株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社 R&B推進本部 グループマネージャーと獨協医科大学 脳神経内科 非常勤講師として研究に携わっている辰元宗人先生にお話を伺いました。

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社 R&B推進本部 グループマネージャーと獨協医科大学 脳神経内科 非常勤講師として研究に携わっている辰元宗人先生にお話を伺いました。

「片頭痛患者が、幸せに過ごせる環境を作りたい」頭痛専門医としての思い
――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。
辰元先生 私の父が産婦人科医で、病院と住居が同じ建物でした。身の回りに医療がある環境で過ごしたので、自然と医師になりたいと思いました。医学部に進学した当時は、若い人を救いたいと考えていたので、小児科を目指していました。
――最初は小児科を目指していたのですね。先生が現在専門としているのは神経内科ですが、進路を変えたきっかけはあったのでしょうか?
辰元先生 大学5年生の時に、高校の同級生がギラン・バレー症候群になりました。この出来事をきっかけに神経系に興味を持ちましたので、神経内科に進もうと決めました。
医師になってからは、ギラン・バレー症候群に関して臨床と研究に携わりました。獨協医科大学にはギラン・バレー症候群に関して世界的に著名な先生がいたので、全国から色々な患者さんの血液が送られてきました。そのおかげで、ギラン・バレー症候群という疾患に対して深い知見を得ることができたのです。恩師からは臨床と研究で厳しく指導をいただいたこともありがたかったです。
――友人がギラン・バレー症候群に罹患したことが神経内科医になったきっかけだったのですね。先生は片頭痛についても研究されていると思いますが、何か理由はあったのでしょうか?
辰元先生 外来診療で、片頭痛患者さんから自宅の照明が眩しくて辛いと言われたことがありました。私もインテリアや照明が趣味でしたので、この患者さんの言葉に興味を持ちました。患者さんに自宅の照明について詳しく聞いたところ、天井に白色のシーリングライトであることがわかりました。白色ライトが片頭痛がある方にとっては良くない電球だと海外で言われているのを知っていたので、患者さんに「照明の色を変えてみたら?」と伝えました。その結果、照明の色を変えただけで頭痛が良くなったと感謝されたのです。その患者さんは、生活動線上の照明の色を電球色に全部変えたそうです。片頭痛は薬物治療がメインですが、生活様式を変えるだけで良くなったとわかったので、片頭痛の光過敏に関する研究を始めました。
ですから、私の神経内科医としてのキャリアは、最初の10年はギラン・バレー症候群、そしてその後は片頭痛にシフトしていった形ですね。
――先生が臨床や研究で大事にしていることはありますか?

辰元先生 私は研究と臨床は繋がっていると思っています。患者さんの声を聞いて問題点を抽出し、それを研究に生かしていくというスタンスでこれまで活動してきました。患者さんに隠れている困っていることや問題点を、いかに抽出していくことが大事だと思っています。
――医師としての活動は継続しつつ、現在は企業に所属していますが、どのような転機があったのでしょうか?
辰元先生 片頭痛の研究をしている中で、企業と一緒にメガネを開発したり、工学部の他の先生とやりとりすることが多くなりました。2022年に静岡県で頭痛学会が開かれた際に、キヤノンマーケティングジャパン株式会社のメンバーから、新規事業として頭痛セルフケアサポートアプリを作っていきたいので関わって欲しいとオファーを受けたのです。照明やメガネについては学会を通じて発信はしていましたが、より多くの方に発信することに課題感を持っていましたので、アプリを通じて片頭痛をよくしてくことに共感しました。最初は大学所属した状態でアドバイザーとして参画し、2024年7月に転職して社員になりました。
ただ、現在も医師として臨床現場には立っています。2015年8月から栃木県の那須にある病院で半日診療しています。2025年8月からは、那須の病院で診察した後、午後から宇都宮市にある頭痛で有名な大林クリニックで診療する予定です。
――先生が開発に携わっているアプリについて教えてください。

