「心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医・玄哲樹の思い

「心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医・玄哲樹の思い

2025年6月10日
「心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医・玄哲樹の思い

「心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医・玄哲樹の思い

2025年6月10日

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、すみだブレインハートクリニック院長の玄哲樹先生にお話を伺いました。

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、すみだブレインハートクリニック院長の玄哲樹先生にお話を伺いました。

心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医としての思い

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。

玄先生 高校生になると将来の進路を考えることになりますが、最初は理工学部に進んで数学を学びたいと思っていました。数学はとても得意でした。ただ、その後改めて将来のことを考えた時に、直接的に人のためになるということを仕事にしたいと思ったのです。そのため、医師になることを志しました。

――現在の専門に進んだ理由はありますか?

玄先生 大学を卒業する頃は、小児科か循環器内科にしようと考えていました。大学病院で研修医として働いていた際に、薬やカテーテル治療で劇的に状態が良くなる患者さんの姿を見て、循環器内科に進むことを決めました。

循環器内科は本当に面白い診療科です。動脈硬化疾患、高血圧とか肥満、糖尿病、心不全、狭心症からアルツハイマー型認知症まで治療の対象にしている。これらの疾患の全ての段階に介入して治療することができますし、長期的に患者さんと関わることができるのも魅力だと思っています。

――クリニックではどのような診察が多いですか?

玄先生 総合病院で循環器内科で働いていた時に、心不全の人が入院して症状が良くなる様子を多く見てきました。ただ、もっと早い段階で介入して治療することが必要なのではないか、と思うようになりました。心臓病になった人に心臓の治療をするのではなく、もっと早い段階で治療をするために当院を設立しました。病院で行ってきたレベルの循環器の治療を、地域で提供したいと思っています。

患者さんで一番多いのは高血圧の方ですね。あとは脂質異常症も多いかと思います。また、通常の発熱外来や年末のインフルエンザの予防接種など一般の病院と同じ治療も一部提供しています。

――先生が臨床で大事にしていることはありますか?

玄先生 患者さんに対して大事にしているのは、コミュニケーションとしっかりとることと、情報開示を適切に行うことです。当院独自の取り組みとして、カルテに書き込んだ内容を患者さんに渡しています(発熱外来は除く)。

診察室で血圧を下げることを説明するのですが、なかなか伝わらないことが多いです。そのため、患者さんが家に帰ってからも治療について確認できるように、カルテに記載した内容をプリントして渡しているのです。これはクリニックを開業した時からずっとやっていて、血液検査の結果などもお渡ししています。

――カルテの情報をプリントしてもらえると患者にとって便利ですね。先生は現在気になっていることや、チャレンジしていることはありますか?

玄先生 今まさにチャレンジしているのは、血圧のアプリを作ろうと思っています。血圧は病院やクリニックに来た時だけ測るのではなく、患者さんが自宅で測ったデータが大事なのです。当院では自宅で血圧を2週間測っていただき、その結果をもとに診断しています。

現在は日々の血圧測定の結果を手帳で書くと大変なので、スキャンしてカルテに取り込んでいます。これがアプリになれば、患者さんがご自身で血圧の数値を入力したら、自動的に医療機関につながる仕組みを作ると、医師が簡単に管理できる。このアプリは当院だけではなく、患者さんが希望したら他のクリニックなどでも使えるようにしたいと思っています。

高血圧は、なんとなく血圧高いから、なんとなく薬を飲んで、なんとなく続けているのが現状です。他の病気は違いますよね。糖尿病はちゃんと血糖値をモニターできる仕組みがあります。高血圧でも同じことをやっていきたいと思います。

――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいていますが、医師が監修に協力する意義を教えてください。

玄先生 医療情報に医師が関わることはとても大事なことです。私もYoutubeのチャンネルを作って、心臓病や高血圧の情報発信をしています。このチャンネルを始めたきっかけは、高血圧で検索してお勧めされたチャンネルを見た時に、「高血圧の原因は首の血流が悪いから」と解説している動画を流していたのです。循環器内科の専門医としては全く賛同できない内容なのですが、何万回も再生されていました。この時に、健康に関する情報発信する時には、医師が関わることが大事だなと思いました。

――先生のVISIONを教えてください。

玄先生 循環器の中でも心不全に関する治療が私は好きなのですが、私は、心不全への対応や治療について社会的な段階があると考えています。一番低いレベルは、①心不全がわからない、というものです。その次に、②心不全だとわかっているけど亡くなってしまう。③心不全の治療はできる。④心不全の予防法もわかって治療もできる。予防法となると高血圧の治療もすることになります。今の社会はこれくらいの段階です。その次のレベルになると、⑤高血圧の人は完全に治療されて、心不全にならない。そして最後のレベルは⑥高血圧の人はいなくなり、心不全がなくなる、というものです。これが技術的に不可能かというと、私はそうではないと考えています。高血圧の治療をしっかりと行うことで、将来的に心不全は希少疾患になるのではないかと思います。私は、社会全体として心不全の治療をステップアップしたいです。

―最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします

玄先生 医療業界は、企業が入って新しいことを作り上げて、人のためになることがまだまだたくさんあると思います。カルテのAI化や患者さんとのコミュニケーションツールを始め、課題は山のようにあります。医師や患者さんの思いを理解していただき、一緒に解決できる取り組みを作るチャンスがあると良いと考えています。

心不全を減らして希少疾患にしたい」循環器内科専門医としての思い

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志した理由を教えてください。

玄先生 高校生になると将来の進路を考えることになりますが、最初は理工学部に進んで数学を学びたいと思っていました。数学はとても得意でした。ただ、その後改めて将来のことを考えた時に、直接的に人のためになるということを仕事にしたいと思ったのです。そのため、医師になることを志しました。

――現在の専門に進んだ理由はありますか?

