【医師の本音レビュー】BMZ社のメンズアシトレシューズを1ヶ月着用。医師も驚いた結果とは?

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2024.06.07

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レビュー医師:甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。

運動不足の現代人にとって、最も簡単に取り組むことができる運動がウォーキングです。歩くことで多くの健康効果が期待されますが、2020年から世界的に流行した新型コロナの影響でさらに歩行不足が世界的に進んでしまった研究もあります。アメリカの医学学術雑誌『Annals of Internal Medicine』がスマホのアプリを活用して世界187カ国を対象におこなった歩行数の調査では、WHO = 世界保健機関のパンデミック宣言が発令された2020年3月11日以降30日間の1日平均の歩行数は、それ以前より1432 歩も減少したそうです。距離にすると約1km歩く距離が減った計算になります。ウォーキングで大事なことは毎日コツコツ歩くことですが、足の動きを正しく使えないと、足や腰が痛くなってしまうこともあります。

株式会社BMZは、” 足に対する貢献度「世界一」” という基本理念を掲げるインソール・シューズメーカーです。トップアスリートからの情報のフィードバックとスポーツバイオメカニクスへの適用を繰り返すことで、足の機能を正しくサポートするインソースやシューズを製造・販売しています。

今回は、BMZ社のインソールが内蔵されたシューズを実際に医師が1ヶ月使ってみて、いいところや改善ポイントをレビューすると共に、BMZ社が考える足の機能をサポートする方法についてご紹介していきます。

株式会社BMZ

スキーヤーの適正アラインメントの追求からスタートし、培ったノウハウを活用したBMZ バランス理論(1点支持:Cuboid blance理論、2点支持:CCLP理論)を開発。「疲労軽減」「障害予防」「運動能力向上」を目的とした 高機能インソールの研究・開発のほか、シューズの調整・加工業務も行っている。

株式会社BMZ公式HPはこちら

足本来の機能とは?

そもそも足が持つ機能はどのようなものがあるのでしょうか?「立つ」「歩く」「走る」「飛ぶ」、人がこのような動きをするのは足の機能が働いているからです。こうした足の活動を支えるために、足裏にある3つのアーチが立体的に組み合わさり、足指の動きをコントロールして体を支えています。

この足裏アーチと足指によって5つの機能が得られます

・歩くことで起こる衝撃を和らげる「クッション機能」

正常なアーチと足指は、60%以上の衝撃を吸収し、足首、膝、股関節、脊椎の順番で地面からの衝撃をほぼ吸収することができます。

・歩く、走る時に体を支える「支持機能」

正常なアーチと機能的に動く指は、強いバネとして強力に体を支えます。

・指で地面を掴むことによる「推進力機能」

正常なアーチによる足関節の底屈と指の屈曲により、地面反力を最大限利用することができます。

・第二の心臓を働かせる「血流ポンプ機能」

足から脚への運動連鎖によって、下腿三頭筋の筋力を鍛えることができます。このことが「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉の血流ポンプ機能を推進することができます

・下腿筋肉への「発達作用機能」

足の正常なアーチと、機能的に正しく足指を使うことによって、下腿及び足底の筋肉の成長、発達を促進することができます、

足の働きが低下している

現代の子供の約5割、成人の約7割、高齢者の約8割の方が「浮き指」という症状を抱えていると言われています。聞きなれない人も多いと思いますが、「浮き指」とは、立位や歩行時に足指が地面についていない状態のことを言います。

この「浮き指」の原因として考えられているのが、つま先を浮かした形状になっている現代の靴の着用であるとBMZ社は指摘しています。また、昔に比べて裸足で歩く回数が減っていることが足指を使う回数を減らし、足指の筋力が衰えていることも浮き指の一因だと指摘されています。

浮き指の状態になると、かかと重心になり、バランスよく身体を支えられず、膝や腰などに負担をかけトラブルの原因にもなりかねません。

BMZ社のアプローチ

BMZ社は、靴に入れて歩くだけで「ながらトレーニング」ができるインソール、「アシトレ」を開発・販売しています。アシトレで重要視しているのが、足の骨格を整え、「安定性」と「運動性」の起点となっている立方骨を支えることで足のアーチバランスをサポートすることです。