辰元先生 頭痛セルフケアサポートを行う「ヘッテッテ」という名前のアプリです。アプリは3つの要素で構成されています。1つ目は、頭痛の誘因タイプを判定することで、アンケートに答えていただくと頭痛タイプがわかります。2つ目は、それぞれの頭痛タイプに合わせたセルフケアプログラムの提案です。そして3つ目は、日常の習慣や行動を記録し、追跡する「ハビットトラッカー」という仕組みです。これは毎日決まった時間に頭痛の有無を振り返ったり、セルフケアプログラムや習慣化したい項目を設定し、実践出来たらハビットトラッカーの枠に色を塗ります。頭痛があった場合は詳しく記録することもできますよ。こういった仕掛けによって、頭痛セルフケアを毎日継続し習慣化できるようサポートしています。
――なかなか行動変容を起こすことは難しいので、こうしたセルフケアの習慣化までサポートしているのはありがたいですね。先生は、開発しているアプリや臨床を通じて実現したいVISIONはありますか?

辰元先生 医療機関を受診しない片頭痛の患者さんが多いことが知られています。生活に支障が出ていない方もいますが、薬を飲んで寝込んでしまう、仕事に行くが効率が上がらない、家庭での生活に支障をきたすなど、生活に支障が出ている方も多くいると思います。
こうした方を医療機関で治療して症状を良くすることは当たり前だと思いますが、医療機関に来る前に生活を見直すことで頭痛を減らすことができるのです。私はこうした片頭痛の患者さんが、より良く幸せに過ごせる環境を作りたいと思っています。
――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。公開されている医療・ヘルスケア情報で気になることはありますか?
辰元先生 患者さんや一般の方と話す際に、正しくない情報を見て信じている方が多いことが気になっています。私たち医師は学会活動などを通じて最新の知見を得ているので、こうした情報を見分けることができますが、一般の方には難しいと思います。
メディコレWEBは医師が記事などのコンテンツを監修しているので信頼性が担保することができますし、発展性もあると思います。一般の人が医師が監修した正しい情報を得る機会が増えることに期待しています。
――弊社の取り組みにも期待をいただきありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

辰元先生 「ヘッテッテ」は当社の社内企業プログラムから生まれたサービスです。私はこうした社内企業プログラムから生まれたビジネスだけではなく、スタートアップとのオープンイノベーションのチームにも関わっています。現在はヘルスケアやレジリエンスに関連した新規事業創出に携わっており、今後はその他の領域での新規事業においても、医師としての知見を生かし一助になれればと考えています。「辰元先生がいる会社と新規事業を起こしていきたい!」と思っていただけるようになりたいです。
「片頭痛患者が、幸せに過ごせる環境を作りたい」頭痛専門医としての思い
――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。
辰元先生 私の父が産婦人科医で、病院と住居が同じ建物でした。身の回りに医療がある環境で過ごしたので、自然と医師になりたいと思いました。医学部に進学した当時は、若い人を救いたいと考えていたので、小児科を目指していました。
――最初は小児科を目指していたのですね。先生が現在専門としているのは神経内科ですが、進路を変えたきっかけはあったのでしょうか?
辰元先生 大学5年生の時に、高校の同級生がギラン・バレー症候群になりました。この出来事をきっかけに神経系に興味を持ちましたので、神経内科に進もうと決めました。
医師になってからは、ギラン・バレー症候群に関して臨床と研究に携わりました。獨協医科大学にはギラン・バレー症候群に関して世界的に著名な先生がいたので、全国から色々な患者さんの血液が送られてきました。そのおかげで、ギラン・バレー症候群という疾患に対して深い知見を得ることができたのです。恩師からは臨床と研究で厳しく指導をいただいたこともありがたかったです。
――友人がギラン・バレー症候群に罹患したことが神経内科医になったきっかけだったのですね。先生は片頭痛についても研究されていると思いますが、何か理由はあったのでしょうか?
辰元先生 外来診療で、片頭痛患者さんから自宅の照明が眩しくて辛いと言われたことがありました。私もインテリアや照明が趣味でしたので、この患者さんの言葉に興味を持ちました。患者さんに自宅の照明について詳しく聞いたところ、天井に白色のシーリングライトであることがわかりました。白色ライトが片頭痛がある方にとっては良くない電球だと海外で言われているのを知っていたので、患者さんに「照明の色を変えてみたら?」と伝えました。その結果、照明の色を変えただけで頭痛が良くなったと感謝されたのです。その患者さんは、生活動線上の照明の色を電球色に全部変えたそうです。片頭痛は薬物治療がメインですが、生活様式を変えるだけで良くなったとわかったので、片頭痛の光過敏に関する研究を始めました。
ですから、私の神経内科医としてのキャリアは、最初の10年はギラン・バレー症候群、そしてその後は片頭痛にシフトしていった形ですね。
――先生が臨床や研究で大事にしていることはありますか?