玄先生 大学を卒業する頃は、小児科か循環器内科にしようと考えていました。大学病院で研修医として働いていた際に、薬やカテーテル治療で劇的に状態が良くなる患者さんの姿を見て、循環器内科に進むことを決めました。

循環器内科は本当に面白い診療科です。動脈硬化疾患、高血圧とか肥満、糖尿病、心不全、狭心症からアルツハイマー型認知症まで治療の対象にしている。これらの疾患の全ての段階に介入して治療することができますし、長期的に患者さんと関わることができるのも魅力だと思っています。

――クリニックではどのような診察が多いですか?

玄先生 総合病院で循環器内科で働いていた時に、心不全の人が入院して症状が良くなる様子を多く見てきました。ただ、もっと早い段階で介入して治療することが必要なのではないか、と思うようになりました。心臓病になった人に心臓の治療をするのではなく、もっと早い段階で治療をするために当院を設立しました。病院で行ってきたレベルの循環器の治療を、地域で提供したいと思っています。

患者さんで一番多いのは高血圧の方ですね。あとは脂質異常症も多いかと思います。また、通常の発熱外来や年末のインフルエンザの予防接種など一般の病院と同じ治療も一部提供しています。

――先生が臨床で大事にしていることはありますか?

玄先生 患者さんに対して大事にしているのは、コミュニケーションとしっかりとることと、情報開示を適切に行うことです。当院独自の取り組みとして、カルテに書き込んだ内容を患者さんに渡しています(発熱外来は除く)。

診察室で血圧を下げることを説明するのですが、なかなか伝わらないことが多いです。そのため、患者さんが家に帰ってからも治療について確認できるように、カルテに記載した内容をプリントして渡しているのです。これはクリニックを開業した時からずっとやっていて、血液検査の結果などもお渡ししています。

――カルテの情報をプリントしてもらえると患者にとって便利ですね。先生は現在気になっていることや、チャレンジしていることはありますか?

玄先生 今まさにチャレンジしているのは、血圧のアプリを作ろうと思っています。血圧は病院やクリニックに来た時だけ測るのではなく、患者さんが自宅で測ったデータが大事なのです。当院では自宅で血圧を2週間測っていただき、その結果をもとに診断しています。

現在は日々の血圧測定の結果を手帳で書くと大変なので、スキャンしてカルテに取り込んでいます。これがアプリになれば、患者さんがご自身で血圧の数値を入力したら、自動的に医療機関につながる仕組みを作ると、医師が簡単に管理できる。このアプリは当院だけではなく、患者さんが希望したら他のクリニックなどでも使えるようにしたいと思っています。

高血圧は、なんとなく血圧高いから、なんとなく薬を飲んで、なんとなく続けているのが現状です。他の病気は違いますよね。糖尿病はちゃんと血糖値をモニターできる仕組みがあります。高血圧でも同じことをやっていきたいと思います。

――先生には普段からメディコレWEBで医師監修にご協力いただいていますが、医師が監修に協力する意義を教えてください。

玄先生 医療情報に医師が関わることはとても大事なことです。私もYoutubeのチャンネルを作って、心臓病や高血圧の情報発信をしています。このチャンネルを始めたきっかけは、高血圧で検索してお勧めされたチャンネルを見た時に、「高血圧の原因は首の血流が悪いから」と解説している動画を流していたのです。循環器内科の専門医としては全く賛同できない内容なのですが、何万回も再生されていました。この時に、健康に関する情報発信する時には、医師が関わることが大事だなと思いました。

――先生のVISIONを教えてください。

玄先生 循環器の中でも心不全に関する治療が私は好きなのですが、私は、心不全への対応や治療について社会的な段階があると考えています。一番低いレベルは、①心不全がわからない、というものです。その次に、②心不全だとわかっているけど亡くなってしまう。③心不全の治療はできる。④心不全の予防法もわかって治療もできる。予防法となると高血圧の治療もすることになります。今の社会はこれくらいの段階です。その次のレベルになると、⑤高血圧の人は完全に治療されて、心不全にならない。そして最後のレベルは⑥高血圧の人はいなくなり、心不全がなくなる、というものです。これが技術的に不可能かというと、私はそうではないと考えています。高血圧の治療をしっかりと行うことで、将来的に心不全は希少疾患になるのではないかと思います。私は、社会全体として心不全の治療をステップアップしたいです。

―最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします

玄先生 医療業界は、企業が入って新しいことを作り上げて、人のためになることがまだまだたくさんあると思います。カルテのAI化や患者さんとのコミュニケーションツールを始め、課題は山のようにあります。医師や患者さんの思いを理解していただき、一緒に解決できる取り組みを作るチャンスがあると良いと考えています。

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