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この記事はメディコレ監修医師による監修済みです。
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健康診断の項目のうち、LDLコレステロール値の異常というのは、非常に多くの方にみられるものの1つです。
LDLコレステロールの異常値は大きな病気の引き金になることもありますが、日常生活習慣を少し変えるだけで、数値の改善が期待できます。
この記事では医師監修のもと、LDLコレステロールとは何か、そしてLDLコレステロールを改善するために必要なことを詳しく解説していきます。
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健康診断の項目のうち、LDLコレステロール値の異常というのは、非常に多くの方にみられるものの1つです。
LDLコレステロールの異常値は大きな病気の引き金になることもありますが、日常生活習慣を少し変えるだけで、数値の改善が期待できます。
この記事では医師監修のもと、LDLコレステロールとは何か、そしてLDLコレステロールを改善するために必要なことを詳しく解説していきます。
LDLコレステロールとは?

LDLコレステロール(Low Density Lipoprotein cholesterol:低比重リポタンパク質コレステロール)は、別名「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。
このLDLコレステロールは増えすぎると血管の壁にくっつき動脈硬化を起こす原因となります。
LDLコレステロール値の異常を含む脂質異常症は、日本において高血圧、歯科関連疾患に続く第3位の患者数で、2020年の調査では401万人いると推計されています。この調査は3年毎に実施されていますが、前回の2017年調査では220.5万人であり、3年間で約1.8倍増加したことが分かります。
コレステロールとは?
そもそもコレステロールとは一体なんでしょうか。
コレステロールとは脂質の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料となる体に必要なものです。
「コレステロール」と聞くと体に悪いものというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、私たちの体は一定量のコレステロールがなければ正常な体の働きを保つことはできません。
ただしコレステロールの量が多すぎたり少なすぎたり、またコレステロール値のバランスがとれてなかったりすると、動脈硬化などの疾患を発症するリスクが高まるといわれています。
LDLコレステロールの基準値
LDLコレステロールの基準値は、一般的に70mg/dl~119mg/dlとされています。この基準値を外れた場合は、以下の通りに診断されます。
70mg/dl 未満:低LDLコレステロール血症
140mg/dl 以上:高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dl:境界域高LDLコレステロール血症
境界域高LDLコレステロール血症の場合は、動脈硬化疾患を起こす他の危険因子が重複して存在しているかを考慮して、治療の必要性が決定されます。
LDLコレステロールが異常値だとどうなる?
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LDLコレステロールが正常範囲でない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは低値の場合と高値の場合に分けて、それぞれ解説していきます。
LDLコレステロール低値の場合
LDLコレステロールが少なくなる(70mg/dl未満)と、全身にコレステロールを運べなくなり、細胞膜やホルモン、胆汁酸の生成に支障をきたすことがあります。
またバセドウ病などの甲状腺機能亢進症や、肝硬変や肝炎などの肝臓疾患がある場合には、LDLコレステロールの値が低くなることがあるため、一度病院で精密検査を受けることが推奨されます。
LDLコレステロール高値の場合
LDLコレステロールが増える(140mg/dl 以上)と、血管の壁にくっつき動脈硬化の原因となります。
さらに、活性酸素により過酸化脂質となって血管にたまり動脈を狭くしていくことで、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの虚血性疾患を発症するリスクが高まるため、注意が必要です。
LDLコレステロールを下げるには?