辰元先生 私は研究と臨床は繋がっていると思っています。患者さんの声を聞いて問題点を抽出し、それを研究に生かしていくというスタンスでこれまで活動してきました。患者さんに隠れている困っていることや問題点を、いかに抽出していくことが大事だと思っています。
――医師としての活動は継続しつつ、現在は企業に所属していますが、どのような転機があったのでしょうか?
辰元先生 片頭痛の研究をしている中で、企業と一緒にメガネを開発したり、工学部の他の先生とやりとりすることが多くなりました。2022年に静岡県で頭痛学会が開かれた際に、キヤノンマーケティングジャパン株式会社のメンバーから、新規事業として頭痛セルフケアサポートアプリを作っていきたいので関わって欲しいとオファーを受けたのです。照明やメガネについては学会を通じて発信はしていましたが、より多くの方に発信することに課題感を持っていましたので、アプリを通じて片頭痛をよくしてくことに共感しました。最初は大学所属した状態でアドバイザーとして参画し、2024年7月に転職して社員になりました。
ただ、現在も医師として臨床現場には立っています。2015年8月から栃木県の那須にある病院で半日診療しています。2025年8月からは、那須の病院で診察した後、午後から宇都宮市にある頭痛で有名な大林クリニックで診療する予定です。
――先生が開発に携わっているアプリについて教えてください。

辰元先生 頭痛セルフケアサポートを行う「ヘッテッテ」という名前のアプリです。アプリは3つの要素で構成されています。1つ目は、頭痛の誘因タイプを判定することで、アンケートに答えていただくと頭痛タイプがわかります。2つ目は、それぞれの頭痛タイプに合わせたセルフケアプログラムの提案です。そして3つ目は、日常の習慣や行動を記録し、追跡する「ハビットトラッカー」という仕組みです。これは毎日決まった時間に頭痛の有無を振り返ったり、セルフケアプログラムや習慣化したい項目を設定し、実践出来たらハビットトラッカーの枠に色を塗ります。頭痛があった場合は詳しく記録することもできますよ。こういった仕掛けによって、頭痛セルフケアを毎日継続し習慣化できるようサポートしています。
――なかなか行動変容を起こすことは難しいので、こうしたセルフケアの習慣化までサポートしているのはありがたいですね。先生は、開発しているアプリや臨床を通じて実現したいVISIONはありますか?

辰元先生 医療機関を受診しない片頭痛の患者さんが多いことが知られています。生活に支障が出ていない方もいますが、薬を飲んで寝込んでしまう、仕事に行くが効率が上がらない、家庭での生活に支障をきたすなど、生活に支障が出ている方も多くいると思います。
こうした方を医療機関で治療して症状を良くすることは当たり前だと思いますが、医療機関に来る前に生活を見直すことで頭痛を減らすことができるのです。私はこうした片頭痛の患者さんが、より良く幸せに過ごせる環境を作りたいと思っています。
――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいています。公開されている医療・ヘルスケア情報で気になることはありますか?
辰元先生 患者さんや一般の方と話す際に、正しくない情報を見て信じている方が多いことが気になっています。私たち医師は学会活動などを通じて最新の知見を得ているので、こうした情報を見分けることができますが、一般の方には難しいと思います。
メディコレWEBは医師が記事などのコンテンツを監修しているので信頼性が担保することができますし、発展性もあると思います。一般の人が医師が監修した正しい情報を得る機会が増えることに期待しています。
――弊社の取り組みにも期待をいただきありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

辰元先生 「ヘッテッテ」は当社の社内企業プログラムから生まれたサービスです。私はこうした社内企業プログラムから生まれたビジネスだけではなく、スタートアップとのオープンイノベーションのチームにも関わっています。現在はヘルスケアやレジリエンスに関連した新規事業創出に携わっており、今後はその他の領域での新規事業においても、医師としての知見を生かし一助になれればと考えています。「辰元先生がいる会社と新規事業を起こしていきたい!」と思っていただけるようになりたいです。
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