毎年夏になると熱中症による健康被害が大きな話題になりますが、今年も39度を超える地点も出るなど、まさに“災害級”の暑さが続いています。
2023年7月31日には2023年6月20日〜7月27日の間に、熱中症の疑いで亡くなった人は、東京23区で73人というショッキングなニュースも報じられました。
(参考:https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000309653.html)
報道によると、亡くなった73人の89%にあたる65人は屋内で発見され、エアコンが設置されているのにつけていなかった人は39人だったそうです。
時には命を奪う熱中症ですが、少しでも被害を少なくしようと熱中症に関する研究が進んでいるのはご存知ですか?
この記事では、最近発表された、パーソナライズ、つまり1人1人に合わせた熱中症対策について紹介します。
毎年夏になると熱中症による健康被害が大きな話題になりますが、今年も39度を超える地点も出るなど、まさに“災害級”の暑さが続いています。
2023年7月31日には2023年6月20日〜7月27日の間に、熱中症の疑いで亡くなった人は、東京23区で73人というショッキングなニュースも報じられました。
(参考:https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000309653.html)
報道によると、亡くなった73人の89%にあたる65人は屋内で発見され、エアコンが設置されているのにつけていなかった人は39人だったそうです。
時には命を奪う熱中症ですが、少しでも被害を少なくしようと熱中症に関する研究が進んでいるのはご存知ですか?
この記事では、最近発表された、パーソナライズ、つまり1人1人に合わせた熱中症対策について紹介します。
熱中症とは
そもそも熱中症とはなんでしょうか?
熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。
熱中症3つの要因
熱中症は、さまざまな要因により引き起こされますが、大きな要因として「環境」「体」「行動」の3つが挙げられます。
それぞれの要因について詳しくみていきましょう。
要因①「環境」
熱中症を引き起こしやすくする1つ目の要因は「環境」です。
以下のような環境にいる場合は、特に熱中症を引き起こさないように十分注意が必要です。
気温が高い
湿度が高い
風が弱い
日差しが強い
閉め切った室内
エアコンがない
急に暑くなった日
熱波の襲来
要因②「体」
熱中症を引き起こしやすくする1つ目の要因は「環境」です。
以下のような環境にいる場合は、特に熱中症を引き起こさないように十分注意が必要です。
高齢者、乳幼児、肥満
持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など)
低栄養状態
脱水状態
体調不良(二日酔い、寝不足など)
肥満の方や高齢者、乳幼児などのほか、精神疾患や糖尿病を患っている方も熱中症を発症する確率が高まるといわれています。
要因③「行動」
熱中症を引き起こしやすくなる要因の3つ目として「行動」が挙げられます。
特に以下のような行動は熱中症につながる恐れがあるため注意しましょう。
激しい運動
慣れない運動
長時間の屋外作業
水分補給がしにくい
激しい運動や長時間の屋外作業などにより、熱中症の発症リスクが高まります。特に、気温や湿度の高くなる時期はなおさら注意が必要です。
また、慣れない運動は体にかける負担が大きくなるため、これも熱中症になるリスクを引き上げてしまいます。
日常生活の熱中症予防の指針
熱中症を招く3つの要因については1つ前の項目で説明しましたが、温度の程度によってどのような対策を取るべきなのか、気になるところです。
日本生気象学会は、2021年に「日常生活における熱中症予防指針Ver.3.1 」を出し、気温ごとに場合分けをして、注意事項などをまとめています。
その内容をわかりやすくまとめたのが以下の表になるので、ぜひ参考にしてみてください。
こうした指針は大変有用ですが、人によって体の状況が違うので、一律には当てはまらない部分もあるかと思います。
こうした悩みを解決する可能性があるのが、この後紹介する研究です。
パーソナライズ熱中症リスク予測アプリ「Heat-Health」開発
今回紹介する研究は、大阪公立大学とスロベニア共和国のヨージェフ・ステファン研究所による研究グループが実施した研究です。
研究概要
大阪公立大学が2023年7月31日に発表したプレスリリースによると、研究グループは、「熱中症予防には十分な水分補給や適切な休息が必要であり、このような予防策はメディアや気象庁が発表する熱中症警戒アラートを通して啓発されています。しかし、環境条件や活動内容が異なれば、水分補給と休息の必要な量も異なるため、個々人が自身の熱中症リスクを正確に把握することは困難な状況」と問題提起しています。
この問題に対して研究グループが出した答えが、環境条件と活動内容、身体情報を基に深部体温を予測し、熱中症を未然に防ぐためのスマートフォン用アプリケーション「Heat-Health」の開発でした。
研究対象になったのは37名で、それぞれが様々な活動をしながら深部体温を計測し、Heat-Healthの予測データと比較することで、予測精度を検証。その結果、WHOの指針で暑熱ストレスが高いとされる深部体温が38℃以上となった対象者では92.9%、深部体温が38℃未満の対象者では90.0%の精度で予測することに成功したそうです。
Heat-Healthの使用画面(大阪公立大学HPより)
アプリダウンロードはこちら
heat health ORGANIZATIONのWebページを確認すると、現在(2023年8月時点)はアンドロイド用のアプリがダウンロードできるようです。(URLはこちら)
アンドロイドのスマホをお持ちの方は試してみるのもいいかもしれませんね。
※この研究は、2023年7月25日に「Applied Sciences」に掲載されています。https://www.mdpi.com/2076-3417/13/15/8561
熱中症とは
そもそも熱中症とはなんでしょうか?
熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。
熱中症3つの要因
熱中症は、さまざまな要因により引き起こされますが、大きな要因として「環境」「体」「行動」の3つが挙げられます。
それぞれの要因について詳しくみていきましょう。
要因①「環境」
熱中症を引き起こしやすくする1つ目の要因は「環境」です。
以下のような環境にいる場合は、特に熱中症を引き起こさないように十分注意が必要です。
気温が高い
湿度が高い
風が弱い
日差しが強い
閉め切った室内
エアコンがない
急に暑くなった日
熱波の襲来
要因②「体」
熱中症を引き起こしやすくする1つ目の要因は「環境」です。
以下のような環境にいる場合は、特に熱中症を引き起こさないように十分注意が必要です。
高齢者、乳幼児、肥満
持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など)
低栄養状態
脱水状態
体調不良(二日酔い、寝不足など)
肥満の方や高齢者、乳幼児などのほか、精神疾患や糖尿病を患っている方も熱中症を発症する確率が高まるといわれています。
要因③「行動」
熱中症を引き起こしやすくなる要因の3つ目として「行動」が挙げられます。
特に以下のような行動は熱中症につながる恐れがあるため注意しましょう。
激しい運動
慣れない運動
長時間の屋外作業
水分補給がしにくい
激しい運動や長時間の屋外作業などにより、熱中症の発症リスクが高まります。特に、気温や湿度の高くなる時期はなおさら注意が必要です。
また、慣れない運動は体にかける負担が大きくなるため、これも熱中症になるリスクを引き上げてしまいます。
日常生活の熱中症予防の指針
熱中症を招く3つの要因については1つ前の項目で説明しましたが、温度の程度によってどのような対策を取るべきなのか、気になるところです。
日本生気象学会は、2021年に「日常生活における熱中症予防指針Ver.3.1 」を出し、気温ごとに場合分けをして、注意事項などをまとめています。
その内容をわかりやすくまとめたのが以下の表になるので、ぜひ参考にしてみてください。
こうした指針は大変有用ですが、人によって体の状況が違うので、一律には当てはまらない部分もあるかと思います。
こうした悩みを解決する可能性があるのが、この後紹介する研究です。
パーソナライズ熱中症リスク予測アプリ「Heat-Health」開発
今回紹介する研究は、大阪公立大学とスロベニア共和国のヨージェフ・ステファン研究所による研究グループが実施した研究です。
研究概要
大阪公立大学が2023年7月31日に発表したプレスリリースによると、研究グループは、「熱中症予防には十分な水分補給や適切な休息が必要であり、このような予防策はメディアや気象庁が発表する熱中症警戒アラートを通して啓発されています。しかし、環境条件や活動内容が異なれば、水分補給と休息の必要な量も異なるため、個々人が自身の熱中症リスクを正確に把握することは困難な状況」と問題提起しています。
この問題に対して研究グループが出した答えが、環境条件と活動内容、身体情報を基に深部体温を予測し、熱中症を未然に防ぐためのスマートフォン用アプリケーション「Heat-Health」の開発でした。
研究対象になったのは37名で、それぞれが様々な活動をしながら深部体温を計測し、Heat-Healthの予測データと比較することで、予測精度を検証。その結果、WHOの指針で暑熱ストレスが高いとされる深部体温が38℃以上となった対象者では92.9%、深部体温が38℃未満の対象者では90.0%の精度で予測することに成功したそうです。
Heat-Healthの使用画面(大阪公立大学HPより)
アプリダウンロードはこちら
heat health ORGANIZATIONのWebページを確認すると、現在(2023年8月時点)はアンドロイド用のアプリがダウンロードできるようです。(URLはこちら)
アンドロイドのスマホをお持ちの方は試してみるのもいいかもしれませんね。
※この研究は、2023年7月25日に「Applied Sciences」に掲載されています。https://www.mdpi.com/2076-3417/13/15/8561
医師のコメント
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター)
開発中のアプリでは暑さ指数だけでは推し量れない休憩時間や水分補給量の推奨も考慮されており、より熱中症を予防する行動をとるうえでよいモダリティとなる可能性が示唆されます。今後実用化されれば大変有用なアプリとなると思われます。しかし、アプリの推奨するデータもあくまで目安であり、最終的にはその時々の状況にあわせた個人による判断が求められます。今後も様々な熱中症予防の指標が出てくると思われますが、判断に迷う時は無理をしないことが重要です。
医師のコメント
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター)
開発中のアプリでは暑さ指数だけでは推し量れない休憩時間や水分補給量の推奨も考慮されており、より熱中症を予防する行動をとるうえでよいモダリティとなる可能性が示唆されます。今後実用化されれば大変有用なアプリとなると思われます。しかし、アプリの推奨するデータもあくまで目安であり、最終的にはその時々の状況にあわせた個人による判断が求められます。今後も様々な熱中症予防の指標が出てくると思われますが、判断に迷う時は無理をしないことが重要です。
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