前述の通りLDLコレステロールは少なすぎても増えすぎても、体に支障をきたすことがありますが、特に注意したいのは動脈硬化の原因となる高LDLコレステロール血症です。
LDLコレステロールを下げるためには、日頃の生活習慣の改善が欠かせません。ここでは、①体重を減らす ②食生活改善 ③運動習慣の3つに分けて、LDLコレステロールを下げるポイントについて解説していきます。
体重を減らす
最近の調査の中で、やせ型や適性体重の人であってもLDLコレステロールの値が高くなることがあり、LDLコレステロールは必ずしも肥満とは関係がないことが分かっています。
ただし肥満の方は、余分な脂肪を落とすことで、LDLコレステロールの値が下がることもあるため、まずは適正体重を目標にして減量に取り組んでみましょう。
一般的に、適正体重はBMIを用いて算出されます。
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIの値は18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と定義されています。
食生活改善
LDLコレステロールを下げるための食事では、以下の5つのポイントに気をつけましょう。
飽和脂肪酸を多く含む食品を避ける
コレステロールの多い食品を食べ過ぎない
食物繊維を摂取する
抗酸化作用の食品を摂取する
食事の量と時間に気をつける
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
飽和脂肪酸を多く含む食品を避ける
飽和脂肪酸を多く含む食品はコレステロールの合成を促進させるため、できるだけ避けることが望ましいです。具体的には、メインになるおかずを魚や大豆製品にする、肉類を食べる時は脂肪量を減らすといった工夫が必要です。
他にも、マーガリンや工場生産された揚げ物、スナック菓子などの「工業的トランス脂肪酸」もLDLコレステロールを高める原因となるため、控えるようにしましょう。
コレステロールの多い食品を食べ過ぎない
飽和脂肪酸に比べると影響は少ないといわれていますが、コレステロールの多い食品を食べすぎると、血液中のコレステロールの値が上昇するため、食べ過ぎには注意が必要です。
具体的には、卵類やレバー、イカ、エビなどを食べ過ぎないようにしましょう。
食物繊維を摂取する
食物繊維には脂質の吸収を緩やかにする働きがあるため、普段の食事に積極的に取り入れましょう。
食物繊維は、玄米・全粒粉パン・野菜・海藻・きのこ類・こんにゃく・豆類などに多く含まれます。
抗酸化作用の食品を摂取する
LDLコレステロールは、活性酸素により過酸化脂質となって血管にたまり、血管を狭くしていきます。LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、抗酸化作用のある食品を摂取するのが良いといわれています。
具体的には抗酸化作用のある食品として、緑黄色野菜、果物、ナッツ類、緑茶、コーヒーなどが挙げられます。
食事の量と時間に気をつける
食事は朝・昼・晩と1日3回、腹八分目を目安として食べ過ぎないように気をつけましょう。空腹時間が長いと、体脂肪を蓄えやすくなるといわれています。
また寝る前2時間の食事は体脂肪を蓄えやすくなるため、注意しましょう。
運動習慣
LDLコレステロールを下げるためには、中等度以上の有酸素運動を中心に、習慣的に行う(毎日合計30分以上)ことが推奨されています。ただし、心血管疾患や骨関節疾患がある場合は、かかりつけの医師に相談のうえ運動を始めるようにしましょう。
有酸素運動とは長時間継続しておこなえる酸素を必要とする運動で、ウォーキングやスロージョギング(歩くような速さのジョギング)、水泳、サイクリング、エアロビクス、ベンチステップ運動などがあります。
これらの運動を1日30分以上、毎日継続することを目標にしましょう。連続して30分の運動時間を作ることが難しいという場合は、1日の中で何回かに分けてトータル30分の運動でも問題ありません。
まとめ
LDLコレステロールは、基準値より低い場合も高い場合も体に支障をきたすことがあります。
特に成人で良く見られるLDLコレステロール高値は、動脈硬化が進行して狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった虚血性疾患の引き金になることが多く、生命の危機に直面することにもなりかねません。
LDLコレステロールを正常値に戻すためには、日頃の生活習慣の改善が欠かせません。特に食生活はLDLコレステロールの値に大きく影響しますので、ぜひ今日から意識してみましょう。
LDLコレステロールとは?
