株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック院長の大津和弥先生にお話を伺いました。

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック院長の大津和弥先生にお話を伺いました。

「楽しく会話して食べることができる患者を増やしていきたい」耳鼻咽喉科専門医としての思い
――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。
大津先生 医者を目指そうと思ったきっかけは、小学生の頃に遡ります。当時私は野球チームに所属していて、卒団の大会を私の祖父が見にきてくれました。その日は雨の中で最後の大会をプレーしたのですが、相手がとても強く試合に負けてしまいました。
さらに、私を可愛がってくれていた祖父が、大会の翌日から風邪をひいて肺炎になってしまったのです。祖父は肺炎が重症化して大阪の救命救急に搬送されたのですが、1ヶ月後に亡くなってしまいました。
試合を見に来た祖父が亡くなったことに、当時の私は衝撃を受けていました。野球は負けたショックと、祖父が亡くなったショックで、自責の念を感じてましたね。そうした時に、祖父が医師になるという選択肢を話していたことを思い出しました。さらに、私が助けなければいけなかった人を殺してしまったという思いと、スポーツ選手にならないなら人を助ける人になりたいという思いがあり、中学校に進学した時から医師を目指しました。
――現在の専門に進んだ理由はありますか?

大津先生 私は元々外科領域の治療がしたいという思いがありました。さらに言うと、頭頸部がん、首のがんの治療をしたいという思いがあって耳鼻咽喉科に進みました。私の父(写真左側)が耳鼻科だったことも影響はありましたね。
現在のクリニックは元々建っていた父のクリニックを解体して、新しく建て直してリニューアルしています。開業医が向いているのか自問自答しながらやっていますね。病院では外科手術をしていたので、メスを握る機会が減ってしまって良いものなのかと感じています。ただ、開業すると治療の裾野が広がって、患者と接することが増えるとも思っています。そういう意味では、開業医もやりがいがあるのかな と思いますね。また、私の場合は、非常勤先の市立ひらかた病院で手術するという選択肢も持っているので、病院とクリニックの良いところを取りながら、メスも置かずにあと10年ぐらいはやっていきたいなと思っています。
――メスを握り続けるという外科医の思いがあってこその働き方ですね。クリニックの臨床ではどのような診察が多いですか?
大津先生 圧倒的に多いのはかぜとアレルギーですね。ただ、私たちのクリニックは、ボイスクリニックですので、4月から一人スタッフを増やして常にリハビリを提供できるようにする体制を整えました。リハビリの枠も、週15枠確保していて、発声障害や嚥下障害の方にリハビリを提供しています。
また、昨日は市の介護団体に呼ばれて補聴器について説明に行きました。あまり知られていませんが、日本は補聴器後進国なのです。私のクリニックがある市内で補聴器を合わせているクリニックは当院くらいですから、月曜日午後に予約枠を作って対応をしています。
――クリニックのロゴも音楽の要素が入っていますよね。
大津先生 私の妻が音楽教員の免許持っているので、ロゴにも拘っているんですよ。先ほどお伝えしたように、当院では補聴器も合わせることができるので、楽しく喋って、聞いて、いつまでも若々しく、いつまでもコミュニケーションをとることができるというコンセプトです。
――補聴器はとても大事なのですね。
大津先生 はい、私は高齢者の方には、「耳のアンチエイジング」だと伝えています。
当院の患者の補聴器離脱率は低いんです。補聴器を購入するだけではなく、私がしっかりと使い方や意義を説明しますので、納得して購入するからだと分析しています。
――先生が臨床で大事にしていることはありますか?
大津先生 雰囲気や話し方を参考にしながら、患者が何を望んでいるのか考えるようにしています。病院で勤務していた時は、どうしても流れ作業的に検査せざるを得ない時もありましたが、クリニックにはいろいろな方が来ます。お金がない方もいれば、他の医療機関で検査しても治らないという悩みを抱えている方もいます。そういう個人個人の状況を見落とさないように気をつけています。
――患者が望むことを理解することは、治療の満足度という観点からもとても重要ですよね。先生が現在チャレンジしていることを教えてください。
大津先生 まずはクリニックで出来る手術を増やしたいと考えています。例えばポリープの切除を日帰りで行うといったことから試みています。
あとは、他のクリニックの連携が出来たら面白いと思っています。睡眠時無呼吸症候群の患者の検査を当院で行っていますが、歯科口腔の領域で得意なクリニックに紹介したくても、どこに紹介すべきか迷うんです。実力があるクリニックと連携できるのであればやってみたいですね。また、嚥下に関することでは神経内科の先生とも協力したいです。さらには、クリニックだけではなく病院の連携も広げることで、幅が広がれば良いと思います。
――色々とチャレンジしたいことがたくさんありますね。ほとんど休みなく働いている大津先生ですが、実は開院前に生死の境を彷徨ったと伺っていますが?

