「胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医・水野靖大先生の思い

「胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医・水野靖大先生の思い

2025年6月18日
「胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医・水野靖大先生の思い

「胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医・水野靖大先生の思い

2025年6月18日

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、マールクリニック横須賀院長の水野靖大先生にお話を伺いました。

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、マールクリニック横須賀院長の水野靖大先生にお話を伺いました。

胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医としての思い

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。

水野先生 私の父は歯科医でしたので、医療に馴染みがある家庭で育ちました。私が高校生の時に、父から歯科医を継ぐのではなくて医師になった方がいいとアドバイスを受けました。当時は歯科クリニックの経営に閉塞感があったようで、医師の道を勧めたようです。

ただその後、インプラント治療などの施術メニューが出てきましたので、私が大学4年の頃になって、「歯科医もいいぞ」と言われましたね。

――現在の専門に進んだ理由はありますか?

水野先生 私は元々は消化器外科医として医師のキャリアを積んできました。がんになった患者を手術して患部を取り除き、命を長らえることに貢献することは魅力的でしたが、もっと手前で救うことができないのかと思うようになりました。

除菌により発がんを防いだり、高リスク群として定期的に胃カメラ検診を行うことで、胃がんになったとしても早期発見ができるのではないかと思いました。除菌時期も中学生程度の若年で行うことで、除菌の効果はとても大きくなると考えました。

さらにもう一歩進めるならば、感染理由の多くは5歳までの家庭内感染が原因と考えると、子育てを始める前に、お父さんとお母さんが除菌すれば子供がピロリ菌に感染しない時代になると考えています。こうした考えに至った時に、外科医として治療にあたるよりも、開業医として検診に携わったり、行政や議会と医師会として協力して新しい検診システムを構築する道の方が魅力的だと思いました。

――先生が臨床で大事にしていることはありますか?

水野先生 できるだけその人の背景や考え方に沿った治療にあたることを心がけています。例えば、逆流性食道炎を治療する時は食後にすぐに横にならないように指導を行います。ただ、子どもを寝かしつける必要があるお母さんは、食後すぐに赤ちゃんと一緒に横になる場合があります。こうした時に、「医学的にダメだから起きてください」と伝えても実際に対応することは難しく、困ってしまうと思います。「しょうがないよね」と寄り添って薬の調整をするなど、色々なアプローチを検討する必要があります。

実際にあったケースで、逆流性食道炎がひどい方に対して、別の病院を紹介して外科治療するか、細々とご飯食べるようにするのか、選択肢を提案したことがあります。この時は、「今更手術は嫌だし、できる範囲で食べる」という意思を尊重して、治療を進めていきました。最終的にある程度は食べられるようになったので、手術しなくてよかったと言われました。患者ごとに正解は違うのだということがよくわかるケースとして、今も印象に残っています。

――”疾患ではなく人を診る”ということですね。先生が現在チャレンジしていることを教えてください。

現在は、中学2年生の時にピロリ菌のチェックと除菌を行うと発がん防止効果いいとされています。ただ、実際にどの程度まで良くなるかはわかっていないのです。中学校2年生でピロリ菌を除菌した人の胃を成人になった時に胃カメラで検査して、胃のなかの状況を明らかにしたいと考えています。

もう1つチャレンジしたいことは、すでに40歳ほどの年齢に達してから初めて検診でピロリ菌が見つかった人に対しては、もし胃がんになっていたとしても早期に胃がんを見つけて早い段階で治療して胃を残したいです。早期がんはは精密検査した際の画像診断で認識しにくいので、どこの地域でも二次読影をやっています。この二次読影の現場にAIを取り入れる活動を始めようとしているのです。

このプロジェクトは、ある企業で共同して行なっていて、今倫理審査を通して研究ベースでAIを入れようとしています。現在は倫理審査の最終調整なので、2025年6月からAIを活用した読影を始められる見込みです。

この成果は、いずれ学会等でセミナーで発表する予定です。

――先生のVISIONを教えてください。

水野先生 私は現在提供している医療を通じて、胃がんの撲滅を実現したいと思っています。

さらに、個人の取り組みを超えたプラットフォームを確立させて、私がいなくても回る仕組みを作りたいと思います。他の分野の医師にも参加していただき、このプラットフォームを通じて病気が治る仕組みができるといいと思っています。各分野で熱い気持ちを持つ医療従事者は、よく見るとたくさんいます。この思いを集合知をして1つにできればいいと思います。