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LDLコレステロール(Low Density Lipoprotein cholesterol:低比重リポタンパク質コレステロール)は、別名「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。
このLDLコレステロールは増えすぎると血管の壁にくっつき動脈硬化を起こす原因となります。
LDLコレステロール値の異常を含む脂質異常症は、日本において高血圧、歯科関連疾患に続く第3位の患者数で、2020年の調査では401万人いると推計されています。この調査は3年毎に実施されていますが、前回の2017年調査では220.5万人であり、3年間で約1.8倍増加したことが分かります。
コレステロールとは?
そもそもコレステロールとは一体なんでしょうか。
コレステロールとは脂質の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料となる体に必要なものです。
「コレステロール」と聞くと体に悪いものというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、私たちの体は一定量のコレステロールがなければ正常な体の働きを保つことはできません。
ただしコレステロールの量が多すぎたり少なすぎたり、またコレステロール値のバランスがとれてなかったりすると、動脈硬化などの疾患を発症するリスクが高まるといわれています。
LDLコレステロールの基準値
LDLコレステロールの基準値は、一般的に70mg/dl~119mg/dlとされています。この基準値を外れた場合は、以下の通りに診断されます。
70mg/dl 未満:低LDLコレステロール血症
140mg/dl 以上:高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dl:境界域高LDLコレステロール血症
境界域高LDLコレステロール血症の場合は、動脈硬化疾患を起こす他の危険因子が重複して存在しているかを考慮して、治療の必要性が決定されます。
LDLコレステロールが異常値だとどうなる?
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LDLコレステロールが正常範囲でない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは低値の場合と高値の場合に分けて、それぞれ解説していきます。
LDLコレステロール低値の場合
LDLコレステロールが少なくなる(70mg/dl未満)と、全身にコレステロールを運べなくなり、細胞膜やホルモン、胆汁酸の生成に支障をきたすことがあります。
またバセドウ病などの甲状腺機能亢進症や、肝硬変や肝炎などの肝臓疾患がある場合には、LDLコレステロールの値が低くなることがあるため、一度病院で精密検査を受けることが推奨されます。
LDLコレステロール高値の場合
LDLコレステロールが増える(140mg/dl 以上)と、血管の壁にくっつき動脈硬化の原因となります。
さらに、活性酸素により過酸化脂質となって血管にたまり動脈を狭くしていくことで、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの虚血性疾患を発症するリスクが高まるため、注意が必要です。
LDLコレステロールを下げるには?
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前述の通りLDLコレステロールは少なすぎても増えすぎても、体に支障をきたすことがありますが、特に注意したいのは動脈硬化の原因となる高LDLコレステロール血症です。
LDLコレステロールを下げるためには、日頃の生活習慣の改善が欠かせません。ここでは、①体重を減らす ②食生活改善 ③運動習慣の3つに分けて、LDLコレステロールを下げるポイントについて解説していきます。
体重を減らす
最近の調査の中で、やせ型や適性体重の人であってもLDLコレステロールの値が高くなることがあり、LDLコレステロールは必ずしも肥満とは関係がないことが分かっています。
ただし肥満の方は、余分な脂肪を落とすことで、LDLコレステロールの値が下がることもあるため、まずは適正体重を目標にして減量に取り組んでみましょう。
一般的に、適正体重はBMIを用いて算出されます。
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIの値は18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と定義されています。
食生活改善
LDLコレステロールを下げるための食事では、以下の5つのポイントに気をつけましょう。
飽和脂肪酸を多く含む食品を避ける
コレステロールの多い食品を食べ過ぎない