大津先生 はい、そうなんです。当院は2024年4月2日に開業しているのですが、その約1ヶ月前の2月15日に自己免疫性脳炎が発症して意識不明で倒れました。10日ほど意識がない状態が続いたのです。当時勤務していた市立ひらかた病院に入院したのですが、あまり神経内科が強くない病院だったので、市立ひらかた病院の院長は大阪医大に顔が効くので、教授に直接伝えて搬送されて、ステロイドを大量投与したら数日で意識は戻ったのですが、体重は15キロも落ちていました。歩けなかったのでリハビリから始めて、その段階が開業1ヶ月あるかないかだったので、リハビリをしないで退院したんです。歩けるようになったら歩行器使って歩いて、何が何でも歩いて、ひたすらリハビリをして、起きれるようになってなんとか歩けるようになって、クリニックの内覧会の2日前に退院して、そのまま3日間内覧会にフルで出席して、今に至りますね。
――壮絶な開業エピソードですね。現在も治療は続けているのですか?
大津先生 自己免疫性脳炎なので現在もステロイドは飲んでいます。薬を飲みながら、健康管理をしながら診療もできていますし、体重も戻りました。現在は薬の量を少しずつ減らしています。闘病しながら診療しているので患者の気持ちがわかるのは良かったと思いますよ。
――医師としての活動を通じて実現したい、先生のVISIONを教えてください。
大津先生 当院はカラーリングも緑にしているように、公園のような場になればいいと思っています。当院に来た患者をなるべく断らずに、少しでも笑顔で帰ってもらえるようにしたいですね。楽しく会話して食べることができる患者を増やしていきたいという思いはあります。
――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。専門知識を持った医療従事者が監修に協力する意義について教えてください。
大津先生 医療従事者による監修は必要だと思います。ちゃんとした情報発信が適切に行われることが必要です。先ほども補聴器の話をしましたが、値段や必要性などの情報が適切に回らないから、高齢者が苦労をしています。適切に情報発信してくれることは、とてもありがたいと思います。
――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

大津先生 やっぱり人間に必要なもの、五感に関するものの多くは耳鼻科領域にあります。 ご自身で気になることがあれば、気軽に受診していただいたらいいかなと思います。当院はボイスクリニックですので、声が出ないことや、声が震えるなどの悩みがあるときは、当院に相談いただければと思います。
「楽しく会話して食べることができる患者を増やしていきたい」耳鼻咽喉科専門医としての思い
――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。
大津先生 医者を目指そうと思ったきっかけは、小学生の頃に遡ります。当時私は野球チームに所属していて、卒団の大会を私の祖父が見にきてくれました。その日は雨の中で最後の大会をプレーしたのですが、相手がとても強く試合に負けてしまいました。
さらに、私を可愛がってくれていた祖父が、大会の翌日から風邪をひいて肺炎になってしまったのです。祖父は肺炎が重症化して大阪の救命救急に搬送されたのですが、1ヶ月後に亡くなってしまいました。
試合を見に来た祖父が亡くなったことに、当時の私は衝撃を受けていました。野球は負けたショックと、祖父が亡くなったショックで、自責の念を感じてましたね。そうした時に、祖父が医師になるという選択肢を話していたことを思い出しました。さらに、私が助けなければいけなかった人を殺してしまったという思いと、スポーツ選手にならないなら人を助ける人になりたいという思いがあり、中学校に進学した時から医師を目指しました。
――現在の専門に進んだ理由はありますか?