また、健康を大きな単位で考えるなら行政との連携はとても大事です。しかし、行政の中で健康推進を実行したいという思いがある人がいても、実行できる仕組みが整わないと行政は動きません。横須賀市では先ほども紹介したように中学校2年生のピロリ菌対策事業を行なっています。

最初は行政が活発に動くことができませんでしたが、議会が横須賀市がん克服条例を作ったことで流れが変わりました。条例があることで行政が動く理由ができますので、とても活発に動くようになりました。横須賀市で20歳と30歳の時にピロリ菌検査を無料で行う取り組みが始まった時は、神奈川新聞が1面と社説で2日にかけて特集してくれました。

――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。公開されている医療・ヘルスケア情報で気になることはありますか?

水野先生 ネット情報は玉石混合で嘘の記事もありますが、まるっきり嘘の記事はあんまりない気がします。ただ、健康記事を見て気になることは、その疾患が起きる確率が書いていないことですね。例えば、ある症状が出た時に大抵は筋肉痛ですが、ごく稀に心筋梗塞の場合があると記事で書かれているとします。もっと言うと、「⚪︎⚪︎ががあったら 心筋梗塞の疑い!?」 というようなタイトルが付いていることもあります。

実際に症状に悩んでいる患者は、このタイトルを見るだけで鬱になってしまってるような状況もあるのです。実際に半泣きになって相談しくる方もいらっしゃるんですよね。

ですから、フラットな立場の専門の医師が監修した情報だけが 総括されてるような場所があれば、多くの方が見に行くと思うんですよね。

メディコレは監修した記事に認証マークを提供しているので、こうした医療監修印が記事に付いているものと、そうではないものがあったら、印がついていないものはあまり見ない方がいいよと言えるようになればいいかなと思います。

――弊社の取り組みにも期待をいただきありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします

水野先生 これから先 、胃がんの全てが無くなることはないにしても、少なくとも胃がんが希少がんになっていくというのは間違いないと思います。そのできるだけ早い時期の実現に向けて、私たちが推進していこうと思っています。

胃がんの撲滅を実現したい」ピロリ菌感染症認定医としての思い

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。

水野先生 私の父は歯科医でしたので、医療に馴染みがある家庭で育ちました。私が高校生の時に、父から歯科医を継ぐのではなくて医師になった方がいいとアドバイスを受けました。当時は歯科クリニックの経営に閉塞感があったようで、医師の道を勧めたようです。

ただその後、インプラント治療などの施術メニューが出てきましたので、私が大学4年の頃になって、「歯科医もいいぞ」と言われましたね。

――現在の専門に進んだ理由はありますか?

水野先生 私は元々は消化器外科医として医師のキャリアを積んできました。がんになった患者を手術して患部を取り除き、命を長らえることに貢献することは魅力的でしたが、もっと手前で救うことができないのかと思うようになりました。

除菌により発がんを防いだり、高リスク群として定期的に胃カメラ検診を行うことで、胃がんになったとしても早期発見ができるのではないかと思いました。除菌時期も中学生程度の若年で行うことで、除菌の効果はとても大きくなると考えました。

さらにもう一歩進めるならば、感染理由の多くは5歳までの家庭内感染が原因と考えると、子育てを始める前に、お父さんとお母さんが除菌すれば子供がピロリ菌に感染しない時代になると考えています。こうした考えに至った時に、外科医として治療にあたるよりも、開業医として検診に携わったり、行政や議会と医師会として協力して新しい検診システムを構築する道の方が魅力的だと思いました。

――先生が臨床で大事にしていることはありますか?

水野先生 できるだけその人の背景や考え方に沿った治療にあたることを心がけています。例えば、逆流性食道炎を治療する時は食後にすぐに横にならないように指導を行います。ただ、子どもを寝かしつける必要があるお母さんは、食後すぐに赤ちゃんと一緒に横になる場合があります。こうした時に、「医学的にダメだから起きてください」と伝えても実際に対応することは難しく、困ってしまうと思います。「しょうがないよね」と寄り添って薬の調整をするなど、色々なアプローチを検討する必要があります。

実際にあったケースで、逆流性食道炎がひどい方に対して、別の病院を紹介して外科治療するか、細々とご飯食べるようにするのか、選択肢を提案したことがあります。この時は、「今更手術は嫌だし、できる範囲で食べる」という意思を尊重して、治療を進めていきました。最終的にある程度は食べられるようになったので、手術しなくてよかったと言われました。患者ごとに正解は違うのだということがよくわかるケースとして、今も印象に残っています。