食物繊維を摂取する
抗酸化作用の食品を摂取する
食事の量と時間に気をつける
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
飽和脂肪酸を多く含む食品を避ける
飽和脂肪酸を多く含む食品はコレステロールの合成を促進させるため、できるだけ避けることが望ましいです。具体的には、メインになるおかずを魚や大豆製品にする、肉類を食べる時は脂肪量を減らすといった工夫が必要です。
他にも、マーガリンや工場生産された揚げ物、スナック菓子などの「工業的トランス脂肪酸」もLDLコレステロールを高める原因となるため、控えるようにしましょう。
コレステロールの多い食品を食べ過ぎない
飽和脂肪酸に比べると影響は少ないといわれていますが、コレステロールの多い食品を食べすぎると、血液中のコレステロールの値が上昇するため、食べ過ぎには注意が必要です。
具体的には、卵類やレバー、イカ、エビなどを食べ過ぎないようにしましょう。
食物繊維を摂取する
食物繊維には脂質の吸収を緩やかにする働きがあるため、普段の食事に積極的に取り入れましょう。
食物繊維は、玄米・全粒粉パン・野菜・海藻・きのこ類・こんにゃく・豆類などに多く含まれます。
抗酸化作用の食品を摂取する
LDLコレステロールは、活性酸素により過酸化脂質となって血管にたまり、血管を狭くしていきます。LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、抗酸化作用のある食品を摂取するのが良いといわれています。
具体的には抗酸化作用のある食品として、緑黄色野菜、果物、ナッツ類、緑茶、コーヒーなどが挙げられます。
食事の量と時間に気をつける
食事は朝・昼・晩と1日3回、腹八分目を目安として食べ過ぎないように気をつけましょう。空腹時間が長いと、体脂肪を蓄えやすくなるといわれています。
また寝る前2時間の食事は体脂肪を蓄えやすくなるため、注意しましょう。
運動習慣
LDLコレステロールを下げるためには、中等度以上の有酸素運動を中心に、習慣的に行う(毎日合計30分以上)ことが推奨されています。ただし、心血管疾患や骨関節疾患がある場合は、かかりつけの医師に相談のうえ運動を始めるようにしましょう。
有酸素運動とは長時間継続しておこなえる酸素を必要とする運動で、ウォーキングやスロージョギング(歩くような速さのジョギング)、水泳、サイクリング、エアロビクス、ベンチステップ運動などがあります。
これらの運動を1日30分以上、毎日継続することを目標にしましょう。連続して30分の運動時間を作ることが難しいという場合は、1日の中で何回かに分けてトータル30分の運動でも問題ありません。
まとめ
LDLコレステロールは、基準値より低い場合も高い場合も体に支障をきたすことがあります。
特に成人で良く見られるLDLコレステロール高値は、動脈硬化が進行して狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった虚血性疾患の引き金になることが多く、生命の危機に直面することにもなりかねません。
LDLコレステロールを正常値に戻すためには、日頃の生活習慣の改善が欠かせません。特に食生活はLDLコレステロールの値に大きく影響しますので、ぜひ今日から意識してみましょう。
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甲斐沼 孟
(上場企業産業医)
医師のコメント
日本心臓財団によれば、コレステロール値が高い場合や脂質異常症と診断された際には、動脈硬化に関連する疾患を予防するために日々の生活習慣の改善をすることが推奨されています。
具体的には、禁煙する、過食に注意する、適正体重を維持する、魚や緑黄色野菜、海藻、大豆製品などの摂取量を増やす、アルコールの過剰摂取を控える、毎日合計30分以上を目標に有酸素運動を実践するなどが勧められます。
脂質異常症の治療は、このような生活習慣の改善が基本となりますが、それで十分な改善が認められないケースでは薬物治療が検討されることになります。
医師のコメント
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甲斐沼 孟
(上場企業産業医)
日本心臓財団によれば、コレステロール値が高い場合や脂質異常症と診断された際には、動脈硬化に関連する疾患を予防するために日々の生活習慣の改善をすることが推奨されています。
具体的には、禁煙する、過食に注意する、適正体重を維持する、魚や緑黄色野菜、海藻、大豆製品などの摂取量を増やす、アルコールの過剰摂取を控える、毎日合計30分以上を目標に有酸素運動を実践するなどが勧められます。
脂質異常症の治療は、このような生活習慣の改善が基本となりますが、それで十分な改善が認められないケースでは薬物治療が検討されることになります。
事例の紹介
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