大津先生 私は元々外科領域の治療がしたいという思いがありました。さらに言うと、頭頸部がん、首のがんの治療をしたいという思いがあって耳鼻咽喉科に進みました。私の父(写真左側)が耳鼻科だったことも影響はありましたね。
現在のクリニックは元々建っていた父のクリニックを解体して、新しく建て直してリニューアルしています。開業医が向いているのか自問自答しながらやっていますね。病院では外科手術をしていたので、メスを握る機会が減ってしまって良いものなのかと感じています。ただ、開業すると治療の裾野が広がって、患者と接することが増えるとも思っています。そういう意味では、開業医もやりがいがあるのかな と思いますね。また、私の場合は、非常勤先の市立ひらかた病院で手術するという選択肢も持っているので、病院とクリニックの良いところを取りながら、メスも置かずにあと10年ぐらいはやっていきたいなと思っています。
――メスを握り続けるという外科医の思いがあってこその働き方ですね。クリニックの臨床ではどのような診察が多いですか?
大津先生 圧倒的に多いのはかぜとアレルギーですね。ただ、私たちのクリニックは、ボイスクリニックですので、4月から一人スタッフを増やして常にリハビリを提供できるようにする体制を整えました。リハビリの枠も、週15枠確保していて、発声障害や嚥下障害の方にリハビリを提供しています。
また、昨日は市の介護団体に呼ばれて補聴器について説明に行きました。あまり知られていませんが、日本は補聴器後進国なのです。私のクリニックがある市内で補聴器を合わせているクリニックは当院くらいですから、月曜日午後に予約枠を作って対応をしています。
――クリニックのロゴも音楽の要素が入っていますよね。
大津先生 私の妻が音楽教員の免許持っているので、ロゴにも拘っているんですよ。先ほどお伝えしたように、当院では補聴器も合わせることができるので、楽しく喋って、聞いて、いつまでも若々しく、いつまでもコミュニケーションをとることができるというコンセプトです。
――補聴器はとても大事なのですね。
大津先生 はい、私は高齢者の方には、「耳のアンチエイジング」だと伝えています。
当院の患者の補聴器離脱率は低いんです。補聴器を購入するだけではなく、私がしっかりと使い方や意義を説明しますので、納得して購入するからだと分析しています。
――先生が臨床で大事にしていることはありますか?
大津先生 雰囲気や話し方を参考にしながら、患者が何を望んでいるのか考えるようにしています。病院で勤務していた時は、どうしても流れ作業的に検査せざるを得ない時もありましたが、クリニックにはいろいろな方が来ます。お金がない方もいれば、他の医療機関で検査しても治らないという悩みを抱えている方もいます。そういう個人個人の状況を見落とさないように気をつけています。
――患者が望むことを理解することは、治療の満足度という観点からもとても重要ですよね。先生が現在チャレンジしていることを教えてください。
大津先生 まずはクリニックで出来る手術を増やしたいと考えています。例えばポリープの切除を日帰りで行うといったことから試みています。
あとは、他のクリニックの連携が出来たら面白いと思っています。睡眠時無呼吸症候群の患者の検査を当院で行っていますが、歯科口腔の領域で得意なクリニックに紹介したくても、どこに紹介すべきか迷うんです。実力があるクリニックと連携できるのであればやってみたいですね。また、嚥下に関することでは神経内科の先生とも協力したいです。さらには、クリニックだけではなく病院の連携も広げることで、幅が広がれば良いと思います。
――色々とチャレンジしたいことがたくさんありますね。ほとんど休みなく働いている大津先生ですが、実は開院前に生死の境を彷徨ったと伺っていますが?

大津先生 はい、そうなんです。当院は2024年4月2日に開業しているのですが、その約1ヶ月前の2月15日に自己免疫性脳炎が発症して意識不明で倒れました。10日ほど意識がない状態が続いたのです。当時勤務していた市立ひらかた病院に入院したのですが、あまり神経内科が強くない病院だったので、市立ひらかた病院の院長は大阪医大に顔が効くので、教授に直接伝えて搬送されて、ステロイドを大量投与したら数日で意識は戻ったのですが、体重は15キロも落ちていました。歩けなかったのでリハビリから始めて、その段階が開業1ヶ月あるかないかだったので、リハビリをしないで退院したんです。歩けるようになったら歩行器使って歩いて、何が何でも歩いて、ひたすらリハビリをして、起きれるようになってなんとか歩けるようになって、クリニックの内覧会の2日前に退院して、そのまま3日間内覧会にフルで出席して、今に至りますね。
――壮絶な開業エピソードですね。現在も治療は続けているのですか?
大津先生 自己免疫性脳炎なので現在もステロイドは飲んでいます。薬を飲みながら、健康管理をしながら診療もできていますし、体重も戻りました。現在は薬の量を少しずつ減らしています。闘病しながら診療しているので患者の気持ちがわかるのは良かったと思いますよ。
――医師としての活動を通じて実現したい、先生のVISIONを教えてください。
大津先生 当院はカラーリングも緑にしているように、公園のような場になればいいと思っています。当院に来た患者をなるべく断らずに、少しでも笑顔で帰ってもらえるようにしたいですね。楽しく会話して食べることができる患者を増やしていきたいという思いはあります。
――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。専門知識を持った医療従事者が監修に協力する意義について教えてください。
大津先生 医療従事者による監修は必要だと思います。ちゃんとした情報発信が適切に行われることが必要です。先ほども補聴器の話をしましたが、値段や必要性などの情報が適切に回らないから、高齢者が苦労をしています。適切に情報発信してくれることは、とてもありがたいと思います。
――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

大津先生 やっぱり人間に必要なもの、五感に関するものの多くは耳鼻科領域にあります。 ご自身で気になることがあれば、気軽に受診していただいたらいいかなと思います。当院はボイスクリニックですので、声が出ないことや、声が震えるなどの悩みがあるときは、当院に相談いただければと思います。
医師監修への想い
医師監修の専門メディア メディコレNEWS
メディコレNEWSは、医師監修の方法や対象になるコンテンツの種類、メリットなどの情報をお伝えする、医師監修の専門メディアです。医師の専門性や信頼性をプラスして、コンバージョンを最大化するための情報をお伝えします。
運営会社:
Copyright © 株式会社メディコレ All Rights Reserved.
医師監修の専門メディア メディコレNEWS
メディコレNEWSは、医師監修の方法や対象になるコンテンツの種類、メリットなどの情報をお伝えする、医師監修の専門メディアです。医師の専門性や信頼性をプラスして、コンバージョンを最大化するための情報をお伝えします。
運営会社:
Copyright © 株式会社メディコレ All Rights Reserved.