――”疾患ではなく人を診る”ということですね。先生が現在チャレンジしていることを教えてください。

現在は、中学2年生の時にピロリ菌のチェックと除菌を行うと発がん防止効果いいとされています。ただ、実際にどの程度まで良くなるかはわかっていないのです。中学校2年生でピロリ菌を除菌した人の胃を成人になった時に胃カメラで検査して、胃のなかの状況を明らかにしたいと考えています。

もう1つチャレンジしたいことは、すでに40歳ほどの年齢に達してから初めて検診でピロリ菌が見つかった人に対しては、もし胃がんになっていたとしても早期に胃がんを見つけて早い段階で治療して胃を残したいです。早期がんはは精密検査した際の画像診断で認識しにくいので、どこの地域でも二次読影をやっています。この二次読影の現場にAIを取り入れる活動を始めようとしているのです。

このプロジェクトは、ある企業で共同して行なっていて、今倫理審査を通して研究ベースでAIを入れようとしています。現在は倫理審査の最終調整なので、2025年6月からAIを活用した読影を始められる見込みです。

この成果は、いずれ学会等でセミナーで発表する予定です。

――先生のVISIONを教えてください。

水野先生 私は現在提供している医療を通じて、胃がんの撲滅を実現したいと思っています。

さらに、個人の取り組みを超えたプラットフォームを確立させて、私がいなくても回る仕組みを作りたいと思います。他の分野の医師にも参加していただき、このプラットフォームを通じて病気が治る仕組みができるといいと思っています。各分野で熱い気持ちを持つ医療従事者は、よく見るとたくさんいます。この思いを集合知をして1つにできればいいと思います。

また、健康を大きな単位で考えるなら行政との連携はとても大事です。しかし、行政の中で健康推進を実行したいという思いがある人がいても、実行できる仕組みが整わないと行政は動きません。横須賀市では先ほども紹介したように中学校2年生のピロリ菌対策事業を行なっています。

最初は行政が活発に動くことができませんでしたが、議会が横須賀市がん克服条例を作ったことで流れが変わりました。条例があることで行政が動く理由ができますので、とても活発に動くようになりました。横須賀市で20歳と30歳の時にピロリ菌検査を無料で行う取り組みが始まった時は、神奈川新聞が1面と社説で2日にかけて特集してくれました。

――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。公開されている医療・ヘルスケア情報で気になることはありますか?

水野先生 ネット情報は玉石混合で嘘の記事もありますが、まるっきり嘘の記事はあんまりない気がします。ただ、健康記事を見て気になることは、その疾患が起きる確率が書いていないことですね。例えば、ある症状が出た時に大抵は筋肉痛ですが、ごく稀に心筋梗塞の場合があると記事で書かれているとします。もっと言うと、「⚪︎⚪︎ががあったら 心筋梗塞の疑い!?」 というようなタイトルが付いていることもあります。

実際に症状に悩んでいる患者は、このタイトルを見るだけで鬱になってしまってるような状況もあるのです。実際に半泣きになって相談しくる方もいらっしゃるんですよね。

ですから、フラットな立場の専門の医師が監修した情報だけが 総括されてるような場所があれば、多くの方が見に行くと思うんですよね。

メディコレは監修した記事に認証マークを提供しているので、こうした医療監修印が記事に付いているものと、そうではないものがあったら、印がついていないものはあまり見ない方がいいよと言えるようになればいいかなと思います。

――弊社の取り組みにも期待をいただきありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします

水野先生 これから先 、胃がんの全てが無くなることはないにしても、少なくとも胃がんが希少がんになっていくというのは間違いないと思います。そのできるだけ早い時期の実現に向けて、私たちが推進していこうと思っています。

医師監修の専門メディア メディコレNEWS

メディコレNEWSは、医師監修の方法や対象になるコンテンツの種類、メリットなどの情報をお伝えする、医師監修の専門メディアです。医師の専門性や信頼性をプラスして、コンバージョンを最大化するための情報をお伝えします。

Copyright © 株式会社メディコレ All Rights Reserved.

医師監修の専門メディア メディコレNEWS

メディコレNEWSは、医師監修の方法や対象になるコンテンツの種類、メリットなどの情報をお伝えする、医師監修の専門メディアです。医師の専門性や信頼性をプラスして、コンバージョンを最大化するための情報をお伝えします。

Copyright © 株式会社メディコレ All Rights Reserved.