしたら消化器内科や消化器外科、肛門科を標榜している病院で診察を受ける目安となります。専門医療機関で広く行われているいぼ痔の治療は、切除によるものが一般的です。
医師のコメント
甲斐沼 孟
(上場企業産業医)
いぼ痔は日本人の中で頻度的に多く罹患する疾患です。痔はやはり人にいうのが恥ずかしいですね。放っておいて自然に治せるものなら治してしまいたいものです。いぼ痔はどれくらいで治るのか、治った後の注意点なども気になるところです。どの程度のいぼ痔は自宅においてセルフケアで対処できて、どのようないぼ痔は病院での治療が必要になるかについて解説します。いぼ痔は肛門にいぼのようなものができた状態です。このいぼのことを「痔核」といいます。いぼ痔は日本人の中で最も多い痔で、密かに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。直腸の粘膜と肛門の皮膚の境目のことを歯状線と言います。この歯状線の口側(直腸粘膜部)にできるか、肛門側(肛門の皮膚)にできるかでいぼ痔の名称は異なります。
口側にできるいぼ痔は「内痔核」と呼びます。粘膜に痔核が生じますが、粘膜には痛みを感じる知覚神経がないため、痛みを生じないことが特徴です。ただし内痔核は出血量が比較的多くなります。排便時に出血を生じ、軽くトイレットペーパーに付着する程度から便器が真っ赤になってしまうくらいまで出血することもあります。直腸粘膜に生じた内痔核が排便時に肛門の外まで出てくることもあり、症状が進むと出たままにもなります。
外側にできるいぼ痔は「外痔核」と呼びます。肛門の皮膚に痔核が生じます。肛門の皮膚には痛みを感じる知覚神経があるため、痛みを生じます。一方で内痔核とは異なり、出血することはあまりありません。
内痔核、外痔核ともに肛門に負担が生じることで発生します。排便時に力んだり、便秘や下痢気味だったり、アルコールを多く摂取したり、野菜をあまり食べないなどの理由により肛門に負担が生じると周辺の血流がうっ滞(うっ血)して腫れが生じることで痔核が形成されます。外痔核は肛門の外側にあるため、症状が進行するサインは痔核が大きくなることと、それに伴う痛みや出血の増大です。比較的治療をしやすい、いぼ痔でもあります。いぼ痔は内痔核、外痔核ともに小さかったり気にならなかったりするからといって放置すると症状が進行することがあります。外痔核は一概には言えませんが、内痔核においてはできるだけ初期の段階で治療してしまいたいものです。この段階ならば生活習慣の改善と市販薬によるセルフケアで治療することができます。しかし放置してしまった結果、外痔核が大きくなりすぎたり内痔核が進行すると痔核専門の医療機関での治療が必要となります。
内痔核ならば、排便時に出てきた痔核が自然に元に戻らなくなった時、また外痔核ならばセルフケアをしているのになかなか治らなかったり、痔核によりおしりに不快感が生じたりしたら消化器内科や消化器外科、肛門科を標榜している病院で診察を受ける目安となります。専門医療機関で広く行われているいぼ痔の治療は、切除によるものが一般的です。
事例の紹介
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