アシトレには3つのこだわりポイントがあります。

  • フォースパッド

指の付け根を持ち上げることで足指が動く空間を確保し、歩行時の「浮き指」を改善します。

※はいて歩くことによる3ヶ月試験の結果より

  • キュボイドサポート

足の外側にある「立方骨」を支えることで動きやすく正しい状態に近づけます。

  • カルケニアスパッド

立方骨と踵骨前部を支え、アーチをサポートし、靴の中でも足指が使える環境にします。

BMZ社のシューズを医師が使ってみた

今回は、上場企業の産業医として、企業の従業員の健康を見守っている甲斐沼 孟先生に実際にBMZ社のシューズを使ってもらい、履くことによるメリット・デメリット、どんな人におすすめができるかレビューをしてもらいました。

甲斐沼先生のシューズ使用条件

【期間】2024/2/23 ~ 2024/3/22 【用途】通勤・勤務など普段の生活で使用

甲斐沼先生が使用してみての感想

使用期間は、ほぼ毎日使っていましたね。通勤や勤務中も履いていました。使い始めた当初は、これまでの靴と違う形だったので、使い始めてから3、4日は多少不慣れな感覚を持ちました。歩いている時の体重のかけ方が違ったとか、違和感を覚えたところはあります。

ただし、慣れてくると、動きやすいなと思いました。繰り返し使うことで、体重のかけ方のコツを掴み、普通の靴を履くよりも歩き方を意識して歩行することができたように思います

甲斐沼先生が良かったと感じたポイント

医学的に見て、理に適った構造だと思いました。BMZ社のインソールやシューズは立方骨を意識した作りになっていますが、実際に履いてみると安全性と快適さを併せ持ったインソールだと感じました。足を安定化する機能にも優れていて、実際に衝撃を吸収するクッション機能もメリットとして感じました。

歩くことが楽しめることを実感したことで、歩くことの習慣がついたように思います。その結果、健康意識が高まったとも感じています。こうした歩くことの習慣化は、生活習慣病予防にもつながっていきます。足そのものも大事ですが、足は下半身全体とつながっています。足のこと1つで股関節のトラブル予防につながっていると想像できました。

甲斐沼先生が気になったポイント

通常の靴と比べて外側側に重心が置かれているので、中長期的に足の形だったり、足の扁平になるのではないかなど、内側の母子第一がベクトル的にどう変化していくのかについては気にはなりました。

また、普段の日常生活で歩く分には快適だと思いましたが、激しい動きをする人、例えばサッカー選手などのスポーツ選手が、激しい動きを伴った動きをした時にどこまでの対応性があるかが気になります。例えば足関節の捻挫のリスクへの影響などに関する研究があってもいいのかもしれません。足裏はしっかりと支えられる感覚があったので、関節、靭帯、腱にどのような影響があるのかは今後の課題かなと思いました

甲斐沼先生のおすすめ度

普段から歩くことが習慣化されていて、足の機能性を重視する方に使用を勧められると思います。足の負担が大きい人にはいいと思いました。BMZ社の狙いとして、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能を増進させることがあります。今後、血流の効率性の研究が進めば、足先のフットケアが必要な血流障害の方、壊死ができていたり、潰瘍ができている人に対しても、このシューズを推奨できるのではないかとも思いました。

産業医の立場としては、普段の私の業務ともリンクしています。働く人々に対する健康を産業医は常に考えているからです。働いている人々は、事業所内である程度歩いて生活している人もいれば、工場などで重い荷物運んだりしている人もいるなど、職種などによっても体の使い方が大きく異なります。私は、働いている人々に対して、常々歩くことが大切と伝えています。歩くことは気分転換にもなりますし、国や厚労省が「健康日本21」で示している歩数の獲得では、一日4,000歩以上歩けば、それ相応の健康効果が出るとされているからです。今回のBMZ社のテクノロジーによって、足の病気や膝の病気も治れば、一石二鳥であると考えています。

まとめ

BMZ社は、靴に入れて歩くだけで「ながらトレーニング」ができるインソール、「アシトレ」を開発・販売しています。足の骨格を整え、「安定性」と「運動性」の起点となっている立方骨を支えることで足のアーチバランスをサポートすることが特徴です。

これから暖かくなり、外を歩くことが気持ちいい季節を迎えます。BMZ社のインソールやシューズを着用して、歩く習慣づくりをしてもいいかもしれません。